バックドラフト
★★★★☆彡
監督 ロン・ハワード
脚本 グレゴリー・ワイデン
配給UIP
DVD ジェネオン・ユニバーサル
上映時間 137分
こんにちは、しんじです。
今回は1991年公開「バックドラフト」の感想を書きます。
この映画は当時ノリにノッていた監督ロン・ハワードとカート・ラッセル、初々しいウィリアム・ボールドウィンによって描かれた消防士兄弟の物語です。
脇を固めるのはロバート・デ・ニーロ、スコット・グレン、ドナルド・サザーランドと濃い濃い実力派俳優たちです。
若い人たちは知らないかもしれないが、この映画は今までの映画にはなかった新しい変革をもたらした映画です。
それはまたあとで書きますね
私の印象ではロン・ハワード監督は「コクーン」「ウィロー」などで勢いをつけ「バックドラフト」で確固たる地位を築いたように感じます。
その後「アポロ13」「身代金」「ダヴィンチ・コード」「天使と悪魔」「ラッシュ/プライドと友情」など多くヒット作の監督をしています。
あらすじ | 感想 |
「バックドラフト」
当時、火災におけるこの現象を世に知らしめたのはこの映画だと断言していいと思います。
少なくとも私はそれまでこの現象については知りませんでした。
それだけにこの映画の切り口は斬新だった印象です
そして、この炎の表現力。
それまでの炎は激しくより大きく燃え上がるのが一般的でした。
だが、この映画で炎は燃え広がるだけでなく、時には引いたり、時には天井で待ち伏せしたりする。
燃え上がる炎は細くなり主人公の顔を覗き込む。
今まで、こんな炎の表現はありませんでした。
そしてこの映画以降、炎の表現力は飛躍的に向上しました。
それは炎だけでなく水であったり風であったり、そのものが持つ特性を細かくユニークに表現する映画が増えたことは間違いありません。
そういう意味でこの映画はもっともっと称賛されてもいい映画だと思います。
この映画の影響は日本の漫画やアニメにも影響をもたらしていて「め組の大吾」とか「炎炎ノ消防隊」なども少なからずこの映画の影響を受けているのではないでしょうか?
ストーリーも兄弟それぞれの想いが丁寧に描かれていてとても素晴らしいです。
この映画公開当時、僕は21歳だったのですが、その目から見てカート・ラッセルは「おっさん」に見えていましたが、今見ると若々しい隊長ですね
そんなカート・ラッセルが、弟の後ろ姿にいつも自分の力不足の為、弟を導いてげることが出来ない憂い的なものを表現しているのがいいです。
まぁ、怒りん坊なんですけどね。
でも、けっこう男兄弟ってこんな感じがリアルかもしれませんよね。
この兄弟、弟は父に届かない自分の器にコンプレックスを持ち、兄は父のように家族(隊員も含め)を引っ張ることが出来ない自分の力不足にコンプレックスを持っています。
そしてラストに向けお互いがそれぞれの素晴らしいところを認め合い父の残像を乗り越えることができるという素晴らしい展開です。
この永遠に変わらない兄弟関係を描いていることでこの映画は長く愛されています。
ストーリーはそんなドラマの中にサスペンス・スリラーをしっかりと入れてきます。
そこでロバート・デ・ニーロやドナルド・サザーランドという実力派俳優がしっかりと話を盛り上げていきます。
兄や父の残像から逃げた先にリムゲイル(ロバート・デ・ニーロ)がいるのが凄くいいですよね。
そしてリムゲイルの背中の火傷を見て、その背中にやはり父や兄と同じようなものを感じる。
何だかんだと理由つけて行き先を変えても、結局は本気で何かに向き合う男の背中は同じで、自分が甘ちゃんだということにブライアンは気づいてはいるんです。
だから彼はイライラするんですね。
さて、サスペンスは意外な方向に向かっていきます。
凶悪放火犯ロナルド(ドナルド・サザーランド)と対面して放火犯の人物像を割り出そうとします。
ここで「ん?」と思った人は多いでしょうね。
そう、「羊たちに沈黙」です。
なんとこの「バックドラフト」も「羊たちの沈黙」も同じ1991年の映画なんです。
これって偶然ですかね・・・
一応、「羊たちの沈黙」は原作が先にある映画化なんです。
そう考えると、ちょっと「バックドラフト」がアイデアを拝借しちまった感が否めないですね。
「ディープインパクト」と「アルマゲドン」の例を考えれば、ハリウッドは平気でそういうことしますからね。
僕の想像でしかありません。
今回も、ドナルド・サザーランド良かったです。
やっぱり怪しい演技がよく似合う。
この映画1991年の映画ということもあって、やっぱり80年代の映画の残り香のようなものを感じます。
「ビバリーヒルズ・コップ」「ロッキー4」もそうですが、80年代半ばのミュージックビデオが流行っていました。
そのため映画もミュージックビデオ風な場面がよくあります。
音楽がひときわ大きくなりご丁寧に歌詞までも字幕にしてくれます。
ストーリー展開を早送りするにはよいアイデアなのですが、正直僕はあまり好きじゃないです
それと、映画をロマンティックにするために男女のベッドシーンなどもよく挟む。
やはり80年代の名残ですよね。
〈そんなのいいから早くストーリー進めろよ!〉
せっかちな僕はいつもそう思ってしまうのです。
まぁこの辺は好き嫌いの問題かもしれないですが、映画にもその時代時代の作り方がある。
その実例みたいなものですよね。
さて、この映画、ブライアンを演じたウィリアム・ボールドウィンはとても初々しく、この映画を機にいくつかの主演を務めます。
「ボールドウィン」
ピンと来たあなたは映画をよく見ていますよね。
そう、このウィリアムはアレック・ボールドウィンの弟です。
「ボールドウィン」は4人兄弟で全員俳優しています。
この中で一番知名度が高いのは長男のアレックですよね。
最近では「ミッション:インポッシブル」の長官役で見た人も多いと思います。
兄弟そろってボールドウィン顔しています
まだこの映画を観ていない人は一見の価値がある映画だと思いますよ。
凄くお勧めです。
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あらすじ | 感想 |
※すごくネタバレ含みますのでご注意を!
誰よりも強くかっこいいヒーロー。
幼いスティーブとブライアンはそんな父の大きな背中を見ていた。
その日は弟ブライアンの日だった。
危険じゃない現場を選んで父は子供たちに火消しの現場を見せていた。
憧れの父の雄姿を見てブライアンの瞳はキラキラと輝いていた。
ベランダからベランダへ飛び移り窓から部屋に入る。
その数秒後。
大きな轟音と紅蓮の炎が部屋を吹き飛ばした。
青年になったブライアン(ウィリアム・ボールドウィン)は転職に転職を重ね、一度断念した消防士になった。
配属は「第17分署」
かつて父が、そして今や兄スティーブ(カート・ラッセル)が隊長の部隊だ。
「今度は消防士に挑戦か?」
そんな辛辣な言葉をブライアンに浴びせるスティーブ。
何度も何度もこんな言葉を聞いてきた。
兄はいつもそうだ。
もはや嫌気さえも通り越していた。
「明日から出勤だ。遅れるなよ。」
初めての火消しの現場。
炎は思ったよりも複雑な動きを見せる。
消防士の人員削減に応援部隊はない。
炎は、消防士の動きを先回りする。
混乱する現場だがスティーブは炎を出し抜き指示をだす。
ブライアンの同期ティムはベテラン消防士アドコックス(スコット・グレン)と女性を救出する。
一方、炎の音を人の声と勘違いしたブライアンはマネキン人形を担いで降りてきてしまう。
スティーブはブライアンを家まで送る
弟をおろした車からスティーブは声をかける。
「ブライアン・・・また今夜だ。」
まるで海の中、細かい波に翻弄され岸にもどることが出来ないような弟。
そんな後ろ姿を見るスティーブの目には、どうしてやることもできない憂いが漂っていた。
魔モノのような炎。
市の人員削減の為、直近で3人もの部下が死んでいる。
心配な弟に特に厳しく訓練する兄。
だがブライアンは事あるごとに反発を繰り返すばかりだ。
次の火災現場。
子供が取り残されている。
放水隊を待たずにブライアンを連れて炎の中に飛び込むスティーブ。
炎はすすり笑うように音をたてながら呼吸する。
生き物のように狡猾な罠を仕掛ける炎。
ブライアンを拒みスティーブを炎の部屋に招き入れる炎。
放水隊がたどり着くも成すすべなく項垂れる。
そんな炎と煙の中から子供を抱えながら脱出するスティーブに格の違いを見せつけられるブライアン。
「兄さんは最高さ。」
その言葉を残し消防現場を立ち去るブライアン。
ブライアンは前々からスウェイザク議員(J・T・ウォルシュ)に斡旋されていた仕事に就くことにした。
それは火災原因を鑑定するドナルド・リムゲイル調査員(ロバート・デ・ニーロ)の助手という仕事だ。
兄の姿に父の勇ましさを見て逃げるように転職をしたブライアンだったが、リムゲイル調査員の背中もまた大きな男の背中をしていた。
「君の父は素晴らしい消防士だった。だからといって甘い顔はしないぞ。」
ここ連続する火災に共通する特徴にリムゲイルは目をつける。
それは低温の炎が酸欠状態のままくすぶり続けること。
そしてドアが放たれた瞬間、炎がその空気に向かい爆発的な呼吸をする。
バックドラフト現象だ。
「この放火犯は炎を楽しんではいない。嫌っているようだ。」
炎はバックドラフトの暴風により一瞬で消されてしまうのだ。
そんな折、スティーブの現場は高層ビルの火災だった。
新人ティムをつれスティーブは無茶を承知で応援が来る前に乗り込んでしまう。
ひとつ、ひとつ、扉を開け逃げ遅れた人がいないかを確認する。
「まずは扉の温度の確認をするんだ。」
手順を説明し弟にしてやれなかった経験を積ませようとしていた。
だがスティーブが一瞬目を離した時、ティムが無防備に扉を開けてしまう。
大きな爆音とともに吹き飛ばされるティムの防火ヘルメットは砕かれる。
そして獣のような炎はティムの顔を咥えるように襲い掛かった。
焼きただれたティムは救急搬送される。
部下たちの目は物言わずスティーブを責めていた。
被害者のティムを見て調査員の仕事に本気になるブライアン。
一方、スティーブは消防隊として自分が信じ疑わなかった信条と心の内を妻に打ち明ける。
だが、その内心は・・・彼もまた偉大な父の背中を追い求めて、もがき足掻いていたひとりだった。
その寂しさに別れた妻に会いにきていた。
放火にはバックドラフトのほかにもう一つ共通するものがあった。
それは被害者の繋がりだ。
放火犯の先を読み、ある家に駆け付けるリムゲイルとブライアン。
被害者は倒れ、ガス栓は開き、コンセントには放火装置が仕掛けられていた。
ガス栓を締めようとしたとき、放火犯が襲ってきた。
そして爆発を起こしてしまう。
ブライアンと被害者はたすけられたがリムゲイルは重傷を負ってしまう。
リムゲイルがいない中、ブライアンは放火犯を割り出すためある人物に会いに行く。
収監中の凶悪な連続放火犯ロナルド・バーテル(ドナルド・サザーランド)
バーテルは言う
「火と放火犯の接点はなんだと思うね。」
「そ、ところで君は父親が炎にまかれた時、あのケダモノの目を見たかね。」
「ふっふっふ・・・君は私と同じ世界にいるようだ。」
「放火犯もその目を知っている・・・そして火を嫌っている。ふっふっふ・・・」
犯人は・・・
あらすじ | 感想 |
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Hello.
This is Shinji
This time I wrote a review of the movie “Backdraft” released in 1991.
This movie is the story of a brother chasing “the big back of a great father.”
This movie has changed the expression of flames so far to a completely new one.
The flames of movies so far have been big, intense and flashy.
However, the “backdraft” flame behaves as cunning as a living thing.
I think the expressions of fire, water, and wind have changed since this movie.
I think it’s a very great movie.
It’s a great movie with a good mix of brothers’ drama and suspense thriller.