ブラックブック
★★★★☆彡
監督・脚本 ポール・バーホーベン
製作国 オランダ
配給 ハピネット
上映時間 144分
こんにちは、しんじです。
今日は大みそかです。
今はちょうど18:00。
たぶんこの記事をUPするころには新年になっているかもしれませんね。
さて、今回、感想を書く映画は「ブラックブック」です。
監督は「トータル・リコール」「ロボコップ(1987)」「スターシップトゥルーパーズ」でメガホンをとったポール・バーホーベン監督です。
しかし、映画製作国はアメリカではなくオランダ映画なんです。
たぶん監督の思い入れのある映画なのだと思います。
監督がオランダ人なので。
今回は初見でAmazonプライムビデオでの鑑賞となります。
あらすじ | 感想 |
〇あらすじ
スエズ動乱直前のイスラエルにて教師をしているラヘル。
観光客の女性に声を掛けられる。
その女性は第二次世界大戦終戦直前のオランダにて知り合った女性だ。
その日、彼女は川辺に佇みながら当時の事を思い出していた。
ドイツの占領下のオランダにてユダヤ人のラヘルはナチスから身を隠しながら暮らしていた。
ある日、安全な地域に逃げるためにレジスタンスの男の手引きで家族と共に船に乗る。
だが、それはナチスの罠だった。
家族もろとも船に乗ったユダヤ人は皆殺しにされ金銀・金目のものをはぎ取られる。
何とか難を逃れたラヘルは助けてくれたレジスタンスの仲間になり、スパイ活動を始める。
ラヘルは名前をエリスに変え金髪の女性となりドイツ軍諜報部のムンツェ大尉の愛人になる。
しかしエリスの心は次第にムンツェ大尉に惹かれ始める・・・
レジスタンスとムンツェ大尉への愛のはざまで裏切りが裏切りを呼ぶ事態へとなっていく。
映画を観るならAmazonプライムビデオ(配信)ブラックブック(字幕版) 新品価格 |
あらすじ | 感想 |
〇感想
いやいや二転三転するこの映画は大好物な映画でした。
まだ観ていない人のために、なるべくネタバレ少な目で感想を書きたいと思います。
ナチスから逃れ逃れた女性の物語で思いだすのが、タランティーノ監督の「イングロリアスバスターズ」ですが、この映画はあそこまで大げさなカタルシスを表現する映画ではないです。
もっとそっと大人の色っぽさがにじみ出ている印象を受ける映画でした。
エリスのもとに2人の男性が現れます。
レジスタンスの医者でありリーダー的存在のハンス・アッカーマン。
そしてもうひとりがドイツ軍諜報部ムンツェ大尉。
この2人の男性のもとで揺れ動くエリスの人生。
当然、憎きナチス将校などに心を許すはずもないはずなのだが、そこにレジスタンスである前にひとりの女性として揺れる心を描いているのが他の映画と違うところでした。
そしてそこになぜか大人の色気を感じてしまいました。
ドイツ基地には家族の仇であるフランケン中尉がいて、その高ぶった感情を抑える場がムンツェ大尉の胸の中だったのかもしれないですね。
レジスタンスの作戦の失敗、ドイツ軍将校の対立、いろいろな要素でエリスの立場が二転三転していく。
この映画では終戦を迎え、オランダ国内に残されたドイツ軍に協力していた市民がどのような扱いをされていたかを少し描いていました。
その中にエリスは放り込まれて、彼女も酷い虐待を受ける。
その様子はまるでナチス親衛隊がユダヤ市民に対して行う虐待と大差がなかった。
戦争はどちらに転んでもやはり人間の残虐さを浮き彫りにするものだなと感じました。
この映画、エリスがしっかりと自分を陥れた人物に片を付けるのですが、その時のエリスの表情が凄くいいんですよ。
実際、様々な酷い目に合ってきた人はこんな表情でネジをしめそうです。
思いがひしひし伝わってきます。
「苦しみに終わりはないの?」
最愛の人物の死を知ったエリスが叫びます。
この映画のラストシーン、まるでこの言葉を皮肉っているようでした。
最後の爆撃の音は次の戦争の狼煙の音だそうです。
その戦争は第二次中東戦争=スエズ動乱というそうですよ。
愛と裏切りが入り混じった第二次世界大戦下のスパイ映画。
凄く面白い映画でした。
144分という長編ですが中身が濃い時間をすごすことができます。
年末年始にひとりで映画を観る人には超おススメですよ。
あらすじ | 感想 |
いつもありがとう他のレビュータイトルもどうぞ☕ 映画レビュー索引ページ |
||
関連商品
|