時をかける少女
★★★★★
原作 筒井康隆「時をかける少女」
監督 細田守
脚本 奥寺佐渡子
制作会社 マッドハウス
配給 角川ヘラルド映画
上映時間 98分
こんにちは、しんじです。
今回は前々から気になっていたアニメ「時をかける少女」を観ました。
僕の世代だとまず思いだすのが1983年に公開された原田知世さん主演の同名映画です。
原作者の筒井康隆さんのSF小説は今までも多くの作品が、映画化されたりドラマ化されていますよね。
短編小説などはいろいろなところが補足されたり変更されています。
僕はあまり本を読まなかったけど筒井さんのSF小説はよく読んでいました。
さて、本作はやはり筒井康隆さんの小説をもとにして作っているようですが、時代は変更されています。
小説が発表された1960年代はPCもなければ携帯やスマホもない時代でしたからね。
さすがにあまりにも現代と違いすぎますもんね。
でも、どんなに時代が変わろうと、過去も未来も変わらないのはその時に生きる若者の青春の輝きでしょう。
この映画はほんのひと夏のある日の事を描いている物語。
でも、若者の青春はそのひと瞬(とき)、ひと瞬(とき)が永遠の輝きを放つことがある。
この映画もまた観る人のその胸にそっとしまってある「ひと瞬」を思い出させてくれる映画になっています。
あらすじ | 感想 |
〇あらすじ
いつものようにギリギリまで寝て、チャリ全速で走らせて遅刻セーフな高校生活。
同級の千昭と幼馴染の功介とは、毎日のように野球やカラオケをする友達という間がらだ。
誰にでもあるやたらついていない日。
そんな日に真琴の自転車のブレーキが壊れ電車にひかれて死んだ・・・
と思った瞬間、真琴は踏切前の坂の途中にいた。
時間はほんの数分前だ。
変わり者と言われる叔母の和子にその事を話すと和子はその話を何の疑いもなく受け入れ、それは時間が戻ったのではなく真琴がタイムリープしたのだと説明する。
突如、タイムリープを手に入れた真琴は、ささいな事にタイムリープを使い有頂天になる。
ある悩みを和子に相談する真琴であったが、そこで和子に言われるのだ。
「(あなたがタイムリープして)誰かが傷ついていないかしら?」
真琴は自分の都合でタイムリープしたことで他の人が傷つくことを深く考えはじめる。
ある日、男友達である千昭から電話で驚きの言葉を投げかけられる。
「おまえ・・・タイムリープしていないか?」
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あらすじ | 感想 |
〇感想
これぞ長編アニメの素晴らしさ!
本当に心にキュンとくるアニメだった。
作画もとても好みの絵だったし、真琴の声を出していた仲里依紗がとっても良かった。
本業の声優さんを使うのもいいけど、時には混じりけのない初々しさ漂う声もいいですね。
もちろん演技も凄く良かったです。
等身大の女子高生って感じです。
そして構成・脚本・音楽も素晴らしい。
僕のお気に入りの場面は、真琴が千昭を会うため必死に走る場面。
そこには街の喧騒と必死に走る真琴の息づかい、やがて街の喧噪すら聞こえなくなる。
17歳の一生懸命さが伝わる場面だ。
そして川辺での、別れ・・・真琴の涙。
もうウルっとしてしまいました。
そして戻ってきた千昭と真琴の「約束」
その後日、真琴が自分のやることを決めるのが・・・とってもさわやかなエンディングだった。
挿入音楽はストリングスやピアノの伴奏が主に使われていて、ストーリーのじゃまにならずに盛り上げてくれる。
そして高まった真琴の想いと挑戦の場面だけ奥華子さんの「変わらないもの」が程よい大きさで使われています。
これが邪魔にならないサントラというものなんです。
わかるかな?某アニメ映画の監督さん。
あの映画のせいで長編アニメを避けていた昨今だけど、この映画を観てよかった。
良い長編アニメはやっぱり存在するんですね。
タイムリープものだとどうしてもパラドックスや辻褄合わせにケチがつくけど、この映画が表現したいものはそこじゃない。
冒頭にも書いたように過去・現在・未来でも変わることない青春の輝きなんだと思う。
みなさんも大きくなった頭をどこかに降ろして、このアニメ映画を楽しんでもらいたいです。
でも、最後にひとつ気になった点がある。
映画の冒頭、野球をしていた真琴が、次の瞬間にベッドから起き上がる場面。
あれって誰かの意志で過去をやり直ししたのではないだろうか?
例えば・・・叔母の和子とか。
和子が真琴に言ったセリフが気になるんです。
「あなたは私のようなタイプじゃないでしょ。待ち合わせに遅れたら走って迎えに行くのがあなたでしょ。」
これって実は和子は力をもっていながら待ち人に会うために使わなかったってことじゃない。
真琴の後悔を一度だけタイムリープを使いやり直しさせたのでは?
ちょっと深読みかな?(笑)
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