「グリーンブック」の感想・レビュー(ネタバレあり)

グリーンブックグリーンブック
★★★★★プラス★☆彡
監督 ピーター・ファレリー
脚本 ニック・ヴァレロンガ
配給 ギャガ
上映時間 130分

こんにちは、しんじです。
今回は「グリーンブック」の感想を書きます。
この映画は第91回アカデミー賞で作品賞・助演男優賞・脚本賞を受賞した作品です。
主演はヴィゴ・モーテンセン、そして今やアカデミー賞俳優の仲間入りしたマハーシャラ・アリです。
映画の内容は黒人ピアニストが南部のツアーで腕っぷしが強い白人ドライバーを雇うという内容ということは知っていました。
当然、黒人と南部ということで差別問題がテーマであろうことは見当付きました。
映画館の予告を観たときからいつか観てみたいと思っていました。
今回はAmazonプライム動画での鑑賞になります。

※アフリカ系アメリカ人を作品に合わせて黒人と表現しておりますが、どうぞご了承ください。

PukuPukuMarine

あらすじ 感想

あらすじ
1962年、アメリカ。
トニー・ヴァレロンガ(ヴィゴ・モーテンセン)は勤務先のナイトクラブが改装工事のため仕事がなくなってしまう。
グリーンブック

妻と2人の子供がいるトニーは何とかお金の工面をする。
ある日、仲間内から運転手の仕事を紹介される。

雇い主はドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)と呼ばれている男だ。
てっきり医者かと思っていたトニーの目の前に現れたのは黒人の男性だった。

グリーンブック

ホワイトハウスで演奏をするほど実績のあるピアニストシャーリーアメリカ南部のツアーを行うことになっていた。
そこで演奏付きナイトクラブで働いた経験と豪胆で腕っぷしが強いトニーをドライバーとして雇い入れたかったのである。

俺は召使いなど御免だ。

鞄運びや靴磨きはしないこと、給金の値上げなどの条件をもとにトニーはドライバーの仕事を引き受ける。

貧民街育ちのイタリア系のトニーは粗暴で言葉が汚い
品よく堅物なシャーリーと合うわけがない。

車内ではどうでもよい小さなことでぶつかり合うこともあった。
正直、トニーは口うるさいシャーリーを疎ましく思っていた。

最初の演奏会場に到着しシャーリー率いるバンドの演奏が始まるとトニーに衝撃が走った。
会場の人々に感動を与えるシャーリーの演奏に自分まで誇らしい気持ちになった。

グリーンブック

次の会場に着くと、トニーは言いつけ通りにピアノのチェックから始めた。
見ると弦の上がゴミだらけの古びたピアノだった。

「おい、シャーリーの弾くピアノはこれじゃない。

ああ?黒人だろ?黒人はそのピアノで十分だ。

グリーンブック

まだ時間はある。すぐにピアノを用意しろ。

うるせぇ、イタ公!

すかさずトニーの平手打ちとともにスタインウェイ製のピアノが用意された。

グリーンブック

シャーリーの小言は相変わらずだが、そこには前とは違ったものが存在していた。
それは尊敬であった。
決してトニーはそれを表さなかったがシャーリーの運転手をしている事を心のどこかで誇らしく感じるようになっていく。

長期のツアーにトニーは妻ドロレスへ手紙を書いていた。
粗暴なトニーの手紙は脱字だらけ、機知に富む分なども書けるはずもなかった。

見かねたシャーリーが手紙の文章を授けると、それを読む妻ドロリスはトニーの手紙に感動の涙を流していた。

グリーンブック

ツアーはケンタッキーからさらに南部へと入っていく。

南部へ行けば行くほどステージ上とステージを降りた後のシャーリーへの待遇に開きが出てくる。

ホテルは黒人専用のモーテルを用意され、トイレは野外の黒人用トイレ、控室は物置などが用意されることもあった。

そんな待遇にトニーの心は大きく動揺していた。

だがシャーリーは毅然とした態度をとる。
それは何かに負けまいとするかのようだった。

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あらすじ 感想

〇感想
いやいや、憎らしい演出をする映画でした。

この映画は実話をもとに作られた映画らしいです。

脚本のニック・ヴァレロンガの父がトニー・ヴァレロンガその人だったということです。
ちなみにニック・ヴァレロンガはカメオ出演しています。

グリーンブック

やはりこの映画での注目は黒人を蔑んでいたトニーの心の変わりようでしょう。
このトニー・ヴァレロンガという男は粗暴なイタリア系ではあるが決して差別主義者ではありません。
1960年代に一般的に行われている黒人への差別をする男です。

このことがこの映画一番の肝となっているのです。

それはこの言葉に込められています。
南部のバーにひとりで行ったシャーリーがリンチに会う。
憤りを見せるトニーにシャーリーが言います。

これは南部だからってことじゃない。君の近所のバーに入っても同じことが起こった。

差別の大小の問題ではなく、それが日常に紛れていることが問題なのだと訴えているように感じました。

◎好きな場面4選

トニーがシャーリーに対して得意げに観客を見る場面

グリーンブック

最初の演奏会でシャーリーの演奏に対して尊敬の念を持ったトニー。

ほらほら、すげーだろ」とばかりに得意げに観客を見下ろすトニーがかわいい

ケンタッキーフライドチキンの骨をどうする?

どこか人生を楽しんでいないシャーリーにちょっとした人生の楽しみ方を教えるトニー。
食べ終わった骨はどうする?」と聞くシャーリーに

こうするのさ!」といって窓を全開にして外に投げ捨てるトニー。

この場面のシャーリーの楽しそうな顔いい。
グリーンブック

でもその後、調子に乗って投げ捨てた紙コップを拾わせるのがまた良いのだ。

グリーンブック

トニーが素直にシャーリーに賛辞を贈る場面。

本当にやりたかったのはクラシックだったと打ち明けるシャーリー。

トニーが言います。

クラシックは誰でも演奏する。あんたの音楽はあんただけのものだ。

グリーンブック

これはトニーからの最大の賛辞だった。

その気持ちにシャーリーも喜ぶ

だが私が演奏したショパンは私だけのものだ。

最後に言い残した言葉を理解したときのトニーの表情がまた最高です!

グリーンブック

シャーリーが訪ねてきた場面

このシャーリーがドアに立っている場面が凄く感動した。

グリーンブック

トニーのアドバイス通りに寂しい時は・・・

そして初めて会ったシャーリーの耳元ドロレスがささやきます。

これが何とも憎らしいじゃないですか。

グリーンブック

この映画はイタリア系の香りがところどころ漂ってきます。

とくにトニーが警察を買収する場面などマフィア映画でよく見かけるセリフ回しです。
グリーンブック

なんかすごくおっかないですよね。
遠まわしで脅迫しているようです。

たぶん僕の中で「ゴッドファーザー」のこの場面が頭の中に残っているからだと思います。

グリーンブック
ゴッドファーザーⅡより

今回、僕が気に入っているヴィゴ・モーテンセンがトニー役を体型まで変えて見事に演じましたね。

グリーンブック

でも、いつもの体型でも全然よかったと思うんだけどなぁ。
ヴィゴ・モーテンセンにはいつまでもかっこよくあってほしい。

この映画は今の世の中を反映している映画の一つですね。
こういうとらえ方するとちょっとしらけるんですけど、人種差別問題LGBTについて取り上げた映画でしたね。

こういう問題はどう表現しても誰もが満足できるものにはならないのだと思う。

アメリカでは白人が救済役になっていることに不満を持つ人もいたらしいですよ。

でも、それらの問題と切り離したひとつの映画として観ることをお勧めします。

とても素晴らしい映画ですから!

僕はDVD欲しくなりましたもん。

アカデミー賞の名に恥じぬ素晴らしい映画だと思いました。

物凄く感動するというよりも凄く良い場面がいっぱいある映画だと思いました。

超・お勧め映画ですよ。

あらすじ 感想
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「ミッション:インポッシブル」の感想・レビュー(ネタばれあり)

ミッション:インポッシブルミッション:インポッシブル
★★★★★プラス
監督 ブライアン・デ・パルマ
脚本 デヴィッド・コープ
配給 UIP
上映時間 110分

こんにちは、しんじです。
今回はシリーズ第1作目「ミッション:インポッシブル」の感想を書きます。
この映画は1996年に公開された作品で、僕は映画館でこの作品をみました。
大画面、大音量であのスパイ大作戦のテーマ曲が流れたときの鳥肌が立つような感動は今も忘れられません。
ミッション:インポッシブル

そして、その期待を裏切らなかったのがこの記念すべき第1作目なのです。
何といっても監督ブライアン・デ・パルマはアル・パチーノの「スカーフェイス」やケヴィン・コスナーの「アンタッチャブル」の監督ですもの。
ジョン・ウーとはモノが違いますよ。

PukuPukuMarine

あらすじ 感想

〇あらすじ
CIAの諜報部門IMFのジム・フェルプス(ジョン・ヴォイド)に指令が来た。
ミッション:インポッシブル

それは世界各地に潜伏するCIA工作員のリストを盗もうとする大使館職員とそれを購入しようとする人物の身柄確保を目的とする任務だった。

ジムが率いるチームによって行うこの任務は決して難しいものではなかった。

だが任務半ばで思わぬことが起きた。
大使館内のシステムをハッキングしていたジャック(エミリオ・エステベス)がエレベーターに挟まれて死亡してしまう。

明らかに第三者の手によるものだ。

ジムは任務の中止と通信を遮断することを命令する。
若きチームリーダー:イーサン・ハント(トム・クルーズ)は任務中止に反対する。
だが、現場に潜伏するメンバーが次々と殺されてしまう。
ミッション:インポッシブル

そして師であり友であるジムも何者かに刺殺されてしまう。
生き残ったのはイーサン・ハントだけであった。

イーサンはCIAに連絡をし、現場からの離脱を要請する。
指定されたレストランでCIAのキトリッジと落ち合うと、イーサンは疑問をぶつけた。
ミッション:インポッシブル

なぜ俺たち以外のチームがいるんだ。

イーサンは現場に自分たち以外の工作員が潜入していることに気が付いていたのだ。

ここ数年、CIAの情報が洩れている。我々はマックスという謎の人物が、工作員の誰かを使い、情報を得ていることはわかっていた・・・そして今、イーサン、君だけが生き残っている。

この任務は裏切り者をあぶりだすための任務だったのだ。

そして今、この時からイーサン・ハントは裏切り者、国家反逆者と決定づけられた。

イーサンは仲間を殺し、自分を嵌めた裏切り者を見つけ出すために、逃亡する。

ミッション:インポッシブル

チームの隠れ家へ戻ると死んだと思っていたクレアが戻ってきた。
イーサンはクレアと過去に解雇された工作員の中から2人を選び出した。

フランツ・クリーガー(ジャン・レノ)と天才ハッカーのルーサー・スティッケル(ヴァング・レイムス)だ。
ミッション:インポッシブル

そして真の裏切り者をあぶりだす作戦が始まる。

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あらすじ 感想

〇感想
このワクワク感を最初から最後まで持続させる素晴らしい映画です。

超おもしろい!

この一言です。

ミッション:インポッシブルはシリーズとして6作つづいています。
この1作目のイーサン・ハントはまだまだ青さが残るような若者なのです。
頼りになるジムのチームの若い工作員であり、軽口もたたけば、仲間と冗談を言って笑いあう若者です。

ミッション:インポッシブル

そのイーサン・ハントが任務の中で鍛えられていきローグネイションフォールアウトのような凄腕プロのイーサン・ハントになっていく。
この1作目をみるとそれが妙に納得いく感覚になります。

イーサン・ハントという人物像がぶれることなく描かれているシリーズと言えます。

ただ、このシリーズで唯一違和感があるのがジョン・ウーの「M:I2」です。
ここで描かれるイーサン・ハントだけがシリーズからかけ離れている人物となっています。
僕個人的にはシリーズからM:I2を削除してほしい気持ちです。

1作目は無駄な音楽など入れずに、静寂さと間によって観客を引き込んでいく
手に汗握り固唾をのむ。

ミッション:インポッシブル

そして、成功したその瞬間にスパイ大作戦の音楽が流れはじめる!

それはまるでイリュージョンのように観る者のワクワク感を掻き立てます。

全てが解決しイーサンはIMFを引退することを決意、ルーサーと決別して飛行機に乗る。
すると、映画の冒頭、ジムが指令を受けたときと同じシチュエーションになります。

ミッション:インポッシブル

こういうの大好物です!

終わりまでワクワクさせるのかよ!

本当にすばらしい監督の仕事です。

この1作目をみるとルーサーがこの時から登場していたことに改めてびっくりしますね。
かなり長いつきあいですね。
この頃のルーサーの顔は悪ガキが大人になったみたいで、すごく可愛いらしいですよ💛
ミッション:インポッシブル

トム・クルーズはこの作品の頃は31歳くらいでルーサー役のヴィング・レイムスもまだ40歳前です。
若々しいですね。

このレビューを書くにあたり「フォールアウト」「ローグネイション」「ゴーストプロトコル」「」「」そして1作目まで辿ってきました。

なんかイーサン・ハントの過去を紐解いていった感覚で面白かったですよ。

シリーズの第1作目として文句の言いようがない作品です。
「フォールアウト」まで観たあなたも、もう一度、1作目を観てみたら新たな発見があると思いますよ。
超おすすめ映画です。

あらすじ 感想
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「それでも夜は明ける」の感想・レビュー(ネタばれあり)

それでも夜は明けるそれでも夜は明ける
★★★★★
原作 ソロモン・ノーサップ「12 Years a Slave」
監督 スティーヴ・マックイーン
脚本 ジョン・リドリー
製作会社 プランBエンターテインメント 他
配給 ギャガ
上映時間 134分

こんにちは、しんじです。
今回は「それでも夜は明ける」の感想を書きます。
この映画は1841年にニューヨークに住む音楽家ソロモン・ノーサップ氏の実の起きた出来事を映画化した作品です。
この映画の内容はアメリカの黒人奴隷制度に向き合ったものとなっています。
しかし、今もアメリカ内にはこの病魔が巣くっているようで、製作にあたってはいろいろと問題があったようです。
これについては後に触れてみようと思います。

PukuPukuMarine※映画の内容から一部、不適切と思われるような表記があるかもですがお許しください。

あらすじ 感想

〇あらすじ
1841年、ニューヨークに住む音楽家ソロモン・ノーサップ(キウェテル・イジョフォー)自由権利もつアフリカ系アメリカ人だ。
家があり妻と子供2人と幸せに暮らしていた。

それでも夜は明ける

そんなソロモンに仕事の依頼があった。
街を渡り歩くサーカスの興行においてバイオリンの演奏を頼まれたのだ。
熱く興行内容を語る2人。
その夜、打ち合わせのレストランへ行き陽気に酒を酌み交わしていた。

朝、目が覚めると手首、足首を重たい鎖が自由を奪っていた。

それでも夜は明ける

彼は騙されて南部の奴隷商人に売られてしまったのだ。

これは何かの間違いだ。街に行けば私の自由証明書がある。それを見ればわかってもらえる。」

簡単な話だ。今、見せろ。お前は奴隷のニガーなんだ。

固く太い棒がへし折れるほど背中を殴られ、服が裂け、皮がひきちぎれ血しぶきが上がるほどでたたかれる。

それでも夜は明ける

ソロモンが最初に売られたのは材木商のウィリアム・フォード(ベネディクト・カンバーバッチ)の屋敷だった。
ウィリアムは南部の主としては穏やかな性格をもつ人物だった。
材木運びの仕事において学のあるソロモンは効率的な方法をウィリアムに進言する。
提案した川を利用した運搬方法にウィリアムは深く感心をする。

その礼としてヴァイオリンを与えるほどだった。

それでも夜は明ける

だが優秀すぎるソロモンは屋敷で働く白人監督たちの面目をつぶしてしまう。

理不尽な嫌がらせ、さらには首くくりのリンチを受ける。

それでも夜は明ける

ソロモンの命が続く限りこのリンチは終わらない。
そう察したウィリアムは命を救う方法として止む無くエドウィン・エップスへソロモンを売り飛ばした。

エドウィン・エップス(マイケル・ファスベンダー)はウィリアムとは正反対で、強欲でとても冷酷な男だった。

それでも夜は明ける

綿花栽培を生業とするエップスは奴隷に鞭をうつことで働かせていた。
そこでは過労で命を落とす奴隷もいるほどだ。

エドウィンは女奴隷からお気に入りをつくる性癖も持ち合わせ、嫉妬に狂う妻メアリー・エップスも奴隷たちを苦しめていた。

そんな欲望と嫉妬にまみれるエップス家は独占欲だけは強かった。

決して所有物を離さない。

そんな苦しい日々、ソロモンの諦めない心の炎は消えかける。

それでも夜は明ける

そして何年の月日が過ぎたであろうか。

エップス家の小屋改修にひとりの男が訪れた。
その男の名はカナダ出身のサミュエル・バス(ブラッド・ピット)
改修工事のひと時、サミュエルはエドウィンに奴隷の労働環境について提言をしていた。

奴隷も人間だ。」

サミュエルは理不尽な奴隷制度に反対する考えを持っていた。

いままで、何度として裏切られたことだろう・・・

だが、サミュエルの目をみたソロモンは、この男に希望を託した。

それでも夜は明ける

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あらすじ 感想

〇感想
ハリエット」に見ることができなかった部分を見事に描いている映画でした。

素晴らしい👏

決して黒人が虐待を受けている場面が見たいわけではない。
だけど、この見たくはない部分を見せなければ、奴隷制度に苦しめられていた黒人の苦しみや悲しみを伝えることは難しいのです。

人間が残酷なことする事実から目を背けてはいけないと思う。

人は利権を貪るし、正しいと思っている事でも黙って見過ごすこともある。

サミュエル・バスが言います。

正直、僕は怖い。自分が可愛いんだ

それでも夜は明ける

僕はこの言葉は真意をついていると思う。

ある意味、この映画の最大のテーマであると言ってもいいと思う。

間違いを「間違い」と訴える事はとても怖いことだ。
勇気のいることだ。

南部に住む人間でも奴隷制度が本当は人として間違っていると思っていた人がいたのかもしれない。
その一人がウィリアムという心が優しい人物。

それでも夜は明ける

彼は正義感やさしさを持っているが、南部の仕来りや大きな流れには反抗することなどできはしない。

もう一人がエドウィン・エップスだ。

それでも夜は明ける

彼は所有物とし奴隷を扱い、鞭をうつ残酷な人物だ。
だが、彼の心があれほど荒れているのはなぜだろう。
何をしても心が満たされない彼は奴隷の女を抱いてみる。
それでも満たされることのない心

ウィリアムが良い人物と描かれているけど、実はどちらの人物も「自分可愛さのレベル」では同じなのだと思う。
どちらかというと満たされないエドウィン・エップスの心こそ注目すべき点なのかもしれません☝
それにマイケル・ファスベンダーが最も素晴らしい演技をしています。

この映画、134分という時間を使い、人が息をのむような場間つくりあげた映画だと思いました。

例えば、惜しみなく尺を使いソロモンの首くくりの場面をもっとも恐ろしい場面に作りました。

リンチによりつま先のみで命をつなぐソロモン。
うめき声をあげるソロモン。

時期に小屋から奴隷がわさわさと出てきます。
しかし、わき目で見るも、いつもと変わらない仕事をいつもと同じ様に始めます。

それでも夜は明ける

この場面が異様に恐ろしいです🥶

ここにスティーヴ・マックイーン監督の才能が垣間見えますね。

この作品は「ハリエット」のように煙に巻いたような映画ではなく、しっかりと奴隷制度の残虐さ、苦しみ、悲しみを描いているのが素晴らしい。

そんな映画ですが、サミュエル・L・ジャクソンからはあまり良い評価を得ていないようです。
それはこの映画の監督や主要キャストにあるようです。

スティーヴ・マックイーン監督(イギリス)
キウェテル・イジョフォー(イギリス)
ベネディクト・カンバーバッチ(イギリス)
マイケル・ファスベンダー(ドイツ)

サミュエル兄が言うには「アメリカは奴隷制度や差別問題に向き合っていねぇ!」ってことだそうです。
過去の問題も重要だけど今の差別問題に目を向ける事がより大切なことで、勇気がいることだ。」とも言っているようです。

それにこの映画は製作段階でパラマウントが関わっていたけど、黒人差別をテーマにした映画では利益がでないと消極的だったらしい。
ブラッド・ピットの製作会社プランB・エンターテインメントが頑張って作り上げ、いざアカデミー賞を受賞すると、またパラマウントが出しゃばったらしい。
ブラッド・ピットはかなり不快感を覚えたとか?

まぁ、裏方はいろいろあったらしいけど、映画として素晴らしい映画です。
凄くお勧めいたします。

あらすじ 感想
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「MERU/メルー」の感想・レビュー(ネタばれあり)

MERU/メルーMERU/メルー
★★★★★プラス
製作・監督 ジミー・チン/エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ
撮影 ジミー・チン/レナン・オズターク
配給 Music Box Films
上映時間 87分

こんにちは、しんじです。
今回は山岳ドキュメント映画「MERU/メルー」の感想を書きます。
この映画は完全にドキュメンタリーです。
起こったことなどリアルタイムで撮影していたようです。
監督のジミー・チン自身が映画にも登場する登山チームのひとりであり、彼の構想の中ですでに映画として作り上げるつもりだったようです。
そのため、ヒマラヤ山脈のMERUにそびえるシャークフィンからの登頂を成功させるまでの出来事が事細かに撮影されています。
事実は小説よりも奇なり」という言葉があるように、この映画のストーリーは1本の創作映画を越えている内容になっています。
こんなにドラマティックな内容になっているとは思ってもいませんでした。

PukuPukuMarine
〇あらすじ&感想
感想を書く前に、まず、僕は海を潜るダイバーです。
この前提はおそらくこの映画をかなり贔屓する理由になってしまうでしょう。
スカイダイバー、アルピニスト、ダイバー、もしくは飛行士などもこの映画に親近感を覚える部分があるんじゃないかと思います。
僕など映画に登場するトップクライマーなどと比べれば、限られた安全な場所で潜っているダイバーなのですが、彼らが言っていることを少しは肌で感じることもあります。

もともと海の中は人間が生きる環境じゃないので頼れるのは器材とバディ(相棒)です。
そのバディと長年潜れば潜るだけ信頼関係が強くなっていきます。
それは依存とは違うものでそこにある信頼感が自分の心と体を自由にしてくれるのです。
その余裕が海での判断を正しいものに導いてくれます。

この映画ではトップクライマーのコンラッド・アンカージミー・チンがその関係にあります。
MERU/メルー

10年もの間、数々の山をともに登った彼らの絆はそうとうなものだと思います。
そこに新参者と言えるレナン・オズタークが参加します。
MERU/メルー

コンラッドとジミーはチームであり師弟の関係でもあります。
ジミーにコンラッドが推薦するレナン・オズタークの参加を反対する理由は何もありません。
むしろレナン・オズタークにはかなりのプレッシャーだったかもしれませんね。

そんなレナンはその想像を絶する過酷さに山頂近くで弱音を吐くようになります。
もう食料も残りわずかで、きっと明日には中止になるだろう。そう考えるとうれしかった。」と彼はインタビューで答えています。
MERU/メルー

でも翌朝、コンラッドとジミーは黙々と登山を続けるんです。

クレイジー」「ファッ〇」彼はつぶやいたかはわからないけど・・・いやつぶやいたでしょう。

そう思えるような環境下にいるのが映画を通じて感じることができます。
崖に吊るすテント(ポータレッジ)だって!??
MERU/メルー

正気じゃない!

そんな環境での登山は本当に想像を超えていました。

苦難の末の登山も山頂まであとわずか100mで断念せざるを得なくなってしまう。
コンラッドはリスクを測りにかけて選択しました。

これってかなり勇気があることだと思います。
行く勇気よりも行かない勇気のほうが難しいことってある。
「行けるはずだ」はチェレンジと無謀の両方に当てはまる言葉ですから。

この決断をするコンラッドと彼の選択に敬意を示すジミーが凄くかっこいい。

そして3年後に再チャレンジするのですが、その3年の間に起きた出来事がすさまじすぎるのです。
MERU挑戦に失敗した後、ジミーとレナンは一緒に数々の山を登り、信頼関係を築いていきます。
ある雪山の撮影でレナンが転落事故を起こし頭蓋骨陥没頸椎の骨折をしてしまうのです。
この転落事故はジミーの目の前で起きた。
MERU/メルー

そして病院で入院するレナンが安定したころに、今度はジミーが大雪崩に巻き込まれる事故にあいます。
MERU/メルー

ジミーは九死に一生を得るのだが、それが彼のに大きな影響を及ぼしてしまう。

その2人がMERUに再挑戦するまでのことが、凄くドラマティックに描かれています。
そしてコンラッドのバックストーリーも凄いものでした。

やがてこの登山に込められた意味は3つの意味を持つことになります。

成功したときのジミーの雄たけび、レナンの笑顔、そしてコンラッドの口から洩れた言葉がそれを表しています。

MERU/メルー

凄く感動しました。

映画の脚本のようなこのストーリーとこの圧倒的な映像美
きっとこの映画の虜になった人も少なくないと思う。
MERU/メルー

冒頭にも書きましたが僕はダイバーなのでちょっぴりこの映画を贔屓目でみているかもしれません。
コンラッド、ジミー、レナンが凄い人でかっこいい男に見えます。
しかし、そういうものに興味がない人には、もしかしたら愚かしい、意味のないことに思うかもしれません。
もしくはその中間点のひともいるかな。

ある意味ふり幅が大きい映画とも言えなくもないです。

ただ興味がない人は始めからこの映画を観る選択はしないでしょう。
このドキュメンタリー映画を観ようと思った人たちには大満足する映画だと確信します。

凄くお勧めの映画です。
コロナで自粛中の人にもこの映画はいいかもしれません。

この映画の映像は素晴らしいので4K・8Kテレビだったらもっとすばらしいのだろうなぁ。
MERU/メルー

僕はパソコンの画面でみても素晴らしく感じたくらいですからね。

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「パトリオット・デイ」の感想・レビュー(ネタばれあり)

English🇬🇧
パトリオット・デイパトリオット・デイ
★★★★★
監督・脚本・製作 ピーター・バーグ
配給 キノフィルムズ
上映時間 133分

こんにちは、しんじです。
今回は2013年のボストンマラソンで実際に起きた爆弾テロ事件を題材にした映画「パトリオット・デイ」の感想を書きます。
この事件はよく覚えています。
911からテロの標的とされているアメリカですが、華々しいアメリカのお祭り「ボストンマラソン」で爆弾テロが起きるとは思いませんでしたよ。
この事件をニュースで見たとき、僕は日本でも十分にあり得る身近な恐怖をかすかに覚えました。
ただ2013年、日本は東日本大震災や福島原発事故などの爪痕が大きく残っていたため、この爆弾テロの扱いは他国よりも少なかったかもしれません。
この映画はその事件に関して捜査チーム、市長、州知事などの動向が描かれているとても興味深い映画です。

監督のピーター・バーグの過去作を見ると結構好きな映画があります。
キングダム/見えざる敵」や「ウィンドリバー」は個人的にとても面白い映画だとおもっています。

パトリオット・デイ パトリオット・デイ

ただ「バトルシップ」は駄作と言わざる負えない映画でしたけどね。

PukuPukuMarine

あらすじ 感想

〇あらすじ
殺人課刑事トーマス・サンダース(マーク・ウォールバーグ)は行き過ぎた暴力行為により警察署内でペナルティを受けていた。
このボストンマラソンで一日制服警官として安全管理をすれば、晴れて刑事課に戻れるのだ。
ボストンマラソン会場へ来場していた州知事、市長、警視総監といった偉い様方がやっと帰ってくれた。
サンダースの仕事はほぼ終わりと言ってもいい。

突然の爆音に地が揺れる。

パトリオット・デイ

サンダースもいったい何が起こったかわからない。

パトリオット・デイ
だが、すぐに無線で警察官たちへの支持を走らせた!

続けてもう一発の爆弾が大きな衝撃を与える。

倒れる人々、道路は血で染まる。
ちぎれた足が道に落ちる。

パトリオット・デイ

この大きな事件に州知事、市長、警視総監は踵を返して現場に戻る。

そしてFBI特別捜査官のリック・デローリエ(ケビン・ベーコン)も到着する。

パトリオット・デイ

それまでにサンダースは現場の混乱と警察官の動きをまとめていた。

どこからどう見ても爆弾テロの現場。
だがデローリエFBI捜査官は事件を慎重に扱おうとする。

できればテロではなく事故であってほしい気持ちが二の足を踏ませる。
なぜならテロに対してアメリカ国民は過大な憎しみと敵意をイスラム教信者へ向けてしまうからだ。

だが付近に散乱するベアリングや釘を見るとテロと認めざるを得なかった。

ボストンマラソンの観衆に混じる犯人を特定するため付近のカメラ、観衆から集められた映像を分析する。
そこから違和感を覚える男を特定する。

デローリエFBI捜査官は街に詳しいサンダースに容疑者の動きを予想させる。
サンダースは街に設置されるカメラ、店の防犯カメラの角度などをほぼ把握しているのだ。

そして容疑者の顔を特定できる場所を予想した。

その男の向かう場所にはもう一人サングラスをした男がいた。

パトリオット・デイ

2人は指名手配になり身元はすぐに割れた。

だが犯人たちは次の行動に出ようとしていた。
ニューヨークでの爆破テロだ。

犯人は逃走用に停車中のメルセデスベンツSUVに目をつける。
車に乗っていた中国人留学生のダン・マンは銃を向けられると、犯人に従った。
犯人は車中で「テロ犯人であること」をダン・マンに説明する。
もちろん素顔をさらしてだ。

パトリオット・デイ

ダン・マンは自分が殺されることを察する

だが、ある店に停車中に犯人の隙を見て逃げ出すことに成功する。
彼の通報により犯人はウォータータウン住宅街にて警察に包囲される。
だが犯人は爆弾テロリスト
銃撃だけでなく爆弾も投げつけてくる

パトリオット・デイ

いつもは静かな住宅地は、まるで中東の戦地の様相となる。

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あらすじ 感想

〇感想
この映画は「Base on the true Story」ですが、ひとつの映画作品としてもとても面白い作品になっています。
いろいろな部分で脚色がかなり入っていそうです。
僕は映画というエンターテイメントを媒体とするからには、この手法には決して反対ではありません。
だってお金を払って観る映画ですから、面白くないとね。
淡々とドキュメント的にやるならTVでやったらいいと思います。

扱う題材はイスラム教信者による爆破テロなので、やはりプロバガンダとみられても仕方がないでしょう。
少しAmazonの評価を読むと、案の定このプロバガンダに凄く否定的な感想もありました。
僕もプロバガンダ映画はあまり好きではないです。

でも、この映画に関してはそのようなことは忘れてもいいと思いますよ。
普通にひとつの映画として楽しむことを前提として作られているようです。

この映画、なかなかにスリルが楽しめる映画でしたよ。
この緊張感は「キングダム/見えざる敵」と非常に近いものを感じました。

犯人が自分たちの戦いのためなら、非常で冷酷であることが緊張感を高めます
その容赦ない牙は、今までと変わらない日常を過ごしている人々へ向けられる。

中でも「もうひとつ拳銃が欲しい」という理由でマサチューセッツ工科大学を警備している警察官が殺されるのがとても痛ましかったです。
彼はMITの女生徒に恋をしている若い警察官だった。
まだ告白はしていないが、何とかデート的なものの約束をできたばかりだった。
パトリオット・デイ

何気ないバックストーリーを描いているから、この殺されてしまう描写が悲しい。

そしてSUV車の盗難で巻き込まれた留学生。
まぁ、怖い、怖い。
犯人が素顔をさらして「ボストンの爆弾テロ犯人だ」って言った時点で死刑宣告☠されるようなものだからね。

できれば目をつぶって耳栓をしたい気持ちになる。

もう殺される運命しかのこっていないのだから、一か八か逃げるしかないです。
そのタイミングを図る場面は《よし、行くのか?行けっ!》と心で唱えてしまいました。

このようにエンターテイメント性を押し出す作りにしているためとっても面白い作品になっています。
本当は被害者がいる事件を楽しむのは不謹慎なのかもしれませんが。

最後にお決まりのように捜査関係者や被害者のインタビューで映画は終わるのですが、アメリカ万歳が鼻につくことはありませんでしたよ。

それよりも「自分たちは被害者になったけれども、前を向いて生きていくことが大切なんだ。」というメッセージが伝わってきました。

パトリオット・デイ

恨みや過去を見ることではなく、未来にこのような悲劇が起きないように伝えていくことが大切って言っていました。

きっとこの映画がある程度エンターテイメント色が強い作風になっているのは、被害者の理解があってのことなのだろうと思います。

普通にサスペンス映画として凄く面白い映画です。
お勧めですよ。

あらすじ 感想
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Review of Movie
This is Shinji.
This time I wrote a review of “Patriots Day”.
This movie is based on “Boston Marathon bombing” that happened in 2013.
I got the impression that it was dramatized as entertainment.
I’m not negative about making it as a movie.
I think that if you want to make it plainly documentary, you should broadcast it as a TV program.

The fact that the back story of the victim is also in the movie raises the tension of the incident.

There is an interview with the victim at the end of this movie.
“People are more important to live toward the future than to live with a deep grudge.”
I don’t understand English well, but I took it as such a message.

I thought it was a very complete work as a suspense movie.

In 1995, there was a terrorist attack using Sarin by a religious group in Japan as well.
Such sneaky terrorism cannot be forgiven.
I hope that the world will be free from such terrorism.