English
ムーンライト
★★★☆彡☆
原作 タレル・アルヴァン・マクレイニー
監督・脚本 バリー・ジェンキンス
配給 ファントム・フィルム
上映時間 111分
こんにちは、しんじです。
今回は「ムーンライト」の感想を書きます。
この映画は第89回アカデミー賞で作品賞・助演男優賞・脚色賞を受賞しています。
知人からの情報で「ゲイの男性の物語」とだけ聞き、ずっと遠ざけてきた映画です。
ただ「グリーンブック」にてマハーシャラ・アリの存在感に魅了💚されたので、この映画を観るに至りました。
さて、さて・・・大丈夫かな。
〇あらすじ
1. リトル
内気な少年シャロンは地域の少年のいじめにあっていた。
いじめっ子から逃げているシャロンを助けたのは、この地域で縄張りを張る麻薬売人のフアン(マハーシャラ・アリ)だった。
彼は少年に温情をかけ恋人テレサ(ジェネール・モネイ)の家に連れていく。
やさしく接するフアンとテレサにシャロンの心はわずかに開いていく。
シャロンから家の住所を聞き出し家まで送るが、母ポーラは麻薬中毒の上、家で売春まがいのことをしていた。
学校にも家にも居場所を持たない少年の心は、フアンとテレサを求めた。
フアンは少年と長い時間をともにする。
それは父と子のような関係でもあった。
ある夜、フアンが自分の客と麻薬に溺れるポーラを見かける。
「あんた偉そうに説教するのかい。あんたから買った麻薬だ。あんたがやめろって言っても私はあんたから買ってやる。」
翌朝、家で麻薬に溺れる母を憎む心情をフアンに告白するシャロン。
「その麻薬を打っているのはフアンなの?」
そう質問されたフアンは恥知らずな自分をあらわにされる思いになった。
2. シャロン
思春期を迎えたシャロンは相変わらず地域の少年のいじめにあっていた。
母も相変わらずで、むしろ未だにシャロンが安らぎを求めるテレサに対して嫉妬していた。
ファンは死んでいた。
自分の感情の出し方を解らないシャロンは性に対する鬱屈した思いに悩んでいた。
ある月夜、ビーチにて自分の今、この先を語り合う友ケヴィンとの時間。
ふとシャロンの心に押し寄せる性への衝動は垣根を越えてしまう。
唇は重なり指先は砂浜に深い爪跡を残した。
翌日、シャロンの存在を疎ましく思ういじめっ子のテレルは、儀式としてケヴィンにシャロンを倒れるまで殴れと命令する。
大けがを負ったシャロンを大人たちは社会の常識から救おうとする。
そんな常識では自分を守れないと悟ったシャロンは教室にいるテレルの背後から頭にめがけて重く大きな椅子を振り下ろした。
3. ブラック
大人になったシャロンは筋肉たくましく歯に金のグリルを装飾する麻薬売人のボスになっていた。
もう誰にも自分の心を犯させないとばかりにタフに生きるシャロン。
そんなある日、一本の電話が鳴る。
マイアミのケヴィンからの電話だった。
儀式後、少年院に入っていたシャロン。
ケヴィンとの久しぶりの会話に言葉は思うように出なかった。
謝罪と軽い身の上話、そしてマイアミに来た際には料理人となった自分がごちそうすると約束をする。
マイアミの小さな料理店のカウンター席にすわるシャロン。
コーヒーを運んでくる男性の目が驚きとともに「シャロンか?」という言葉を発する。
ケヴィンはうつむくシャロンに、「その癖は昔と同じだな」と悪態をつきながらお勧め料理を作り始める。
〇感想
ひとりの男性の少年期・思春期・成人期を綴った3部構成の映画です。
まぁ、そうですねぇ・・・普通に観ました。
多分、いまのアメリカの賞レースの傾向なのでしょうね。
時代時代の背景が如実にあらわれる賞レースです。
今は、とかくLGBTと人種差別に関する作品が賞レースを獲得する傾向が多いようです。
はっきり言ってこの映画はアカデミー賞受賞作品としてハードルを高くすると肩透かしを食らう作品です。
「よーし!感動するぞー!」って意気込んで観てはいけない映画です。
僕の場合は「ゲイ」というキーワードがあるため、少し遠巻きに鑑賞したからそこそこ楽しめたといえるでしょう。
※「ゲイ」に少し偏見を持ってます。昔、追いかけられて怖い目にあったことがあるので・・・
ただ、この映画の良いところはカメラワークが素晴らしく美しいことです。
フィルムの規格を変えているのか特殊効果なのか専門的なことはわかりませんが、映像の残像的なものが凄く綺麗ですね。
あとレストランの場面でもわかるとおり、ドアベルの音と共に音楽を流す感性が凄く豊かです。
そういう芸術的な感性が感じられる映画です。
ストーリーとしては「1.リトル」が一番興味深く、これはマハーシャラ・アリの存在感がものすごく大きかったと思う。
悪の間では恐らく恐れられていた人物なのでしょう。
しかし少年に接するフアンは誰よりもやさしく心強い男なのです。
この怖くやさしい男をマハーシャラ・アリが魅力たっぷりに演じていました。
なんならこの少年期だけの映画でよかったのではないかと思うほどです。
もっとマハーシャラ・アリを観ていたいと思う映画でした。
それだけ魅力的にフアンを表現したからこそ、後にシャロンが選んだ道にも納得いくところもありました。
母と自分を苦しめた麻薬だけど、自分を守る強さにフアンの強さを求めていたのかもしれませんね。
それはシャロンの車にフアンと同じような王冠があることからも窺い知ることができます。
ゲイを心に抱えるシャロンの話でしたが、そんなに過激な表現はないので安心してみることはできます。
「いろんな愛の形がある。」とありきたりの表現の中にある1本として観る分には良いのではないでしょうか。
Review of movie
Hello.
This is shinji.
This time I wrote a review of “Moonlight”.
This movie won the 89th Academy Award for “Best Picture,” “Best Supporting Actor,” and “Writing Adapted Screenplay.”
Personally, it’s a movie that leaves me wondering if it was a movie worth it.
I was able to feel the remarkable visual beauty and sensibility in the movie.
However, I didn’t think it was a movie that impressed me enough to win an Academy Award.
However, I thought that only the wonderful performance of “Mahershala Ali” was an impressive movie.
The movie consisted of three chapters.
Mahershala Ali appeared in only one chapter.
I wanted to see only this “Chapter 1” as one movie.
Chapters 2 and 3 where he didn’t appear were clearly unattractive.
Academy Awards often reflect the background of the times.
However, I think we should avoid selections that please some activists.
I understand that LGBT and racism are important issues that society must address.
But I think it’s clear that it casts too much shadow on the legitimate evaluation of the film.