バグダッド・スキャンダル
★★★★★
原作 マイケル・スーサン
監督 ペール・フライ
脚本 ダニエル・パイン
製作国 デンマーク、カナダ、アメリカ
配給 アンプラグド
DVD キングレコード
上映時間 106分
こんにちは。
しんじです。
今回は社会派映画「バグダッド・スキャンダル」の感想を書きました。
フセイン政権下のイラクにおいての国連が主導していた「石油食糧交換プログラム」において国連、または各国の要人・企業がおこなっていた不正を描いた作品です。
かなり本格的な社会派映画です。
もちろん事実をベースにつくられた映画ですよ!!
あらすじ | 感想 |
映画に釘付けです
次の展開がどうなってしまうのか
まさにそんな映画でした。
おもしろかったわ~
しかし、国連の人道支援プログラムを中心にこんな不正が行われているとは思わなかった。
よく国連は役立たずとかいう言葉を聞くが、こんなに実態もあったんですね。
イラクに関しての欧米映画はプロバガンダが含まれていて警戒してしまうのだが、この映画はイラクに対してではなく、中東の石油利権を貪る欧米各国のハイエナを糾弾する映画です。
まさにこの通りなのでしょうね。
中東の何千年にも渡る民族争いは日本人の僕には愚かしいとまで感じてしまう。
だけど、今の中東の混乱はまさにコレなのでしょう。
石油をめぐる利権というパイを欧米各国が奪い合う。
民族争いを利用し、あちらを倒しては、またこちらの利権を貪りを繰り返す。
全てがそうではないという意見もあるでしょうが、大概がこの汚い世界がセットになっているのでしょう。
かつて東南アジアを中心に行われていた砂糖をめぐる利権争いが石油にかわったようなものですね。
この「石油食料交換プログラム」における不正とは、わかりやすく言えば転売ヤーです。
フセイン政権が石油を安く要人や有名企業に売ります。
それを値段を上げて転売する。
その利益の数パーセントをリベートとしてフセイン政権に手渡すのです。
フセイン政権は石油クーポンというのも発売していたらしいです。
クーポンにはシルバークーポンとさらにお得なゴールドクーポンもあったそうですよ。
このクーポン汚職に事務次官パシャは関わっていたのです。
さらにこのプログラムを利用した不正は食料や物資においても行われていて、規定で定められた値段よりも数パーセントの値上げをしてイラク国民に売りつけ差額の利益を得ていた輩もいたらしいですよ
>200億ドルもの金が流れるこのプログラムに52か国2000以上の企業、政府関連の172の団体や要人が利権を貪ったらしいです。
それにしてもベン・キングスレーの存在感はすごかったですね。
威圧感ある役を見事に演じています。
さすがですね。
そしてマイケルに裏切られたあとのあのまなざし。
ああ、痛い!そんなに見ないで!!
舞台は何があってもおかしくないイラク。
死が隣り合わせの国。
隙を見せれば銃殺されるし、爆破テロも起こる。
だからこそ次の瞬間に何が起こるかハラハラしてしまいます
絶対行きたいと思わない中東。
この時期の国連はアナン事務総長だったんですよ。
彼が辞職したきっかけはこの汚職事件が原因だったらしいです。
そしてその後の彼の死についてもいろいろな噂があるらしいですよ。
あくまでも噂ですけどね。
でも怖いでしょ☠
社会派映画が好きな人はすごくお勧めの映画です。
内容もわかりやすく作られています。
超おすすめです!
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あらすじ | 感想 |
マイケル・サリバン(テオ・ジェームス)は国連の外交官だった父の意志を継ぐように4度目の国連への職にチャレンジした。
そして幸運なことに事務次官コスタ・パサリス(ベン・キングスレー)の特別補佐官に採用される。
コスタ・パサリス、通称パシャは厳しい上司だ。
彼の言葉には威厳を感じた。
マイケルの前任者はイラクで不慮の死を遂げた。
そのためマイケルは急遽「石油食料交換プログラム」の報告書の作成に追われる。
数値、問題点を事細かに書いた報告書。
この報告書に事務次官のパシャは言う。
「外交に必要なのは事実ではない。合意だ。」
細かい数値が記載された報告書はシュレッダーにかけられ、再作成を命じられる。
マイケルはパシャとともにバグダッドへ飛ぶ。
夢にまで見たバグダッド。
この混沌のバグダッドにて人の為に働けることにマイケルは愉悦を覚えていた。
バグダッド所長デュプレは経済制裁反対派であり「石油食料交換プログラム」にも反対の意を持っていた。
バグダッドでの会合はまさに反対派との鬩ぎあいの場であった。
マイケルはバグダッドで通訳のナシームに出会う。
そして彼女を通じて前任者が殺害されたことを知る。
その夜、ホテルの部屋に戻ると、当然のごとく部屋のソファーに謎の男がいた。
そして札束の入った封筒💴を差した。
だがマイケルは封筒を突き返す。
マイケルは通訳のナシームと交流を持つと、ナシームはある場所へマイケルを連れて行った。
イラク北部クルディスタン。
そこに人知れず並ぶクルド人の墓地前で、自分はクルド人であることを告白される。
そしてサダムフセインと不正取引をして利権を貪る欧米諸国の要人名・企業名が記されたデータが入ったUSBメディアを託される。
その帰路、数台の車に強引に停車させられる。
降りてきたのはホテルの謎の男たちだった。
マイケル達は砂漠の真ん中で囲まれてしまう。
謎の男はマイケルとナシーム以外を射殺し、開放するのだった。
そう、これは脅しだ。
クルド人であるナシームの身を案じたマイケルは彼女にニューヨークへ逃げるよう手配する。
そしてマイケルもアメリカへ帰国すると、
待ち受けていたのはCIAによる尋問だった。
CIAはイラク事務所長デュプレが死亡した事を告げる。
マイケルは国連の大舞台で「石油食料交換プログラム」の成果を発表する大役を任される。
・・・ようやくマイケルの義兄に頼んでいたUSBメディアのデータ解析が終わる。
データは不正に関わった企業・要人名が書かれた明細書と71分に及ぶ動画データだった。
その取引現場が映される映像の中に事務次官パシャの姿があった。
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