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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
★★★★★プラス★★☆彡
原作 「Alan Turing: The Enigma」アンドリュー・ホッシズ
監督 モルテン・ティルドム
脚本 グレアム・ムーア
配給 ギャガ
DVD ギャガ
上映時間 115分
こんにちは、しんじです。
今回は第二次世界大戦時、イギリスに実在した人物アラン・チューリングを描いた伝記映画「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」の感想を書きます。
主演はベネディクト・カンバーバッチで素晴らしい演技を見せてくれています。
アラン・チューリングとは第二次世界大戦中、イギリスの特殊機関にてドイツの暗号機エニグマの解析に尽力し、初期型コンピューターの礎になった人物とも言われています。
💻あらすじ
1951年
空き巣に入られたアラン・チューリング教授(ベネディクト・カンバーバッチ)は警察を呼んだ。
事情聴取をするノック刑事は彼の態度から何か秘密を隠していると確信する。
アラン・チューリングがソ連のスパイではないかと疑うノック刑事は彼を取調室へ呼ぶ。
彼の口から出たのは第二次世界大戦時の話だった。
1939年
第二次世界大戦時のイギリス
アラン・チューリングはブレッチリー無線製造所を訪ねる。
そこは無線製造所と仮の名をつけた対ドイツ軍の暗号解読研究所だ。
チューリングは研究所の責任者デニストン中佐(チャールズ・ダンス)と面談に臨む。
デニストン中佐はチューリングのあまりにも高慢で人を寄せ付けない態度に追い返そうとするが、彼の口から「エニグマ」の言葉を聞くと、彼の鋭い見識に採用を決定する。
チューリングはヒュー・アレグザンダー(マシュー・グッド)をリーダーとする解析チームの一員となった。
だが彼の高慢で人を寄せ付けず自ら孤立して研究を行う態度にチームメンバーはあきれ果てる。
チューリングはそれまで人の脳により解析しようとしていた暗号を、開発した計算機にて瞬時に解析すると断言していた。
なぜなら、ドイツの無線は「159,000,000,000,000,000,000もの解析設定パターン」があり、しかも「午前0時には設定を変えてしまう」からだ。
彼はマシンの設計を作り上げるが、部品代として10万ポンドの予算をデニストン中佐に嘆願する。
「(チームの)彼らをクビにして10万ポンドを捻出してください。」
チーム内のチューリングの評判と高慢で身勝手な態度にデニストン中佐は厳しく叱咤する。
「闘いの勝利に大切なのは 命令・規律・指揮系統だ。」
だがチューリングは「話にならない」としデニストン中佐の上司ウィンストン・チャーチルに嘆願する。
数日後、意外なことにチューリングの要求はチャーチルの承認を得てしまう。
さらに、新リーダーとして任命される。
任命されたその場でチューリングはメンバーの内2名を役立たずとクビにする。
人の心を持たないようなチューリングに対してデニストン中佐をはじめメンバーは呆れ果てる。
2名をクビにしたことで新メンバーを募ることになった。
チューリングは「素晴らしい仕事のチャンスが与えられる。」という文章のもと難解なパズルを新聞に掲載した。
やがてパズルを解き明かした候補者を会場に集め、最終試験を始める。
そして2名が選ばれる。
そのひとりにジョーン・クラーク(キーラ・ナイトレイ)という女性がいた。
ジョーンはチューリングのよき理解者となり、暗号解析について、もしくはメンバー内の付き合いおいても彼女の存在が大きなものとなった。
チューリングはついにデジタル計算機「クリストファー」を作り上げる。
「クリストファー」はコアを回転させながら暗号の解析をする。
しかし無情にも解析前に午前0時を迎えてしまう。
10万ポンドという高額な費用をつかったマシンが結果を出せない。
デニストン中佐はそのことを理由にチューリングをクビにしようとする。
「彼をクビにするなら私はここを辞めます。」
言葉はヒュー・アレグザンダーまたは他のメンバーから出た。
「優秀な人材を一気に失うことになります。」
ヒューの言葉にデニストン中佐はチューリングに1カ月の猶予期間を与える。
未だ解析に功績を残せないでいる日々だったが、チューリングの部屋に訪ねてきたジョーンが故郷へ帰ると言い出す。
両親から結婚もせずに無線製造所で働く娘を嘆く手紙が届いたのだ。
「君を手放さない。君はここにいるべきだ。」
熱弁振るうチューリングの言葉は空振りに終わる。
「なら、結婚すればいいわけだ。」
チューリングはワイヤーをぐるぐる巻きにして作った指輪とプロポーズの言葉を送った。
人には言えない秘密を抱えながらも・・・
ある日、ジョーンの部屋を訪ねるとMI6スチュアート・ミンギス少将が彼女の部屋を捜索していた。
「彼女の部屋にトップシークレットの解析文章があった。彼女をスパイ容疑者として連行する。」
それはチューリングが彼女の部屋に置いたままにした機密文章だった。
💻感想
すごくおもしろい映画です。
この映画は間違いなくおもしろい!
映画の中にはいろいろな要素がギュッと詰め込まれていて、それが全て消化不良を起こすことなくこの映画を素晴らしいものにしています。
ドイツの暗号解析、デニストン中佐との軋轢、メンバーとの友情、命の選択、スパイ容疑、ジョーンとの関係、チューリングの秘密。
それを115分という時間で詰め込んだ監督と脚本に拍手喝采です👋👋👋
「ダンス・ウィズ・ウルブズ」を例にすると面白い映画は長時間でも短く感じます。
だがこの映画は面白いがために115分という時間を長く感じてしまう珍しい映画です。
観終わった後に、「え、115分だっけ??」と思ってしまいました。
それくらい内容がギュッと詰め込まれているんです。
すばらしいです。
この映画は頭から終わりまで良いところばかりなのですが、それはやはりベネディクト・カンバーバッチの素晴らしい演技があったからこそです。
僕は彼が出演した映画の中で最も素晴らしい演技をした映画だと思います。
少しコミュニケーション障害を抱える男のたたずまいからジョーンへ対して自然と溢れてしまう笑顔まで彼の演技の幅を感じてしまう。
僕がもっとも好きだった場面を紹介します。
チューリングのサンドウィッチ
チューリングとジョーンが芝生の上でランチをしていると、ヒューがやってきます。
「ワイヤーを対角線につなげば、探索時間が500倍速くなる。」
そのアイデアにチューリングは感銘を受ける。
「これは、それほど悪いアイデアではないな。」
そんな否定を否定するような言葉しか聞けなかったヒューは落胆の表情を見せる。
「彼は〝ありがとう″と言ってるわ。」
ジョーンが彼の言葉を解析して訳す。
その言葉にヒューの口元は笑みになる。
チューリングのサンドウィッチをつまむ。
「それは僕のだ。」
「サンドウィッチは嫌いだったろう。」
と言いながらパクリと食べる。
チューリングの口元がほんの一瞬だけゆるむ。
この場面がすごくいいです。
この映画の中で一番好きな場面かも。
ヒューとチューリングの心がジョーンによって少し近づいた瞬間。
ジョーンの存在がどれほど大切なものだったかを描いています。
そしてベネディクト・カンバーバッチの一瞬の表情が凄く良かった。
チューリングが特殊な人
ドイツ軍の空襲で瓦礫の山になった街並み
そこを自転車で疾走するチューリング
この場面はアラン・チューリングが世界と異質な存在として描かれています。
こんな数コマだけでそれを表現してしまうのが凄いと思います。
映画に説明をつけたがる日本の監督は見習ってほしいです。
暗号解析の任務においても過去と自分の殻に閉じこもるチューリングがジョーンとチームの友情において前を向いて生きる瞬間と任務が終わったのち、再び過去に翻弄されたチューリング。
この伝記がどこまで真実かはわからないけど彼の功績を知る人は少ないでしょう。
この映画は彼の生涯を描いているとともにある差別問題についても訴えている映画でもあります。
今回はそれについては触れないでおきます。
映画の中でチューリングがチーム内に友情の証のようにりんご🍎を配る場面があります。
「りんご」に関していろいろなエピソードがあるようです。
それを示唆する場面でした。
興味がある人は「チューリングとりんご」を検索してみてください。
この映画の中でひときわ存在感があったデニストン中佐。
チャールズ・ダンスさん。
僕はこの俳優さんを見るたびに「ラスト・アクションヒーロー」を思い出してしまうのです。
片眼が赤い悪役。
僕の中で彼はいつまでもあの悪役のままなんですよね。
それほど印象深い俳優さんです。
先にも書いた通りいろいろな要素がギュッと詰め込まれた114分。
タイトルやパッケージは少し地味だけど間違いなく面白いです。
超・超お勧め映画です。
Review of movie
Hello.
This is Shinji.
This time I wrote a review of “The Imitation Game” starring Benedict Cumberbatch.
This movie is a biographical film of the genius mathematician Alan Turing who existed in England during World War II.
He is a esoteric German cryptanalyst at a British special agency.
It is said that World War II ended early due to his achievements.
It is also said that the theory of digital computers he made later became the foundation of PCs.
This movie
“German cryptanalysis, conflict with Lieutenant Colonel Denniston, friendship with members, choice of life, suspected espionage, relationship with Joan, Turing’s secret”
Various contents such as are included.
It is summarized in the screening time of 114 minutes.
I thought the director and the script were very good.
The performance of Benedict Cumberbatch is amazing.
I think this movie is the one where you can see his most wonderful acting.
This movie is one of the best movies I’ve seen.