「MERU/メルー」の感想・レビュー(ネタばれあり)

MERU/メルーMERU/メルー
★★★★★プラス
製作・監督 ジミー・チン/エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ
撮影 ジミー・チン/レナン・オズターク
配給 Music Box Films
上映時間 87分

こんにちは、しんじです。
今回は山岳ドキュメント映画「MERU/メルー」の感想を書きます。
この映画は完全にドキュメンタリーです。
起こったことなどリアルタイムで撮影していたようです。
監督のジミー・チン自身が映画にも登場する登山チームのひとりであり、彼の構想の中ですでに映画として作り上げるつもりだったようです。
そのため、ヒマラヤ山脈のMERUにそびえるシャークフィンからの登頂を成功させるまでの出来事が事細かに撮影されています。
事実は小説よりも奇なり」という言葉があるように、この映画のストーリーは1本の創作映画を越えている内容になっています。
こんなにドラマティックな内容になっているとは思ってもいませんでした。

PukuPukuMarine
〇あらすじ&感想
感想を書く前に、まず、僕は海を潜るダイバーです。
この前提はおそらくこの映画をかなり贔屓する理由になってしまうでしょう。
スカイダイバー、アルピニスト、ダイバー、もしくは飛行士などもこの映画に親近感を覚える部分があるんじゃないかと思います。
僕など映画に登場するトップクライマーなどと比べれば、限られた安全な場所で潜っているダイバーなのですが、彼らが言っていることを少しは肌で感じることもあります。

もともと海の中は人間が生きる環境じゃないので頼れるのは器材とバディ(相棒)です。
そのバディと長年潜れば潜るだけ信頼関係が強くなっていきます。
それは依存とは違うものでそこにある信頼感が自分の心と体を自由にしてくれるのです。
その余裕が海での判断を正しいものに導いてくれます。

この映画ではトップクライマーのコンラッド・アンカージミー・チンがその関係にあります。
MERU/メルー

10年もの間、数々の山をともに登った彼らの絆はそうとうなものだと思います。
そこに新参者と言えるレナン・オズタークが参加します。
MERU/メルー

コンラッドとジミーはチームであり師弟の関係でもあります。
ジミーにコンラッドが推薦するレナン・オズタークの参加を反対する理由は何もありません。
むしろレナン・オズタークにはかなりのプレッシャーだったかもしれませんね。

そんなレナンはその想像を絶する過酷さに山頂近くで弱音を吐くようになります。
もう食料も残りわずかで、きっと明日には中止になるだろう。そう考えるとうれしかった。」と彼はインタビューで答えています。
MERU/メルー

でも翌朝、コンラッドとジミーは黙々と登山を続けるんです。

クレイジー」「ファッ〇」彼はつぶやいたかはわからないけど・・・いやつぶやいたでしょう。

そう思えるような環境下にいるのが映画を通じて感じることができます。
崖に吊るすテント(ポータレッジ)だって!??
MERU/メルー

正気じゃない!

そんな環境での登山は本当に想像を超えていました。

苦難の末の登山も山頂まであとわずか100mで断念せざるを得なくなってしまう。
コンラッドはリスクを測りにかけて選択しました。

これってかなり勇気があることだと思います。
行く勇気よりも行かない勇気のほうが難しいことってある。
「行けるはずだ」はチェレンジと無謀の両方に当てはまる言葉ですから。

この決断をするコンラッドと彼の選択に敬意を示すジミーが凄くかっこいい。

そして3年後に再チャレンジするのですが、その3年の間に起きた出来事がすさまじすぎるのです。
MERU挑戦に失敗した後、ジミーとレナンは一緒に数々の山を登り、信頼関係を築いていきます。
ある雪山の撮影でレナンが転落事故を起こし頭蓋骨陥没頸椎の骨折をしてしまうのです。
この転落事故はジミーの目の前で起きた。
MERU/メルー

そして病院で入院するレナンが安定したころに、今度はジミーが大雪崩に巻き込まれる事故にあいます。
MERU/メルー

ジミーは九死に一生を得るのだが、それが彼のに大きな影響を及ぼしてしまう。

その2人がMERUに再挑戦するまでのことが、凄くドラマティックに描かれています。
そしてコンラッドのバックストーリーも凄いものでした。

やがてこの登山に込められた意味は3つの意味を持つことになります。

成功したときのジミーの雄たけび、レナンの笑顔、そしてコンラッドの口から洩れた言葉がそれを表しています。

MERU/メルー

凄く感動しました。

映画の脚本のようなこのストーリーとこの圧倒的な映像美
きっとこの映画の虜になった人も少なくないと思う。
MERU/メルー

冒頭にも書きましたが僕はダイバーなのでちょっぴりこの映画を贔屓目でみているかもしれません。
コンラッド、ジミー、レナンが凄い人でかっこいい男に見えます。
しかし、そういうものに興味がない人には、もしかしたら愚かしい、意味のないことに思うかもしれません。
もしくはその中間点のひともいるかな。

ある意味ふり幅が大きい映画とも言えなくもないです。

ただ興味がない人は始めからこの映画を観る選択はしないでしょう。
このドキュメンタリー映画を観ようと思った人たちには大満足する映画だと確信します。

凄くお勧めの映画です。
コロナで自粛中の人にもこの映画はいいかもしれません。

この映画の映像は素晴らしいので4K・8Kテレビだったらもっとすばらしいのだろうなぁ。
MERU/メルー

僕はパソコンの画面でみても素晴らしく感じたくらいですからね。

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「スラムドッグ$ミリオネア」の感想・レビュー(ネタばれあり)

スラムドッグ$ミリオネアスラムドッグ$ミリオネア
★★★☆彡
監督 ダニー・ボイル
脚本 サイモン・ビューフォイ
配給 ギャガ
上映時間 120分

こんにちは、しんじです。
今回は2008年に注目された映画「スラムドッグ$ミリオネア」の感想を書きます。
この映画はインドのスラム街を舞台とした映画です。
映画の作りからしてインド映画のように思ってしまいますが、実はイギリス映画です。
主人公もインド系イギリス人デーヴ・パテールをキャスティングしています。
スラムドッグ$ミリオネア

なかなか異彩を放つ映画となっています。

PukuPukuMarine〇あらすじと感想
この映画はイギリスから全世界で波及したクイズ番組「Who Wants to Be a Millionaire」を題材として使っています。
日本ではみのもんたさんが司会した「クイズ・ミリオネア」が人気番組でしたよね。
ファイナルアンサー?」ってやつです。
これのインド版の番組に出演したひとりの青年が難問を答えながら賞金を獲得していきます。

スラムドッグ$ミリオネア

と同時に青年のバックストーリーが展開されていく作りになっています。

スラムで生まれ育ち、幼い兄弟2人で生きていく姿、ひとりの女の子との出会い、兄弟の決別、兄弟の再会、生き別れた女の子との再会などが描かれていきます。

スラムドッグ$ミリオネア

おそらくこの映画で一番興味深いのが、インドのスラム街だろうとおもいます。
インドという国を詳しく知る人ってそう多くはいないと思います。
とくにスラム街がどのような場所であり、そこの子供たち暮らしなどは知る由もありません。
この映画では一部ではありますが、そんな様子が描かれています。
ただ、この映画で描かれている人々の生活は本当にリアルなものなのかというと、そこはちょっとわからないところですよね。
この映画だけを見て「ああ、インドってこういう国なのだ。」と判断することはやめたほうがいいのかも。

そんな異文化の異国の国の様子は多くの人にはとても興味深く新鮮に映ることでしょう。
だけど・・・僕はちょっと受け入れることがなかなかできなかったです。
興味深いというよりも、「日本に生まれてよかった。」「この国に行きたくないなぁ。」っていうのが正直な感想だった。

スラムドッグ$ミリオネア

主人公は弟のジャマールで性格は穏やかで純粋な心を持っています。
一方兄のサリームは気性が荒い上に金銭欲が強く、金のためなら人をだますことを何とも思わない性格をしています。

スラムドッグ$ミリオネア

もしもインドのスラム出身の子供がひとりで生きていくとしたらどちらが生き残るのか?
それはもう明確ですね。
間違いなく兄のサリームです。
何が何でも生き残るサリームがいたからこそジャマールは純粋な心を持ち続けることができたのでしょう。

兄弟は雨の日に出会った女の子ラティカーと行動をともにします。
しかし悪い大人に騙されて利用されるはめに・・・
兄は弟を連れて脱走します。
そこでラティカーを捨て駒とするのです。
生き残るために。

スラムドッグ$ミリオネア

その後、人をだましながら生きていく。
やらなかったことは人殺しくらいなのでしょう。

幼い2人が13歳くらいになったころ、兄弟は生まれ故郷に戻りラティカーを探します。
ラティカーを見つけると兄は初めて拳銃で人を殺す

スラムドッグ$ミリオネア

そのおかげでラティカーは自由の身になるが、銃の力を知った兄は弟を排除してラティカーを手土産にギャングの道へ進んでいきます。

お互いに違う道を歩む兄弟。

青年になって兄弟が再会すると兄はギャングで一目置かれる存在となっている。

《ろくでもない兄だなぁ。また弟を裏切るんじゃないの?》

そんな思いが浮かぶくらいにゲスな存在として描かれています。
またキャスティングもそんな俳優さんでSo Good!!

スラムドッグ$ミリオネア

ラティカーは今やボスの女になっている。
そんなラティカーを一途に思い続けている弟ジャマール

最終的に兄サリームは自分の命を投げ出してジャマールとラティカーを引き合わせるんです。
この時、はじめて兄サリームがいつも泥をかぶっていたことに気が付く人も多いかもしれませんね。

もしかしたら弟を排除してラティカーを手土産にギャングのもとにいったのも生き残る選択だったのかも。
13歳くらいの純粋なジャマールと美人のラティカーを連れて、生きていけるだろうか?
弟は男だし一人でも生きていける。
ならばギャングの加護のもとラティカーと自分が生きることを考えたのかもしれないです。

そして青年になったジャマールならば一人の女性を守って生きていけると思って、兄サリームは命を投げ出してラティカーを託したのかもしれませんね。

スラムドッグ$ミリオネア

そう考えると真の主人公は兄のサリームなのかも。
いつも弟のために泥をかぶっていたのかもしれない。
意識的にやっていたかは不明だけど。

ん!?これってまるでラオウの生きざまのようですね。
スラムドッグ$ミリオネア

ミリオネアは、そんな兄弟の生きざまを描く上での媒体のようなもので、特に大きな意味はありませんでしたね。

ラストのラティカーとの再会はなかなか素敵な場面でした。

スラムドッグ$ミリオネア

なかなか良い映画でした。

でも先にも書いた通り、僕にはインドの不衛生さとかが受け入れがたくて少し映画に入り込めなかったですね。

幼少期のうんこまみれの場面など面白さよりもドン引きでしたから😣
それとインド映画をまねたエンドクレジット前のダンスはいらなかったかな。
スラムドッグ$ミリオネア

僕は映画の中の世界をエンドにぶち壊されるのが好きではないのです。
代表的なのがNG集みたいのね。
よくジャッキー・チェンがやっていましたよね。
アレをやられるとストーリーが完結したあとの余韻がすべて壊されてしまう感覚になります。
これは創作ですよー!」って耳元で言われる感じですね。

この映画はインドを舞台にしているだけあって、他の映画とは全然ちがう味わいがあります。
興味がある人観ても損はありません。
僕よりは感動するかもしれませんよ。
おすすめ映画です。

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「The Sunchaser 心の指紋」の感想・レビュー(ネタばれあり)

The SunchaserThe Sunchaser 心の指紋
★★★☆彡
監督 マイケル・チミノ
脚本 チャールズ・リーヴィッド
配給 ヘラルド
上映時間 122分

こんにちは、しんじです。
今回はウディ・ハレルソン主演「The Sunchaser 心の指紋」の感想を書きます。
監督はロバート・デ・デニーロとクリストファー・ウォーケンが出演した「ディア・ハンター」を監督したマイケル・チミノです
The Sunchaser

この映画はエリート医師と犯罪者のロードムービー
なかなか面白そうなシチュエーションですよね。
僕はロードムービーが結構好きなので楽しみに鑑賞しました。

PukuPukuMarine

あらすじ 感想

あらすじ
若くして出世のチャンスをものにしたエリート医師レイノルズ(ウディ・ハレルソン)
ある日彼は前科5犯凶悪犯罪者ブルーの診断を任される。

The Sunchaser

なぜならば、ブルーは末期癌に侵されていたのだ。
診断の結果、彼の命はひと月程だった。

病院は彼をお決まりのガン施設に送ればいいと判断するが、レイノルズは心無い病院の決定には素直に従えないものがあった。

それは彼の兄も16歳にして癌で命を落としていたからだ。
いや、最後の幕は兄の願いからまだ少年だったレイノルズが延命装置のコンセントを抜いたのだ。

The Sunchaser

ある日、警備の隙をついてブルーはレイノルズを人質に逃走する。
銃で脅されたレイノルズはブルーを乗せてネイティブアメリカン-ナバホ族の保留地へ車を走らせることになる。

出世のチャンスだった夜を不意にされた上、銃を突き付けられ運転手をさせられるレイノルズは穏やかじゃない。

身勝手な犯人ブルーに反発を抱きながら2人の旅は始まった。

The Sunchaser

だが居留地までの長い道のりはブルーの体力を奪っていく。

祈祷師が言ったんだ。聖なる山の頂には湖がある。そこに入れば全てを治してくれる。

それが在ればいいだろうさ。だがそんなものはどこにもない。当てのない話だ。病院へ行こう。

あんたは何もわかっちゃいない。

そんな会話が繰り返される旅だった。

The Sunchaser

居留地まであと80km、ついにブルーの身体に限界の兆しがあらわれた。

死んでしまうぞ!病院へ行くべきだ。

今回ばかりはブルーの威圧にも屈しなかった。

もういい。ここからは俺一人で行く。あんたを解放してやる。

だがブルーの身体には直ぐにでも抗生物質の投与が必要だった。

レイノルズはひとりの人間として、どうしてもブルーを見殺しにすることができなかった。

彼は近くの病院に行き、必要な薬を得るために罪を犯してしまう。

The Sunchaser

警察、FBIの認識は人質レイノルズから犯罪者レイノルズへと変わってしまった。

彼は何のために「聖なる山」を目指すのだろうか。

そこには何の意味があるのだろう。

The Sunchaser

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あらすじ 感想

感想
この映画は幸福なエリート医師ゴミ溜めを生きて犯罪者となった真逆な2人が旅をするロードムービーだけど、最終的には「死について哲学的な意味合いを持つ内容となっています。

これはマイケル・チミノ監督の心にある哲学的な部分を映画にしたものだろうと思う。

もうネイティブアメリカンが出てきたところで何となくわかった人もいるかもしれませんね。

つまりは「調和」だと思うのです。

全ては調和のもとに成り立つもの。

この世は不意に多くのものを与えて、多くのことを奪っていく。
それは悲しいことではあるが、決して不幸なこととは限らない

解りやすく言えば、おそらくは「死にざま」ではなくて「生きざま」ということなのだろう。

きっとマイケル・チミノ監督は延命治療などを凄く否定する人なのでしょうね。
もしかしたら安楽死を肯定しているのかも。

そのような要素がこの映画にもありました。

兄の意志のまま延命装置のコンセントを切った。
罪を犯してでもブルーを助けて「聖なる山」を目指した旅路。
この2つは同じことなんですね。

「聖なる山」とは生の終着駅なんだと思うのです。
レイノルズは「ブルーが望んだ死に際」を助けてあげたんです。
そして、これらの事柄は、幼い自分が兄を殺したのではなく、兄の尊厳を守った事だと気付かせてくれたのです。

君に救われた。

レイノルズの言葉にはそういう意味が込められています。

The Sunchaser

そして実は兄の「尊厳」が込められた指輪をブルーに渡します。
とても胸が熱くなる場面でした🔥

映画の内容としてはとても良いものでした。

ただ、そんな良い内容の映画が、いま一つ心に響かなかった

たぶん、それはブルーの人物像なのだとおもう。
ちょっとブルーに対して掘り下げが足りない気がします。

さっきも書いた通り「死に際」に満足するってことは。それなりの「生きざま」を示す必要もあると思うのです。
それは「大きなことをやり遂げた」ことではなく、自分の中で納得できる生き方ができたかだと思う。
ブルーは果たして納得いく「生きざま」だったのだろうか?

家庭環境からお決まりの犯罪者となってしまった彼は納得いく「生きざま」を示すことができたか?
この辺をもう少し深く掘り下げてほしかった。
悪いことはしたけど、自分はこれだけは心に誓って守ってきたんだ。」ってものを見せてほしかったなぁ。

この映画は最後の最後まで湖がブルーの病気を治すという前提のまま終わってきます。
もしかして映画を観た人によって、この映画のとらえ方は様々なのかもしれません。

だからここに書いた事は僕の個人的な解釈ってことです。

ロードムービーから「」という難しいテーマを扱った興味深い映画だと思いました。
そして自分なりの解釈を心に思い描くのが面白いですよ。
お勧めですよ。

それにしてもこんな感じでオーダー取りに来たら目のやり場に困ってしまいますね💘
The Sunchaser

あらすじ 感想
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「500ページの夢の束」の感想・レビュー(ネタばれあり)

お知らせ:4月からドメインを変更しました。
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English🇬🇧
500ページの夢の束500ページの夢の束
★★★★☆彡
監督 ベン・リューイン
原作・脚本 マイケル・ゴラムコ
配給 キノフィルムズ
上映時間 93分

こんにちは。
しんじです。
今回はダコタ・ファニング主演「500ページの夢の束」の感想を書きます。
この映画は2017年の映画です。
宇宙戦争」のころはダコタ「ちゃん」という女の子でしたが、もう立派な女性になっています。
DVDパッケージを見たときダコタ・ファニングだと気づきませんでした。
ストーリーは自閉症の女性が夢を追い求めるロードムービー。
ちょっと惹かれるものがあったので鑑賞いたしました。

PukuPukuMarine

あらすじ 感想

🚦あらすじ
500ページの夢の束

ウェンディ(ダコタ・ファニング)はキーボードをたたく。
彼女が書いているのは「スタートレック」の脚本だ。
なにせスタートレック脚本コンテストまで7日を過ぎている。
賞金はなんと10万ドル!

500ページの夢の束

一刻でも早く脚本を仕上げたい。

でもウェンディにはやらなければならないことがある。
朝起きたらベッドを整理して、シャワーを浴びる。
曜日ごとに決められた色の服を着る。

決められた道を決められたとおりに歩く。

ああ、マーケット通りだけは渡ってはいけない。

そしてシナモンロール専門店で働くのだ。

500ページの夢の束

仕事が終わって帰る場所はベイ・エリア自立支援センター。
彼女はそこの入居者。

自閉症のウェンディは同居していた姉の妊娠を機にこのセンターの入居者となった。

毎日の日課に追われ、彼女の脚本が仕上がったのは締め切り3日前のこと。

今日は土曜日、明日は郵便集荷がない、月曜日は祝日・・・

500ページの夢の束

だめだ、間に合わない!

パニックになりそうな自分を落ち着かせて、彼女が考えた答え。

バスでいけばいい。ロサンゼルスまで!

ロサンゼルスまでいくらかかるのだろう。
バスはどのバスに乗ればいいのだろう。
時間はどれくらいかかるのだろう。
途中で何かあったらどうしよう。

何もかもわからないことだらけ。

不安で頭がいっぱいだ。

でも脚本を届けたい

夢を追い求める彼女の心は、あの渡ってはいけない「マーケット通り」を越えていく。
500ページの夢の束

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あらすじ 感想

🚥感想
すごく前向きで好きな映画です💚

本当はやりたいことがあるのに「どうせ自分は」「もうこの年齢になって」とか最近後ろ向きになった人が観たらきっといい。
何となく前を向けそうな、少なくとも斜め前くらいは向けるかも。

ハンディキャップがあっても脚本を届けて自分自身のチャンスをつかもうとする彼女の姿に勇気づけられます。

健常者の人なら脚本を苦労して書きあげ、あとは郵送するだけでチャンスの土俵にのれてしまう。
でも彼女は違う。
その土俵に乗るまで自分が経験したことのないいくつもの試練を乗り越えていく。
その象徴がマーケット通りだ。

その夢を追い求める想い、そして彼女の心の内の思いが勇気になっていく。

僕は自閉症の方と働いたことがあるから、彼女の苦労や周りの人の苦労が少しわかります。
僕が知る自閉症のMさんは、物事を順序だてないとできない人でした。
1,2,3,4、〇、6,7、8、○、10
この番号を前から読んでいく。
僕なら4の後の〇を飛ばして6に進みます。
だけどMさんは4の後に〇があると1に戻ってしまいます。
〇がルールから外れてしまっているから最初からやりなおすのです。

こういうことがわかるだけでこの映画のウェンディが持つノートの大切さがわかる。

500ページの夢の束

彼女はノートに書くことでルールを(世界を)updateしているのです。

彼女が追剥ぎにあったとき「ノートだけは返して」と叫んだのもすごく納得できます。

映画の世界は彼女に甘い世界ではなかった。
そのたびに彼女は現実に負けそうになるけど、何とか乗り切っていく。

その彼女の苦労に映画の雰囲気が暗くならないのが良いですよね。
それはいつでも彼女が前を向いているからだと思います。

すごく応援したくなります。

そしてなぜ彼女がスタートレックに夢中になって脚本を書くほどに空想するのかが、あとになってわかります。

「なるほど」と思いました。

ラスト場面ではウェンディがパラマウントスタジオに同行者なしで入っていくところに大きな意味を見出しています。

500ページの夢の束

時々、この手の映画は主人公の身勝手さにイライラしてしまう悪い作品がありますが、この映画とっても応援したくなる良い映画です。
まぁ、支援センター所長の苦労は気の毒でしたけど。

ウェンディの前向きに90分心惹かれる映画になってます。
すごくお勧めですよ。

そうそう、この映画の邦題「500ページの夢の束」は良いタイトルですね。
凄くセンスがいいと思います。
こういうセンスがよい邦題なら大歓迎ですね。

あらすじ 感想
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Review of Movie
Hello.
This is Shinji.😊
This time I wrote a review of “Please Stand By” starring Dakota Fanning.
This movie is a movie about a woman from autismt traveling to Los Angeles.
The movie depicts her hoping for a chance to make her dream come true.
It makes you a positive mind.

Her cinematic world presents her with various challenges.
She fails, is stripped …
But the movie doesn’t have a dark atmosphere.
Because it conveys her positive heart.
The script is wonderful.
And the acting of Dakota Fanning is wonderful.

Nowadays, negative people should start by watching this movie and moving diagonally forward.
500ページの夢の束

「キャスト・アウェイ」の感想・レビュー(ネタばれあり)

English🇬🇧
キャスト・アウェイ
キャスト・アウェイ
★★☆彡☆☆
監督 ロバート・ゼメキス
脚本 ウィリアム・ブロイルズ・ジュニア
配給 20世紀フォックス/ドリームワークス
上映時間 144分

こんにちは、しんじです。
今回は、トム・ハンクス主演「キャスト・アウェイ」の感想を書きます。
この映画は2000年の映画です。
ロバート・ゼメキス&トム・ハンクスのタッグは1994年の「フォレストガンプ/一期一会」以来2回目となります。
キャスト・アウェイ

僕はトム・ハンクスがあまり好きではないので、この映画は今回が初鑑賞となります。
一人の男が無人島に取り残されたという漠然とした情報しか持っていません。
さてさて・・・
PukuPukuMarine

あらすじ 感想

🌊あらすじ
物流会社フェデックス社のチャック・ノーランド(トム・ハンクス)は飛行機にて長距離移動していた。
だが飛行機の機器的トラブルに飛行機は失速、海面への強硬不時着をする。

飛行機は嵐の海で大破!

運よく一命をとりとめた彼は救命ボートで漂流する。

気が付くとそこは小さな無人島だった。
キャスト・アウェイ

大きな文字で「HELP」と書いたものの上空に飛行機が飛ぶ気配がない。
乾いたのどを何とかヤシの実で潤わせる。

数日たったある夜、海の果てに見える小さな明かり。
おそらく船であろう。

夜が明け彼は半分壊れた救命ボートを漕ぐ。
キャスト・アウェイ

だが、リーフにより波はことさら大きくなる。
大波は行く手を阻むように彼を海に叩き落す。

海に生えるコーラルが大腿部を突き刺す。

キャスト・アウェイ

彼は空腹となる。
捕まえた指の先ほどの小魚を生で食べるも腹を満たすことができない。
浜にいるカニでさえ生で食べれば腹を壊し体力を失わせるだろう。

火だ。

サバイバル番組でやっていた火おこしを見よう見まねで行ってみる。
だが簡単に火など起こせるはずもない。
逆に手を負傷して、頭に火が付くばかりである。
キャスト・アウェイ

ちくしょーっ!

だが、偶然にも火おこしのヒントを得、火をおこすことに成功。

道具を作り、火をおこし、原始の生活を開始する。
キャスト・アウェイ

4年の歳月が流れた。

ノーランドの話し相手は顔の書かれたバレーボール。
キャスト・アウェイ

名はウィルソン。
ウィルソンと語り過ごした4年。

ある日、島に漂着した仮設トイレの残骸。
ノーランドはこの人工物を船の帆にすることを思いつく。
早速、イカダを作る。
そして、行く手を阻む大波を乗り越えるのだ。
ウィルソンとともに。

そして愛するケリー(ヘレン・ハント)のもとに帰るのだ。

キャスト・アウェイ

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あらすじ 感想

🌊感想

まぁ、無人島の部分は楽しめたかな。

無人島にたどりついたノーランドを見て、〈あれやればいいんじゃない?〉〈ああ、それはダメなやつだよ。〉と心の内でつぶやきながら楽しめます😄

例えば、ノーランドが海の浅瀬を歩くのですが、ダイバーである私からするとヒヤヒヤものです。
ああ、まずは靴とか身を守るものをつけなきゃだめだ
案の定、岩で足の裏を傷つけます。
キャスト・アウェイ

そして靴らしきものを作ります。

そんな感じでひとつひとつ身をもって体験しながらクリアしていくノーランドをゲーム感覚で楽しむことができます。

ヤシの実を割る描写などは、人は道具を使える生き物なのだということを表していて面白かったです。
キャスト・アウェイ

火おこしの場面も簡単に火など起こせるはずもなくて、自分の手が傷ついて癇癪を起す場面などは共感できて笑えました。
物にあたりたくなるよね~。わかる。わかる。
そうそう叫びたくなる。
キャスト・アウェイ

そして火が付いた時の浮かれようも、すごく共感できました。
きっと自分もあんな風に浮かれて火の回りで喜びの舞とかしてしまうかも。

沖に出ようとして波に阻まれる場面では、心配していた通り、ハードコーラルで体を傷つけました。
そう、「ロストバケーション」を思い出すような痛さです。
キャスト・アウェイ

思わず「痛いっ!😫」って言ってしまいました。

でも、これらのどれもがこちらの想定内の出来事なのですよ。
だからこそ共感もできるのですが、それ以上にびっくりするような楽しみがないのです。

それと僕が一番突っ込みたいのは大腿部をあれだけコーラルで傷つけたら、かなりやばい状況になるってことです。
抗生物質がない状況であんな大ケガは、実は命に係わるものだってことです。
サバイバルで大切なことは飲み水もそうですが、自分の実を傷つけてはいけないってことだと思います。
一刺しの傷が生死に直結します。

そのような部分を吹っ飛ばしているのが、ちょっと適当すぎかなって思いました。

ちょっと話はそれますが、この無人島の生活でバレーボールをウィルソンと名付けて生活するのですが、その場面を見てわかりました。
アニメ「ヒナまつり」のネタってこの映画から来ていたのですね。
キャスト・アウェイ

このウィルソンは他の作品でも結構ネタにされているらしいですね。

さて、映画では一気に「4年後」と字幕が出て時間をすっ飛ばします。

僕が思っていたよりも早めに救出されて元の社会に戻っていきました。

僕は、ここから先に無人島で長年過ごしてしまった彼の人生観の変化が描かれるのかと思いました。

しかしストーリーの焦点は恋人ケリーに絞られました。

でもなんか共感できなかったなぁ。
たしかに彼女を生きる糧にしていた4年の歳月だったけど、「彼女はすでに自分の人生を歩んでいるだろう。」ってことは予想できるし、ある程度はあきらめの気持ちも整理できていたはずです。

それを自宅に押し掛けるかなぁ。
俺だったら亭主がわざわざ訪ねてきたのだから、[会わない。]です。
これは人それぞれかな。

それとケリーが追いかけてくる場面。
ここでケリーが言います。
キャスト・アウェイ

私はあなたを愛していた。だけど周りがあきらめろって・・・

ここだけやけにリアルなものを持ってきたと感じました。
ちょっとずるい言い訳

押し掛けてきた男と言い訳する女。
ちょっとあまり良い感じはしませんでした。

さらにノーランドが最後まで開けなかった荷物の伏線回収を行います。

自らの手で届けに行く。
その道端でその荷物の持ち主であろう女性と出会います。

そして人生の選択を迫られるクロスロード。
キャスト・アウェイ

軽い笑みで女性の家のほうを向きます。

正直、キモイって思ってしまった。

なんだろう。
この先を生きる選択にまずは女の選択から始めるところがキモイというか、いや薄っぺらに見えてしまうんですよね。

これなら焦点は恋人ケリーではなく、「時間こそが人生」みたく生きていた彼の人生観が無人島で変わったのは確かなのだから、そこを上手に描くラストであってほしかったです。

まぁ、原作ありきの映画に文句言っても仕方がないのですけどね。

ただ映画として救出されてからがすごく下手だったなって思いました。
仮にイーストウッドが監督したならば、もっと短い時間でそしてシンプルにジンワリくるようなエピソードを持ってくると思いますよ。

それでも酷いというほどでもなく当たり障りのない感じの映画、強いて言えば上映時間が長すぎるのが悪いくらいです。
僕の評価は2.5です。
時間が空いた日を選んで観たらよい映画だと思います。

そうそう、この撮影でトム・ハンクスはかなり体重を減らして撮影したようですね。
中盤までトム・ハンクスはけっこうなおデブさんですが、無人島で4年を過ごした後はすごくスマートになっています。
キャスト・アウェイ

あらすじ 感想
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Review of Movie

Hello.
This is Shinji.😉

This time I wrote a review of “Cast Away” starring Tom Hanks.
Tom Hanks is not my favorite actor.
That’s why I watched this movie for the first time.

I enjoyed the scene on the uninhabited island a little.

キャスト・アウェイ

However, there was no story development that exceeded my expectations.
The post-rescue episode wasn’t very good.

〇 Norland visits Kelly’s house.
〇Kelly makes an excuse.
〇 Norland finds a new woman at the end.

I couldn’t sympathize with these at all.

He must have changed his outlook on life on an uninhabited island.
I think I should have portrayed that in a better episode.