「ジョン・ウィック」の感想・レビュー(ネタバレ有り)

ジョン・ウィックジョン・ウィック
★★★★
監督 チャド・スタエルスキ
脚本 デレク・コルスタット
配給 ポニーキャニオン
上映時間 101分

おはようございます、しんじです。
早いものでもう三箇日が終わろうとしていますね。
僕は伊達巻いっぱい食べて正月気分は味わいました。

さて、今回、書いた感想は、マトリックス以降のキアヌの当たり役「ジョン・ウィック」です。
しばらくシリーズを追っていこうと思います。
まずは2014年公開の第1作目からはじめます。
どうぞお付き合いくださいね。
PukuPukuMarine

あらすじ 感想

〇あらすじ
愛するひとを見つけた。
固く握りしめたはずだった。
だけれどその愛はまるで砂のように手からこぼれ落ちてしまう。
なぜだ。
数日後、最愛の妻から贈り物が届いた。

ジョン、きっと今のあなたに必要なものを贈るわ。

ジョン・ウィック

それは1匹の子犬だった。
妻からの最後のプレゼント。

それは愛を失ってほしくない願いの証だったのだろう。

子犬との生活が始まろうとするその夜、強盗に侵入されてしまう。

が鈍ったのか。
数人に一気に殴られ気を失いかける目には、子犬を蹴り殺す影、耳には子犬の悲鳴。
そして覆面をとるニヤけた男の顔を脳裏に刻んだ。

ジョン・ウィック

子犬の死がジョン・ウィックへ戻してしまった。
子犬の命は天秤に乗せられぬほど重い。
それを思い知れ。

ジョン・ウィック

復讐が始まった。

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あらすじ 感想

〇感想
復讐の動機がかっこいいですよね。

子犬一匹の命で逆鱗に触れてしまったのだから、お気の毒様だよ。
盗むのは車だけにしておけば良かったのに。

ペイ・バック」でもそうでしたが、たったそれだけのためにマフィアを追い詰めるという。
これ何て表現するのだろう。
大胆さ?
豪胆さ?
爽快さ?
違いますね。
とにかく、その理由でマフィアを追い詰めることに身震いするほどカタルシスを感じてしまうんですよね。

ここがこの映画の最大に良いところですよね。

そしてたったひとりのハードボイルドは凄くカッコいいんだけど、そこにちょいアシストする相棒的な者がいるとシビレるんですよね。

そう次元大介みたいな寡黙でいつもどうしようもない時に助けてくれるような男。

その役をウィレム・デフォーがやるんですよ。
もう参りました。
この役者さんは僕のお気に入りなんですよ。(Likeな俳優さんたちランキング参照)
渋いですよ~かっこいいですよ~。
よだれが出そうだ。

ジョン・ウィック

このスナイパーであるマーカス(ウィレム・デフォー)の銃弾が鋭く頭打ち抜く。
で、いつもワンアシストくらいなのがかっこいいです。

それと殺し屋ご用達のホテルっていうの設定がアニメ的でおもしろい。
そこの会員はそのホテルでは仕事をしてはならないという鉄の掟があるんです。
その鉄の掟を破ったら・・・
これがまた超かっこいい

このホテルの受付をランス・レディックがやっているんです。
ジョン・ウィック

ただの受付で事務的に仕事をこなすだけの役どころなんです。
嘘だろ!絶対にこのひとも凄腕だろ!
この顔でただの受付は無いわ(笑)

また裏稼業ご用達の自動車工場のオーナーにジョン・レグイザモが登場します。
どうか敵にならないでほしい・・・
ジョン・ウィック

ジョン・レグイザモにはちょい悪だけど良い奴が似合っている。

このように魅力的な俳優がこの映画にはたくさん登場して、この先のシリーズでもどんな魅力的な裏の男や女が登場するのか楽しみな作品ですよね。

キャスト、ストーリーも凄く良かったのですが、ただひとつだけ魅力不足だった。
これは勝手な個人的なものです。

キアヌ・リーブスから危険な香りがしないこと。

たしかにキアヌ・リーブスはかっこいいし、キャストとしてほぼ不満は無いんですが、容赦なく非情に頭を打ち抜いても、なぜか香りがしないんですよ。

いや、たぶん「そんなことねーよ」っていうひとが大半だと思うんですけど。

ジェイソン・ステイサムのようなコテコテを求めているわけじゃない。
う~ん・・・言って見ればもっと背中に冷たいものが走る感じが欲しかった。

それと息子を殺して目的を達成した後に、もうひとバトルは欲張りすぎでしたよね。
あれはこの映画の蛇足だったと思う。

ヨセフを殺し、コンチネンタルの制裁の場面で終わりの方が映画が締まったと思う。

このジョン・ウィック最新作がまちどおしいですが、全米公開が2022年の5月になったらしいですね(2012/12の情報)
日本は夏くらいになるのかな?
ドニー・イェンが出演するってことはかなり肉弾戦が多くなりそうですね。
それとビル・スカルスガルドがどんな役で登場するのかも楽しみです。

さて、続いて「ジョン・ウィック:チャプター2」も観ていこうと思います。
ではね。

あらすじ 感想
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劇場版アニメ「時をかける少女」の感想・レビュー(ネタバレ有り)

時をかける少女時をかける少女
★★★★★
原作 筒井康隆「時をかける少女」
監督 細田守
脚本 奥寺佐渡子
制作会社 マッドハウス
配給 角川ヘラルド映画
上映時間 98分

こんにちは、しんじです。
今回は前々から気になっていたアニメ「時をかける少女」を観ました。
僕の世代だとまず思いだすのが1983年に公開された原田知世さん主演の同名映画です。
原作者の筒井康隆さんのSF小説は今までも多くの作品が、映画化されたりドラマ化されていますよね。
短編小説などはいろいろなところが補足されたり変更されています。
僕はあまり本を読まなかったけど筒井さんのSF小説はよく読んでいました。

さて、本作はやはり筒井康隆さんの小説をもとにして作っているようですが、時代は変更されています。
小説が発表された1960年代はPCもなければ携帯やスマホもない時代でしたからね。
さすがにあまりにも現代と違いすぎますもんね。

でも、どんなに時代が変わろうと、過去も未来も変わらないのはその時に生きる若者の青春の輝きでしょう。

この映画はほんのひと夏のある日の事を描いている物語。
でも、若者の青春はそのひと瞬(とき)、ひと瞬(とき)が永遠の輝きを放つことがある。
この映画もまた観る人のその胸にそっとしまってある「ひと瞬」を思い出させてくれる映画になっています。
PukuPukuMarine

あらすじ 感想

〇あらすじ
いつものようにギリギリまで寝て、チャリ全速で走らせて遅刻セーフな高校生活
同級の千昭と幼馴染の功介とは、毎日のように野球やカラオケをする友達という間がらだ。
時をかける少女

誰にでもあるやたらついていない日

そんな日に真琴の自転車のブレーキが壊れ電車にひかれて死んだ・・・

と思った瞬間、真琴は踏切前の坂の途中にいた。

時間はほんの数分前だ。
時をかける少女

変わり者と言われる叔母の和子にその事を話すと和子はその話を何の疑いもなく受け入れ、それは時間が戻ったのではなく真琴がタイムリープしたのだと説明する。
時をかける少女

突如、タイムリープを手に入れた真琴は、ささいな事にタイムリープを使い有頂天になる。

ある悩みを和子に相談する真琴であったが、そこで和子に言われるのだ。
(あなたがタイムリープして)誰かが傷ついていないかしら?

真琴は自分の都合でタイムリープしたことで他の人が傷つくことを深く考えはじめる。

ある日、男友達である千昭から電話で驚きの言葉を投げかけられる。

おまえ・・・タイムリープしていないか?

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あらすじ 感想

〇感想
これぞ長編アニメの素晴らしさ!
本当に心にキュンとくるアニメだった。

作画もとても好みの絵だったし、真琴の声を出していた仲里依紗がとっても良かった。
本業の声優さんを使うのもいいけど、時には混じりけのない初々しさ漂う声もいいですね。
もちろん演技も凄く良かったです。
等身大の女子高生って感じです。

そして構成・脚本・音楽も素晴らしい

僕のお気に入りの場面は、真琴が千昭を会うため必死に走る場面。
時をかける少女

そこには街の喧騒と必死に走る真琴の息づかい、やがて街の喧噪すら聞こえなくなる。
17歳の一生懸命さが伝わる場面だ。

そして川辺での、別れ・・・真琴の

時をかける少女

もうウルっとしてしまいました。

そして戻ってきた千昭と真琴の「約束」

その後日、真琴が自分のやることを決めるのが・・・とってもさわやかなエンディングだった。

時をかける少女

挿入音楽はストリングスやピアノの伴奏が主に使われていて、ストーリーのじゃまにならずに盛り上げてくれる。

そして高まった真琴の想いと挑戦の場面だけ奥華子さんの「変わらないもの」が程よい大きさで使われています。

これが邪魔にならないサントラというものなんです。
わかるかな?某アニメ映画の監督さん。

あの映画のせいで長編アニメを避けていた昨今だけど、この映画を観てよかった。

良い長編アニメはやっぱり存在するんですね。

タイムリープものだとどうしてもパラドックスや辻褄合わせにケチがつくけど、この映画が表現したいものはそこじゃない。

冒頭にも書いたように過去・現在・未来でも変わることない青春の輝きなんだと思う。
みなさんも大きくなった頭をどこかに降ろして、このアニメ映画を楽しんでもらいたいです。

でも、最後にひとつ気になった点がある。
映画の冒頭、野球をしていた真琴が、次の瞬間にベッドから起き上がる場面。

時をかける少女

あれって誰かの意志で過去をやり直ししたのではないだろうか?
例えば・・・叔母の和子とか。

和子が真琴に言ったセリフが気になるんです。
あなたは私のようなタイプじゃないでしょ。待ち合わせに遅れたら走って迎えに行くのがあなたでしょ。

これって実は和子は力をもっていながら待ち人に会うために使わなかったってことじゃない。
時をかける少女

真琴の後悔を一度だけタイムリープを使いやり直しさせたのでは?

ちょっと深読みかな?(笑)

あらすじ 感想
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「人生の動かし方」と「最強のふたり」を見比べてみた感想(ネタバレ有り)

新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

元旦の朝から映画三昧です。
本日は「人生の動かし方」と「最強のふたり」を観ました。
タイトルは全然違いますが、内容はほぼ同じです。
というのも「人生の動かし方」はフランス映画「最強のふたり」のリメイク版なんです。
物語は実話をベースに書かれたものらしいですよ。
今回はそれぞれの映画の違いと感想について書いてみたいと思います。

まず、僕はこの2つの映画を吹替え版で観たことを前提に感想を書きます。
「人生の動かし方」はどうかはわからないけど「最強のふたり」に関しては吹替え版で観ることをお勧めします
それはドリス役のオマール・シーの声よりも吹替えした菅原正志さんの声の方が役にあっているからです。
PukuPukuMarine

〇あらすじ
仕事もせずに明日の生活もどうなるかわからない男ドリス(リメイク版:デル)は雇用保険金の受取条件として求職活動をする。
職業安定所から指定された求職口のひとつに大富豪の家の仕事があった。
それは首下から麻痺になる主人の介助をする仕事だ。
ただ面接を受けた証拠だけ欲しかったドリスだが、主人フィリップの気まぐれで採用となってしまう。
そして金はあるが不自由な暮らしをするフィリップ金がなくて不自由な暮らしをするドリスの奇妙な関係が始まる。

人生の動かし方 最強の二人

人生の動かし方人生の動かし方
★★★☆☆
監督 ニール・バーガー
脚本 ジョン・ハートメア
配給 ショウゲート
上映時間 126分

この映画は2019年に公開されていています。
キャスト
介助人デル・スコット:ケヴィン・ハート
主人フィリップ・ラカット:ブライアン・クランストン
イヴォンヌ・ペンドルトン:ニコール・キッドマン

リメイク版では介助人デルの年齢が中年男性となっています。
人生の動かし方

生まれついた環境から刑務所を行き来する人生を送っています。
仕事も長続きせず、全てが周りのせいと思っている典型的なクズな男です。
そのため女房には愛想をつかされ、子供にも無視されて別居中です。
このデルを見ていると、もうこの年齢で立ち直れないのなら更生するのは無理じゃないかと思います。
かなり自分中心の考え方をするため、相手の気持ちを考えずに好き勝手な言動が目立ちます。

一方、フィリップは妻を先に亡くし、その上、重いハンディキャップを背負う人生に疲れてしまっています。
人生の動かし方

彼は生きる事を手放す機会を待っている。

発作により死ぬのならそれも良いと考え、いいかげんな男であるデルを介助人として雇うのです。

このリメイク版は2人がかなりマイナスからスタートしている印象を受けます。

何事もきっちりと重く考えるフィリップは、デルのいいかげんさに自分の鬱積した想いを解放するはけ口をみつけます。

その象徴的な場面がオペラ鑑賞の場面でしょう。
デルが劇場で木に扮した役者が歌を歌うことに大笑いをするんですが、こよなくオペラを好んでいたフィリップは、今まで考えたことなかったでしょう。
木が歌を歌うその滑稽な光景に。

フィリップは耐えきれず笑ってしまいます。

デルはフィリップの常識を少しずつ壊して再構築してくれる人物だったのです。

ドラマはそのような感じで進んでいるのですが、僕にはどうしてもこのデルに好感を持つことができなかった。
まずはあまりにも自分の考えをフィリップに押し付けるところがたまらなく嫌だった。
特に文通相手に電話してしまう場面などは、あまりにも強引だ。
そして、フィリップが女性と実際に会うこととなり失敗してしまう。
当然、フィリップは「だから言ったんだ。」とイラつきからデルを責めると、デルがこういうんです・
俺は電話をかけただけだ。話をしたのはあんたの意志だぜ。
まるで俺には何の責任もない。悪いのはあんただ。と言っているような口ぶり。

これってデルの生きざまを表しているようで嫌悪感が増してしまいました。

当然、これで機嫌を損ねてデルはクビになります。
まぁ、当然でしょ。
同情もできませんでしたね。

それと疼痛で苦しむフィリップにマリファナを勧める場面も良くなかったです。
フランス版では軽い感じでマリファナを吸わせていたのですが、アメリカ版は下手したらさらに発展して麻薬中毒にしてしまいそうな描写の仕方をしています。
終始デルがマリファナの話をするのにも好感が持てなかったよ。

デル役のケヴィン・ハート少しクセが強すぎます。
「何だってんだ。」て言い訳がましい顔がちょっとイラっとする。
これくらい口が動く男なら若い頃のエディ・マーフィのような軽さがある俳優の方が良かったと思う。

このリメイク版がフランス版と大きく違うところはヒロインを作ったところです。
イヴォンヌはフランス版では使用人のおばちゃんでしたが、この映画ではフィリップの事務的な仕事をする女性として描かれています。
人生の動かし方

しかも眼鏡をかけたニコール・キッドマンなんてちょっと綺麗すぎるだろ
ただ仕事として働く女性として振舞うが、思い返せば誰よりもフィリップを心配しいつでもフィリップのそばで支えていた女性

それをラストにフィリップに気づかせる。
この映画において一番のGood Jobだったぜ!デル!

この映画で実話のデル(ドリス)が会社社長になったことを映画の中で描いていましたね。
彼はフィリップに解雇されたあと売った絵の金を元手に介助器具の会社を設立した様子が描かれています。
人生の動かし方

映画の中でフィリップがビジネスプランの質問をデルにしていたことが、ここで生かされていました。

でも中年まで半端者だったデルが会社社長で成功するっていうのは少し現実味が薄いように感じました。
特に映画で描かれたデルの性格だとね。

しかしながら、ラストにはフィリップとイヴォンヌが良い関係を再構築できたようでとてもハッピーな気持ちになれました。

人生の動かし方

この映画でもやっぱりブライアン・クランストンの演技は素晴らしかったですよ。

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人生の動かし方 最強の二人

最強のふたり最強のふたり(吹替え版
★★★★★
監督・脚本 エリック・トレダノ
製作国 フランス
配給 ギャガ
上映時間 112分

さぁ、こちらが本家本元「最強のふたり」です。
2011年に公開された映画です。

キャスト
介助人ドリス:オマール・シー
主人フィリップ:フランソワ・クリュゼ

「人生の動かし方」では介助人デルが中年男にしたのはリメイクを作るうえで改悪だと思えます。
それをこの映画が語っています。

この映画のドリスは年齢として20~25歳くらいの青年です。
最強のふたり

彼は養子であるがため、家庭の中に居場所を無くしてしまい、その上フランスの就職難のため職に就けない若者として描かれています。
ドリスの家は裕福ではなく夜になると団地の下に悪友が集まってきます。

ドリスが今、一番の気がかりにしているのはギャングとかかわりを持つ弟のことだ。

一方この映画のフィリップはリメイク版と違い由緒正しい大富豪です。
豪邸に住み使用人を雇っている本物の大富豪です。
最強のふたり

リメイク版のフィリップは自分で稼いだお金で大金持ちとなり使用人を雇っているのですが、が違います。

この格式がこの映画の大きなカギとなるのです。

介助人として働くことになるドリスは今まで自分がいた世界と違う、それはまるで異世界の中に入り込んだような気持ちになります。
それが描かれているのがバスルームの場面です。
自分の家の小さなお風呂と違いそれは映画などの世界でしか目にしたことがない豪華で気品のあるバスルームです。
最強のふたり

リメイク版のようにいろいろと悪い世界を知った中年男と違い、ドリスは自分が住む環境以外の事を知らない若者なのです。

ドリスはフィリップの介助をすることにより今まで触れたことのない絵画・音楽・歌劇などに触れていきます。
最強のふたり

そして粗暴な彼の中に格式ある教養が備わっていきます。

それは彼の心を豊かにしていき、人とのかかわり方が変わっていきます。
それをこの映画の中では描いているのです。

一方フィリップは重いハンディキャップにより性格が気難しくなっています。
しかしリメイク版ほど悲観的にはなっていません。
むしろこの映画で描かれているのはハンディキャップを持っていることで腫物を触るような周りの態度にストレスを感じていることです。

いままで雇った介助人はどいつもこいつもフィリップという人間ではなく介助を必要とする患者のような扱いをしていたのでしょう。

しかしドリスは違った。
彼の性格は粗暴であるようだが、フィリップが動けない事をネタにブラックジョークを言って笑うのだ。
それはまるで悪友に接するようにだ。
患者としてではなく、「体が動かないフィリップ」として接するドリスに居心地の良さを感じるのだ。

そしてこのドリス役のオマール・シーが大きな体でかっこいいんです。
吹替えで観ると声もかっこよくて本当に吹替え版お勧めですよ。
このちょっと怖い兄ちゃんがフィリップの娘を振った男に脅しをかける場面なんか、なんかスッとしてニヤっとできます。
最強のふたり

それにダンス場面もキマッってましたよ。

ドリスが介助人を辞める理由もリメイク版みたいな後味の悪いものでなく、気がかりな弟の面倒を見るための前向きなものです。
弟のことについてギャングと話付けるところなんか男気を感じます。

ドリスが辞めた後、フィリップは再び気難しくなるのだけど、心配したドリスが「なんだ、そのヒゲは。かっこりーから剃れ。」なんて白い歯を浮かべて会いに来るところなんか、友達が訪ねてきたみたいで清々しいですよ。
最強のふたり

文通相手にドリスが強引に電話するのはリメイク版と一緒でした。
ただこちらのフィリップの手紙は確かに酷いもので進展なんて期待できるものではなかったです。
そんなの書いているんなら、電話したほうがいい。」という理由だ。

そして文通友達から電話友達に発展。
この辺は丁寧に描いていましたね。

でも美人な文通友達に会う勇気をフィリップは持つことができませんでしたね。

ラストのその白い歯を浮かべたドリスが、2人の会う機会を作ってしまうところなんか、「やれやれ手間がかかるぜ、俺のダチは。」って感じでさわやかでした。

最強のふたり

この映画、フィリップと出会い教養を身に着けたドリスには未来を感じることができます。
刑務所を行ったり来たりの中年男のリメイク版よりも全然さわやかにみることができました。

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人生の動かし方 最強の二人

〇結論
2つの映画、どちらを観るか迷っているあなた。
お勧めは「最強のふたり」の吹替え版です。
絶対に面白い映画です!!
お勧めです。

そして時間に余裕があるあなた。
2つの映画を見比べるのもおもしろいですよ。
リメイク版も悪くない出来栄えですので。

ちなみに、フランス版のイヴォンヌはフィリップとドリスの良き理解者である屋敷の使用人のおばちゃんです。
とってもユニークで良いキャラクターしてますよ。
最強のふたり

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「ブラックブック」の感想・レビュー(ネタバレ少な目)

ブラックブックブラックブック
★★★★☆彡
監督・脚本 ポール・バーホーベン
製作国 オランダ
配給 ハピネット
上映時間 144分

こんにちは、しんじです。
今日は大みそかです。
今はちょうど18:00。
たぶんこの記事をUPするころには新年になっているかもしれませんね。

さて、今回、感想を書く映画は「ブラックブック」です。
監督は「トータル・リコール」「ロボコップ(1987)」「スターシップトゥルーパーズ」でメガホンをとったポール・バーホーベン監督です。
しかし、映画製作国はアメリカではなくオランダ映画なんです。
たぶん監督の思い入れのある映画なのだと思います。
監督がオランダ人なので。
今回は初見でAmazonプライムビデオでの鑑賞となります。
PukuPukuMarine

あらすじ 感想

〇あらすじ
スエズ動乱直前のイスラエルにて教師をしているラヘル。
観光客の女性に声を掛けられる。

ブラックブック

その女性は第二次世界大戦終戦直前のオランダにて知り合った女性だ。
その日、彼女は川辺に佇みながら当時の事を思い出していた。

ドイツの占領下のオランダにてユダヤ人のラヘルはナチスから身を隠しながら暮らしていた。
ある日、安全な地域に逃げるためにレジスタンスの男の手引きで家族と共に船に乗る。
だが、それはナチスの罠だった。

ブラックブック

家族もろとも船に乗ったユダヤ人は皆殺しにされ金銀・金目のものをはぎ取られる
何とか難を逃れたラヘルは助けてくれたレジスタンスの仲間になり、スパイ活動を始める。
ラヘルは名前をエリスに変え金髪の女性となりドイツ軍諜報部のムンツェ大尉の愛人になる。

ブラックブック

しかしエリスの心は次第にムンツェ大尉に惹かれ始める・・・
レジスタンスとムンツェ大尉への愛のはざまで裏切りが裏切りを呼ぶ事態へとなっていく。

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あらすじ 感想

〇感想
いやいや二転三転するこの映画は大好物な映画でした。
まだ観ていない人のために、なるべくネタバレ少な目で感想を書きたいと思います。

ナチスから逃れ逃れた女性の物語で思いだすのが、タランティーノ監督の「イングロリアスバスターズ」ですが、この映画はあそこまで大げさなカタルシスを表現する映画ではないです。

もっとそっと大人の色っぽさがにじみ出ている印象を受ける映画でした。
エリスのもとに2人の男性が現れます。
レジスタンスの医者でありリーダー的存在のハンス・アッカーマン

ブラックブック

そしてもうひとりがドイツ軍諜報部ムンツェ大尉

ブラックブック

この2人の男性のもとで揺れ動くエリスの人生
当然、憎きナチス将校などに心を許すはずもないはずなのだが、そこにレジスタンスである前にひとりの女性として揺れる心を描いているのが他の映画と違うところでした。

そしてそこになぜか大人の色気を感じてしまいました。

ドイツ基地には家族の仇であるフランケン中尉がいて、その高ぶった感情を抑える場がムンツェ大尉の胸の中だったのかもしれないですね。

レジスタンスの作戦の失敗、ドイツ軍将校の対立、いろいろな要素でエリスの立場が二転三転していく。

この映画では終戦を迎え、オランダ国内に残されたドイツ軍に協力していた市民がどのような扱いをされていたかを少し描いていました。

ブラックブック

その中にエリスは放り込まれて、彼女も酷い虐待を受ける。
その様子はまるでナチス親衛隊がユダヤ市民に対して行う虐待と大差がなかった

戦争はどちらに転んでもやはり人間の残虐さを浮き彫りにするものだなと感じました。

この映画、エリスがしっかりと自分を陥れた人物に片を付けるのですが、その時のエリスの表情が凄くいいんですよ。

ブラックブック

実際、様々な酷い目に合ってきた人はこんな表情でネジをしめそうです。
思いがひしひし伝わってきます。

苦しみに終わりはないの?

最愛の人物の死を知ったエリスが叫びます。
この映画のラストシーン、まるでこの言葉を皮肉っているようでした。

ブラックブック

最後の爆撃の音は次の戦争の狼煙の音だそうです。
その戦争は第二次中東戦争=スエズ動乱というそうですよ。

愛と裏切りが入り混じった第二次世界大戦下のスパイ映画。
凄く面白い映画でした。
144分という長編ですが中身が濃い時間をすごすことができます。
年末年始にひとりで映画を観る人には超おススメですよ。

あらすじ 感想
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年末年始に観たい映画20選(2021)

こんにちは、しんじです。
2021年もあと少しで終わりますね。
僕ははっきり言ってコロナ疲れでけっこう心がやられております。
その影響もあって今年は思ったよりも映画を観なかったかな。

2022年も先行きは不安だけど、目の前にある小さな事を幸せに感じるような心持で行こうと思ってます。

とはいえ、やっぱり今年も年末年始はなるべく部屋で過ごそうって人も多いと思います。
そこで年末年始に観るのにお勧め映画を20選してみました。
なるべく前に選んだものと重ならないようにしました。

前回の「クリスマス・年末年始に観たい映画30選+3」も是非参考にしてくださいね。

ゴジラ/キング・オブ・モンスターズ SFパニック・アクション
インビジブル 暗殺の旋律を弾く女 サスペンス・スリラー
ヴェノム SFアクション
BIG EYES ドラマ・伝記
ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル アドベンチャー
レッドプラネット SFサスペンス
ミッドナイト・ラン コメディ・アクション
トゥモロー・ウォー SFアクション
イコライザー アクション
グリーンブック ドラマ
デス・ウィッシュ アクション・復讐
TIME 近未来サスペンス
それでも夜は明ける ドラマ・伝記
MERU ドキュメント映画
500ページ夢の束 ドラマ
リンカーン弁護士 サスペンス・スリラー
涙するまで生きる  ドラマ
バグダッド・スキャンダル サスペンス・スリラー・伝記
イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 ドラマ
ヒトラー~最後の12日間~ ドラマ・伝記・戦争
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