スラムドッグ$ミリオネア
★★★☆彡☆
監督 ダニー・ボイル
脚本 サイモン・ビューフォイ
配給 ギャガ
上映時間 120分
こんにちは、しんじです。
今回は2008年に注目された映画「スラムドッグ$ミリオネア」の感想を書きます。
この映画はインドのスラム街を舞台とした映画です。
映画の作りからしてインド映画のように思ってしまいますが、実はイギリス映画です。
主人公もインド系イギリス人デーヴ・パテールをキャスティングしています。
なかなか異彩を放つ映画となっています。
〇あらすじと感想
この映画はイギリスから全世界で波及したクイズ番組「Who Wants to Be a Millionaire」を題材として使っています。
日本ではみのもんたさんが司会した「クイズ・ミリオネア」が人気番組でしたよね。
「ファイナルアンサー?」ってやつです。
これのインド版の番組に出演したひとりの青年が難問を答えながら賞金を獲得していきます。
と同時に青年のバックストーリーが展開されていく作りになっています。
スラム街で生まれ育ち、幼い兄弟2人で生きていく姿、ひとりの女の子との出会い、兄弟の決別、兄弟の再会、生き別れた女の子との再会などが描かれていきます。
おそらくこの映画で一番興味深いのが、インドのスラム街だろうとおもいます。
インドという国を詳しく知る人ってそう多くはいないと思います。
とくにスラム街がどのような場所であり、そこの子供たち暮らしなどは知る由もありません。
この映画では一部ではありますが、そんな様子が描かれています。
ただ、この映画で描かれている人々の生活は本当にリアルなものなのかというと、そこはちょっとわからないところですよね。
この映画だけを見て「ああ、インドってこういう国なのだ。」と判断することはやめたほうがいいのかも。
そんな異文化の異国の国の様子は多くの人にはとても興味深く新鮮に映ることでしょう。
だけど・・・僕はちょっと受け入れることがなかなかできなかったです。
興味深いというよりも、「日本に生まれてよかった。」「この国に行きたくないなぁ。」っていうのが正直な感想だった。
主人公は弟のジャマールで性格は穏やかで純粋な心を持っています。
一方兄のサリームは気性が荒い上に金銭欲が強く、金のためなら人をだますことを何とも思わない性格をしています。
もしもインドのスラム出身の子供がひとりで生きていくとしたらどちらが生き残るのか?
それはもう明確ですね。
間違いなく兄のサリームです。
何が何でも生き残るサリームがいたからこそジャマールは純粋な心を持ち続けることができたのでしょう。
兄弟は雨の日に出会った女の子ラティカーと行動をともにします。
しかし悪い大人に騙されて利用されるはめに・・・
兄は弟を連れて脱走します。
そこでラティカーを捨て駒とするのです。
生き残るために。
その後、人をだましながら生きていく。
やらなかったことは人殺しくらいなのでしょう。
幼い2人が13歳くらいになったころ、兄弟は生まれ故郷に戻りラティカーを探します。
ラティカーを見つけると兄は初めて拳銃で人を殺す。
そのおかげでラティカーは自由の身になるが、銃の力を知った兄は弟を排除してラティカーを手土産にギャングの道へ進んでいきます。
お互いに違う道を歩む兄弟。
青年になって兄弟が再会すると兄はギャングで一目置かれる存在となっている。
《ろくでもない兄だなぁ。また弟を裏切るんじゃないの?》
そんな思いが浮かぶくらいにゲスな存在として描かれています。
またキャスティングもそんな俳優さんでSo Good!!
ラティカーは今やボスの女になっている。
そんなラティカーを一途に思い続けている弟ジャマール。
最終的に兄サリームは自分の命を投げ出してジャマールとラティカーを引き合わせるんです。
この時、はじめて兄サリームがいつも泥をかぶっていたことに気が付く人も多いかもしれませんね。
もしかしたら弟を排除してラティカーを手土産にギャングのもとにいったのも生き残る選択だったのかも。
13歳くらいの純粋なジャマールと美人のラティカーを連れて、生きていけるだろうか?
弟は男だし一人でも生きていける。
ならばギャングの加護のもとラティカーと自分が生きることを考えたのかもしれないです。
そして青年になったジャマールならば一人の女性を守って生きていけると思って、兄サリームは命を投げ出してラティカーを託したのかもしれませんね。
そう考えると真の主人公は兄のサリームなのかも。
いつも弟のために泥をかぶっていたのかもしれない。
意識的にやっていたかは不明だけど。
ん!?これってまるでラオウの生きざまのようですね。
ミリオネアは、そんな兄弟の生きざまを描く上での媒体のようなもので、特に大きな意味はありませんでしたね。
ラストのラティカーとの再会はなかなか素敵な場面でした。
なかなか良い映画でした。
でも先にも書いた通り、僕にはインドの不衛生さとかが受け入れがたくて少し映画に入り込めなかったですね。
幼少期のうんこまみれの場面など面白さよりもドン引きでしたから😣
それとインド映画をまねたエンドクレジット前のダンスはいらなかったかな。
僕は映画の中の世界をエンドにぶち壊されるのが好きではないのです。
代表的なのがNG集みたいのね。
よくジャッキー・チェンがやっていましたよね。
アレをやられるとストーリーが完結したあとの余韻がすべて壊されてしまう感覚になります。
「これは創作ですよー!」って耳元で言われる感じですね。
この映画はインドを舞台にしているだけあって、他の映画とは全然ちがう味わいがあります。
興味がある人観ても損はありません。
僕よりは感動するかもしれませんよ。
おすすめ映画です。
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