「ブラックブック」の感想・レビュー(ネタバレ少な目)

ブラックブックブラックブック
★★★★☆彡
監督・脚本 ポール・バーホーベン
製作国 オランダ
配給 ハピネット
上映時間 144分

こんにちは、しんじです。
今日は大みそかです。
今はちょうど18:00。
たぶんこの記事をUPするころには新年になっているかもしれませんね。

さて、今回、感想を書く映画は「ブラックブック」です。
監督は「トータル・リコール」「ロボコップ(1987)」「スターシップトゥルーパーズ」でメガホンをとったポール・バーホーベン監督です。
しかし、映画製作国はアメリカではなくオランダ映画なんです。
たぶん監督の思い入れのある映画なのだと思います。
監督がオランダ人なので。
今回は初見でAmazonプライムビデオでの鑑賞となります。
PukuPukuMarine

あらすじ 感想

〇あらすじ
スエズ動乱直前のイスラエルにて教師をしているラヘル。
観光客の女性に声を掛けられる。

ブラックブック

その女性は第二次世界大戦終戦直前のオランダにて知り合った女性だ。
その日、彼女は川辺に佇みながら当時の事を思い出していた。

ドイツの占領下のオランダにてユダヤ人のラヘルはナチスから身を隠しながら暮らしていた。
ある日、安全な地域に逃げるためにレジスタンスの男の手引きで家族と共に船に乗る。
だが、それはナチスの罠だった。

ブラックブック

家族もろとも船に乗ったユダヤ人は皆殺しにされ金銀・金目のものをはぎ取られる
何とか難を逃れたラヘルは助けてくれたレジスタンスの仲間になり、スパイ活動を始める。
ラヘルは名前をエリスに変え金髪の女性となりドイツ軍諜報部のムンツェ大尉の愛人になる。

ブラックブック

しかしエリスの心は次第にムンツェ大尉に惹かれ始める・・・
レジスタンスとムンツェ大尉への愛のはざまで裏切りが裏切りを呼ぶ事態へとなっていく。

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あらすじ 感想

〇感想
いやいや二転三転するこの映画は大好物な映画でした。
まだ観ていない人のために、なるべくネタバレ少な目で感想を書きたいと思います。

ナチスから逃れ逃れた女性の物語で思いだすのが、タランティーノ監督の「イングロリアスバスターズ」ですが、この映画はあそこまで大げさなカタルシスを表現する映画ではないです。

もっとそっと大人の色っぽさがにじみ出ている印象を受ける映画でした。
エリスのもとに2人の男性が現れます。
レジスタンスの医者でありリーダー的存在のハンス・アッカーマン

ブラックブック

そしてもうひとりがドイツ軍諜報部ムンツェ大尉

ブラックブック

この2人の男性のもとで揺れ動くエリスの人生
当然、憎きナチス将校などに心を許すはずもないはずなのだが、そこにレジスタンスである前にひとりの女性として揺れる心を描いているのが他の映画と違うところでした。

そしてそこになぜか大人の色気を感じてしまいました。

ドイツ基地には家族の仇であるフランケン中尉がいて、その高ぶった感情を抑える場がムンツェ大尉の胸の中だったのかもしれないですね。

レジスタンスの作戦の失敗、ドイツ軍将校の対立、いろいろな要素でエリスの立場が二転三転していく。

この映画では終戦を迎え、オランダ国内に残されたドイツ軍に協力していた市民がどのような扱いをされていたかを少し描いていました。

ブラックブック

その中にエリスは放り込まれて、彼女も酷い虐待を受ける。
その様子はまるでナチス親衛隊がユダヤ市民に対して行う虐待と大差がなかった

戦争はどちらに転んでもやはり人間の残虐さを浮き彫りにするものだなと感じました。

この映画、エリスがしっかりと自分を陥れた人物に片を付けるのですが、その時のエリスの表情が凄くいいんですよ。

ブラックブック

実際、様々な酷い目に合ってきた人はこんな表情でネジをしめそうです。
思いがひしひし伝わってきます。

苦しみに終わりはないの?

最愛の人物の死を知ったエリスが叫びます。
この映画のラストシーン、まるでこの言葉を皮肉っているようでした。

ブラックブック

最後の爆撃の音は次の戦争の狼煙の音だそうです。
その戦争は第二次中東戦争=スエズ動乱というそうですよ。

愛と裏切りが入り混じった第二次世界大戦下のスパイ映画。
凄く面白い映画でした。
144分という長編ですが中身が濃い時間をすごすことができます。
年末年始にひとりで映画を観る人には超おススメですよ。

あらすじ 感想
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「レッド・ドーン」の感想・レビュー(ネタバレ有り)

レッド・ドーン
レッド・ドーン
★★★☆☆
監督 ダン・ブラッドリー
脚本 カール・エルスワース
配給 クロックワークス
上映時間 93分

こんにちは、しんじです。
今回は、「レッド・ドーン」の感想を書きます。
この映画は2012年に作成された戦争サバイバルアクション映画です。
主演はクリス・ヘムズワースで、この頃は彼の出世作「マイティ・ソー」上映されたばかりなこともあり、おそらくまだまだ知名度は高くはなかった時だと思います。
この映画自体がB級映画っぽいので、彼の俳優としてのステータスはそんなに高くはなかったのではないかと勝手な想像をしてしまいます。
今回はアマプラビデオで見つけての鑑賞となります。

PukuPukuMarine

あらすじ 感想

〇あらすじ
アメリカ海兵隊員のジェド・エッカート(クリス・ヘムズワース)は2週間の休暇を利用して故郷の田舎町に帰郷していた。
マット(ジョシュ・ペック)のアメフト試合を見るも、弟との会話は少なく、お互いの溝を埋めることもできないままだった。

朝、大きな振動と街からの喧騒に目が覚める。

空を見上げると空を覆うたくさんのパラシュート。

レッド・ドーン

そして轟音けたたましい戦闘機。
戦闘機が空中で追撃され目の前に落ちてくる。

レッド・ドーン

それはまるで何かで観た侵略戦争の光景であった。
海兵隊員であるジェドはいち早くこの状況を理解し、マットを車に乗せ警察官である父を探しに行く。

父を見つけ出すも警察官の職務を全うするため街に残る決意だった。

ジェドとマットは数人の街の人々と山小屋へ逃げ伸びる。

逃げ延びた人々は何が起きたかも理解できず混乱している。

TVをつけると、何が起きているのかがわかった。

アメリカは北朝鮮の急襲により制圧されたのだ。

ジェドは戦うことを決意する。
だが、他の人々にはそれを無理強いはしない。

それは過酷な選択だからだ。

この山小屋にも追手が来ると予想し森の中に身を潜ませる。

思った通り一部隊がやってきた。
市長と父・トムを人質として。

おとなしく投稿するように説得する市長。

だが、正義感強い警察官である父は言うのだ。

レッド・ドーン

正しい選択をしろ。私がどうなろうと戦うんだ!

父の頭は撃ち抜かれる。
チョウ指揮官によって。

飛び出そうとするマットを涙ながら羽交い絞めにするジェド。

レッド・ドーン

彼らの炎は静かに熱く燃えたぎる。

素人同然のこのレジスタンスに勝ち目はないかもしれない。
だが、この戦いには意味がある

戦いに奮起する者にとっての礎となるのだ。

このウルヴァリンズの名のもとに!

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あらすじ 感想

〇感想
この映画の話は、宇宙人が地球を侵略するくらいに荒唐無稽なストーリーです。
なぜかって?
それは北朝鮮が一夜のもとにアメリカを侵略するからです。

普通に考えてありえないでしょう。
だって北朝鮮に戦闘機や武器・物資を運ぶだけの輸送手段がないじゃない。
空母だってなかったですよね。

そもそも戦争に耐えうる経済力がないでしょ。

それにアメリカ全土を制圧するくらいの人員だって足りないでしょ。

そうなんですよ。
北朝鮮ならね。

ところがこの映画の本当のストーリーは「中国がアメリカを侵略した」なのです。

一気に絵空事じゃない話になります。

この映画を制作段階で中国側から抗議が入ったんです。
だから出来上がった映画に急遽追加場面や旗印を北朝鮮国旗にCG処理して手直ししたらしいんですよね。

レッド・ドーン

実際の国名をだして大胆な映画を作ったものですね。
そりゃ抗議も入るでしょう。

しかし北朝鮮ならすでに敵国表明しているから問題もないのでしょうね。
(映画ではロシアが暗躍していることも匂わせています)

レッド・ドーン

さて、ストーリーはかなり強引で乱暴です。
さきにも述べた通り荒唐無稽といってもいいでしょう。

なぜなら少年やまだまだ20代そこそこの素人が数人で、制圧部隊を相手にできるわけがない。
ジェドが海兵隊員だからってランボーのような凄腕というわけでもないのだから。

それが少しの練習で、すぐに歴戦を潜り抜けた凄腕部隊になってしまうんだから。

まぁ、しかしそこら辺に目をつぶっていけば、海外TVドラマ程には楽しめる映画になっています。
そうですね、むしろTVドラマ向けの内容と言った方がいいですね。
それの方がもっと丁寧にストーリーを描けたと思う。

個人的に戦闘の大きな転換期となる後半で海兵隊のリーダーとしてジェフリー・ディーン・モーガンが出演していたのはうれしいサプライズです。

レッド・ドーン

ジェフリー・ディーン・モーガンがいるだけで一気に映画にがでた感じになりました。

ラストはどこを終着とするのか気になり始めたときに、まさかの!!

この展開は予想していなかった。
そしてとても良い展開だったと思いました。

かなり熱い展開でしたね。

これにより今までの台詞「痛みは忘れろ」が生きてきます。

そして近い未来に弟マットが兄・ジェドが語った言葉を戦う意志のある者たちへ語るのが熱かった。

強いて言えば、その言葉を弟マットが言う場面でエンドクレジットへ行ってほしかった。
その余韻を残して終わって欲しかったですね。

荒唐無稽でありながらも魂を熱くするラストは凄く良かったですよ。
突っ込みどころ満載の映画ですが楽しめる映画です。
暇な午後に観るのには良い映画ですよ。

あらすじ 感想
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「15ミニッツ・ウォー」の感想・レビュー(ネタバレあり)

15ミニッツ・ウォー15ミニッツ・ウォー
★★★★
監督・脚本 フレッド・グリヴォワ
配給 クロックワークス
上映時間 98分

こんにちは、しんじです。
今回は戦争アクション映画「15ミニッツ・ウォー」の感想を書きます。
この映画はフランス・ベルギー合作映画で、1976年フランス植民地ジブチで発生したバスジャック事件をもとに作られたストーリーとなっています。
ここには政治的背景もあるのですが、今回も政治的背景は置いておき、なるべく映画としての評価として感想を書こうと思います。
PukuPukuMarine

あらすじ 感想

〇あらすじ
1976年、フランス植民地ジブチ
いつものようにスクールバスはジブチに住むフランス人の子供たちを迎えに来た。
だがあるバス停でそれは起こった。
反フランス・国家独立を掲げる武装したジブチ人によるバスジャックだ。

15ミニッツ・ウォー

男たちは運転手を脅しソマリエ国境を目指してバスを走らせる。
だがバスはジブチとソマリエの国境を挟むわずかな非武装地帯で立往生してしまう。

15ミニッツ・ウォー

フランス上層部はこのトラブル鎮圧するため独立した特殊チームを編成し現地に送り込む。

15ミニッツ・ウォー

チームリーダー・ジェルヴァル大尉はスナイパーによる一斉射撃により射殺する作戦を立てる。
だがここにきてフランス政府は隣国ソマリエとの外交問題を懸念し作戦実行の許可をださない。

第一線で灼熱の太陽にさらされながら銃を構え待機するチーム。
誰も殺させない!
ジェルヴァル大尉率いるチームの熱い思い。

だが、食料物資を運んできたフランスの憲兵に子供がすがり付くとバス内の空気が張り詰める。
テロリストの銃は憲兵と子供に向けられていた。

15ミニッツ・ウォー

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あらすじ 感想

〇感想
なかなか緊迫感のある面白い映画でした。

砂漠のど真ん中の非武装地帯。
身を隠す場所は瓦礫一山のみ。
子供たちの身の安全。
隣国ソマリエの怪しい動き。
弱腰なフランス政府。

そんな中で失敗の許されない特殊チーム。

容赦ない日差しとプレッシャーがチームの集中力を削っていく。

この辺の膠着状態が退屈することがなく観ることができるのは特殊チームのキャラがしっかり立っているからでしょう。

特にクールな凄腕スナイパーのララン人情的でおしゃべりなロルカのやり取りはとても興味ぶかかったです。

ロルカの言葉に無口のラランの表情がわずかに動く瞬間がとてもかっこいいのです。
15ミニッツ・ウォー

そしてこの膠着状態にさらにスパイスが加わります。

赤いベレー帽をかぶる色白の大男が登場。

15ミニッツ・ウォー

そうです。
ソ連のKGBが後ろで糸を引いているのだ。

これがさらにチームに緊張をもたらすのが良い効果になっています。

特殊チームにもCIAフィリップ・シェファーが同行している意味がここにありましたね。
この時代の国家的な大事件には大抵、裏で鷲と熊が関わっていましたから・・・

そして作戦を強行実行!
ここから特殊チームの凄腕感が半端ないです。

チームの放つ銃撃は一撃必殺です。

15ミニッツ・ウォー

すべて頭を打ち抜くすさまじい腕前。

その中でも、やはりラランが凄い。
照準を合わせて打ち抜く速さが半端なく早い。

15ミニッツ・ウォー

石渡治先生の漫画「B・B」に出てくるスリーピングシープのバイブルを思いしてしまいました。

15ミニッツ・ウォー

映画の結末が作戦は成功と言えたのか?
とても苦い感触で終わったのは映画としては良かったと思う。

それと個人的に良いと思った場面はテロリストのリーダーが憲兵を射殺した後に、それに怯えた子供を見て罪悪感にさいなまれる場面です。

このわずかな一瞬が凄く良いです。

15ミニッツ・ウォー

やはりこの男がテロリストの中で一番情の深い男だったのがわかる。
かつて教師をしていたのも本当の話だったのだろう。

多少、CGによる演出効果がゲームっぽく見えてしまう場面もあったけど、それを補うほどに作中の緊張感銃撃戦はカッコ良くて素晴らしかったです。

やっぱりラランが一番良かったですね。
お気に入りです。

政治的なものを語ると植民地においての事実に基づくストーリーなので手放しに面白いというのは不謹慎かもしれない。
だけど、1本のアクション映画として観るのならとてもお勧めの1本です

そうそう、僕は途中まで字幕版で観ていたのですがちょっとフランス語に慣れていないせいか集中して観ることができなかった。
そんな時、やっぱり吹替え版はいいですね。
凄く楽しめて観ることができました。

あらすじ 感想
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法廷映画「英雄の条件」の感想・レビュー(ネタばれあり)

英雄の条件英雄の条件
★★★★
監督 ウィリアム・フリードキン
脚本 スティーヴン・ギャガン
配給 ギャガ/ヒューマックス
DVD ギャガ
上映時間 127分

こんにちは、しんじです。

今回はサミュエル・L・ジャクソン、トミー・リー・ジョーンズ主演の法廷映画「英雄の条件」の感想を書きます。

今回の法廷は軍事法廷です。

騒擾の場において軍が応戦する領域をテーマにしている映画となっています。

そういう意味で邦題の「英雄の条件」よりも原題「Rules of Engagement」が適していますね。PukuPukuMarine

あらすじ 感想

あらすじ

ホッジス大佐(トミー・リー・ジョーンズ)はアメリカ軍を名誉ある退役を果たした。

だが彼の心にはどこか晴れやかになれないものがあった。

英雄の条件

それは1968年のベトナム戦争で右足を負傷し帰還したあとは事務方の仕事しかできなかったこと。

そして・・・。

一方、ベトナム戦でホッジス大佐を助けたチルダーズ大佐(サミュエル・L・ジャクソン)は帰還後もあらゆる戦線で軍の指揮をとっていた。

チルダーズ大佐の新たな任務はイエメンにいるモーリン大使(ベン・キングスレー)の救出作戦だった。

大使館前にはアメリカに対する民衆デモが行われていたが、デモはますます過激になっていくばかりだ。

英雄の条件

そしてデモに乗じて過激派が周りの建物から銃撃をしてきたのだ。

チルダーズ大佐率いるチームが現場に着くと銃撃はますます激しくなっていく。

デモに参加する民衆からは怒号と投石、周辺の建物からスナイパーの銃撃

何とかモーリン大使と家族を救出に成功する。

モーリン大使がヘリで飛び立ち、あとはその場から引き上げるだけだった。

だが銃撃戦の中、隊員が次々と倒れていく。

英雄の条件

次第に身動きが取れなくなっていく。

横にいた軍曹が、今、撃ち抜かれて死んだ。

その時、チルダーズ大佐が命令を出す。

英雄の条件

群衆へ向けて発砲しろ!

英雄の条件

「民衆に向けて発砲はできません。女、子供もいます!」

英雄の条件

撃て!悪党どもを殺せ!

軍の機関銃がデモに向けられ、次々と民衆が血まみれになって倒れていく。

老人も女も子供まで・・・

英雄の条件

アメリカ大統領補佐官のソーカルはこの事件によりアメリカ国が糾弾されることを心配する。

そして難しい中東問題、各国に反アメリカデモやテロが起き、外交までもこじれてしまうことを懸念する。

英雄の条件

ソーカル補佐官は画策する。

そう、これはアメリカ国の責任か、それとも指揮官の責任なのか。

指揮官の越権行為による虐殺として軍で裁けば、アメリカ国としての責任はない。

ソーカル補佐官命令のもとビッグス少佐(ガイ・ピアース)検事となる。

英雄の条件

一方、チルダーズ大佐は自分の弁護を退役したホッジス大佐に頼むのだった。

英雄の条件

女、子供見境なく虐殺した事実。

ただあるのはというチルダーズの証言のみ。

ただのデモではない。民衆が銃撃してきた。

イエメンに調査にいくホッジスだったが、大使館は荒らされ証拠となるものはなかった。

英雄の条件

ホッジスが見たものといえば、銃撃で重傷を負った民衆の姿だけだった。

民衆が銃撃してきた。

チルダーズの証言を証明するには大使館の監視ビデオが必要だ。

だが、証拠品として国務省へ送られたビデオはすでに隠滅されていた。

英雄の条件

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あらすじ 感想

感想

法廷映画としてはなかなかのスリルがありました。

提出する決定的な証拠がないホッジスは当時の現状や戦線での経験から陪審員に訴えるしか方法がない。

一方、ビッグス少佐は着々と用意した証言者と軍法にのっとった理詰めのチェスを打ってくる。

そしてチルダーズから不利な発言をさせる揺さぶりなども周到だ。

英雄の条件

このビッグス少佐の抜け目ない役どころをガイ・ピアースが好演しています。

この切り崩しをどのようにホッジスがやり遂げるのか。

法廷映画の醍醐味を味わえる映画です。

ところで、この映画、イエメンにおけるイスラム原理主義のアメリカへ対する思想が描かれています。

ご丁寧にテープを流して思想を説明します。

大使館の銃撃場面では、女・子供を盾とした銃撃犯の場面も映されています。

この辺はアメリカお決まりのプロバガンダと言われても仕方がないものだと思います。

ただ、映画の内容はアメリカの隠匿体質に触れ、極限状態の軍が女、子供も関係なく銃撃する陰惨たる場面も映しだされています。

これはどちらかというとアメリカ批判です。

そしてそれらが軍法に違反していなければ無罪になるということも皮肉めいて描いているとも言えます。

鑑賞者の政治的信念によって捉え方が様々になる映画だと思います。

映画製作者側はこの映画をなるべく中立的にしようとしていたではないでしょうか。

この映画は2000年3月に公開された映画です。

翌年2001年9月11日に多発同時テロが起きます。

微妙なタイミングで作られた映画です。

事件前にこの映画を観たアメリカ人と事件後にこの映画を観たアメリカ人の意見は相当違うものになっているでしょうね。

法廷映画としては面白い映画でした。

政治的なものは置いて、エンターテイメントとして観るといいでしょう。

今回の僕のは完全にそういう評価ですよ。

あらすじ 感想
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「記者たち 衝撃と畏怖の真実」の感想・レビュー(ネタばれあり)

記者たち 衝撃と畏怖の真実記者たち 衝撃と畏怖の真実
★★☆彡☆☆
監督 ロブ・ライナー
脚本 ジョーイ・ハートストーン
配給 ツイン
DVD 松竹
上映時間 91分

こんにちは、しんじです。

少し前に「バグダッド・スキャンダル」という映画を観てイラク戦争の人道支援「石油食料交換プログラム」における不正を描いた映画を観ました。

そのつながりとして今回は「記者たち 衝撃と畏怖の真実」という映画を鑑賞してみました。

監督は「スタンド・バ・ミー」「ミザリー」の監督ロブ・ライナーです。

今作には自信も思い入れがあるのか出演しています。

記者たち 衝撃と畏怖の真実 記者たち 衝撃と畏怖の真実


PukuPukuMarine
💣感想

この映画はナイト・リッダー社という新聞社の記者ウォーレン・ストロベル(ジェームズ・マースデン)ジョナサン・ランデー(ウディ・ハレルソン)2名が編集長ジョン・ウォルコットの指示のもとイラク戦争の真実を追求していく内容です。

※ナイト・リッダー社は共同通信社みたいなもんかな?
 この社の記事を傘下の新聞社は自由に使っていいみたいですよ。

映画の内容としては記者の日常も描きながら、70%以上がジョージ・W・ブッシュ政権がイラク戦争へ踏み切った理由「大量破壊兵器」についての嘘を暴いているものになっています。

イラク戦争の前にはアフガニスタン紛争、湾岸戦争があります。

アフガニスタン紛争において実はアルカイダの長でありテロの首謀者とされるオサマ・ビン・ラディンはアメリカとともに戦った戦士たちでした。

彼らの武力技術はアメリカ直伝のものです。

そしてジョージ・W・ブッシュの父親ブッシュ政権におけるクウェートをめぐるイラクとの戦争=湾岸戦争

アメリカは中東問題の介入によりテロの標的となる。

9・11世界貿易センタービル、アメリカ国防総省への衝撃的な同時多発テロになります。

記者たち 衝撃と畏怖の真実

このテロからアメリカはイラク戦争へ突入していくのですが、ブッシュ政権は世界へ大義名分としてイラクのサダム・フセインが「大量破壊兵器」を保有していると掲げます。

だが、今現在、これが真実となっています。

『大量破壊兵器は実在しなかった。』

つまりアメリカが掲げた大義名分は嘘で国際社会上、アメリカのイラク攻撃は正当なものではなかったとされています。

しかし、当時のアメリカは9・11のショックから国民は冷静ではありませんでした。

愛国主義のもと右傾化し、新聞の論調も政府の発表をそのまま伝える広報誌のようになり下がり、イラク戦争を後押しするものになっていました。

ニューヨークタイムズ、ワシントンポストのような有名新聞社もしかり。

唯一「ナイト・リッダー社」はジャーナリズムを忘れなかった。

編集長ジョン・ウォルコットが映画内で言います。記者たち 衝撃と畏怖の真実

「俺たち新聞記者は、政府が何か言ったら必ずこう問え『それは真実か?』」

2名の記者は政府発表の裏付けをとっていきます。

だが彼らに情報提供する国防総省関係者、イラク情報分析者などはこういうのです。

記者たち 衝撃と畏怖の真実

「決定は先にある。理由はあとで見つける。」

記者たち 衝撃と畏怖の真実

「私たちの情報は書き換えられる。」

そしてブッシュ政権で穏健派パウエル国務長官が安保理会議上での発言により、アメリカはイラクに進行していきます。

記者たち 衝撃と畏怖の真実

この映画はブッシュ政権の嘘を描く映画というよりも、編集長ジョン・ウォルコットが言った言葉『それは真実か?

つまりジャーナリズムのあり方とそれがなくなってしまえば国は揺らいでしまうということを描いた映画です。

どちらかというと再現ドキュメンタリーを観ていたようなもので、映画としての評価を問われると2.5といったところでしょう。

けっして面白くないわけではないが、映画としてドラマ性が少なく感じました。

そういう意味では「バグダッド・スキャンダル」のほうが真実をベースにした映画としては、すばらしい映画です。

記者たち 衝撃と畏怖の真実

しかし、私はこういった政治的内容には少々懐疑的なところもあります。

もしかしたらこの先「大量兵器は実在していた。」などと新たな真実がでてしまえば、今までの事は180度変わってしまいます。

だから私は「今、現在では真実」という表現にとどめておきたいと思う。

ブッシュがイラク戦争を起こした理由というのはいろいろいわれていますよね。

・パパ・ブッシュの湾岸戦争で果たせなかったことをするため(理由は知りません。)
・テロ事件の報復
・イラク戦争によるアメリカ国内の特需やインフレーションの為

さらには9・11が自作自演の陰謀説もあるみたいです。

映画内でも言っていますが俗人のサダム・フセインと原理主義者オサマ・ビン・ラディンは水と油のような関係で手を組むことはない。

またはオサマ・ビン・ラディンはアフガニスタン戦争時代から中東の情勢をCIAに伝えるための諜報活動をしていたとかいう説もあります。

もうどれも都市伝説のような感じになっています。

これらは2000年前後の出来事。

今の20歳前後の人は9・11も含めこの辺の事情は知らない人が多いでしょう。

観てみるのも面白いかもしれませんね。

ブッシュ政権は副大統領ディック・チェイニーの権力が強大でした。

アメリカ史上最強で最凶」など不名誉な言葉もついて回ります。

彼を描いた映画「バイス」は面白そうですよね。

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