「ビッグ・アイズ」の感想・レビュー(ネタバレ有り)

ビッグアイズビッグアイズ
★★★★☆彡
監督 ティム・バートン
脚本 スコット・アレクサンダー、ラリー・カラゼウスキー
配給 ギャガ
上映時間 106分

こんにちは、しんじです。
今回は2014年の映画「ビッグ・アイズ」の感想を書きます。
この映画は1970年アメリカで実際に起きたゴーストペインター騒動をもとにストーリーが作られています。
主演はエイミー・アダムスと僕のお気に入りのクリストフ・ヴァルツです。
PukuPukuMarine

あらすじ 感想

〇あらすじ
時は1958年
当時のアメリカは男性優位の時代であり女性は社会的に弱者だった。
マーガレット(エイミー・アダムス)は横暴な亭主から娘を連れて逃げた。
移り住んだ娘と2人暮らし。
生計を立てる仕事をしつつもマーガレットは休日に自分の描いた絵を公園で展示し、同時に似顔絵を描いていた。
彼女の描く絵は大きな目をしている。

ビッグアイズ

それは彼女独自の表現方法であった。
ある日、同じように公園で自分の描いた風景画を売るウォルター・キーン(クリストフ・ヴァルツ)に出会った。

ビッグアイズ

彼はとても明るく前向きな男性だった。
マーガレットとウォルターが惹かれあうのに時間は必要としなかった。
ほんの2回のデートでマーガレットは彼と結婚をする。

ビッグアイズ

そこには娘の親権得るために打算的なところもあったが、ウォルターの魅力が大きかった。
売れない画家同士成功を夢見る日々。
ウォルターは名案を思い付く。
殺風景な飲み屋の壁をかりて自分たちの描いた絵を多くの人に見てもらおうというのだ。
その考えが功を奏し絵が大きな注目を浴びていく。

マーガレットの描いた絵だけが。

しかしマーガレットは次々と売れていき大金を生み出す可能性を秘めていた。

ビッグアイズ

ウォルターは自分が営業、マーガレットは描く係として夫婦で成功を収めようと提案する。
自分の絵が評価され売れていくことに何の不満があろうか、マーガレットはウォルターにすべてを任せる。
ある日、バーでウォルターが絵の売買交渉をしている場で耳を疑う言葉を聞いた。

ビッグアイズ

ウォルターはこう言ったのだ。

目は心の窓だ。だから僕は目を大きく描くんだ。

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あらすじ 感想

〇感想
余計なところを省いてすごく解りやすくマーガレットとウォルターを描いている映画です。

その時代の男性優位の社会をさりげなく伝えているのも良いです。

最近の映画ではこういう部分が凄く強調されて「社会とはこうあるべきだ」って押しつけがましいところがありますものね。
ただ、全体的な映像から1960年代らしいさがあまり伝わらないために、うっかり昔の時代の話だということを忘れてしまいます。
マーガレットにじれったさを感じてしまうのも、ついつい時代を忘れてしまうからでしょう。

先に述べたように解りやすいストーリーにしているため、ところどころ突っ込み入れたくなる部分もありました。
例えば、マーガレットがウォルターは絵を描かないという事実を気付くとかね。
芸術家同士の夫婦でそれはあり得ないと思うのは私だけでしょうか?
もし実際にマーガレットがそう証言していたとしたら、その辺は法廷を優位に進めるためのものだったかもしれませんね。

この映画の最大の魅力はやはりクリストフ・ヴァルツの演技にあると思っています。
彼はやはり話術でひとの心を動かす役が凄く上手ですね。
マーガレットと出会ったばかりのときは凄く前向きで幸せへ導いてくれる男
そしてビジネスが成功するにつれて、だんだんと金の亡者的ないやらしさがでてくる。
こういう人間の心の奥にある黒いものを表現するのがめちゃくちゃ上手な俳優さんです。
この魅力ある演技はタランティーノ監督「イングロリアス・バスターズ」でも見られます。
もし見ていない人は騙されたと思って観てみてください。

イングロリアス・バスターズ

この映画最初はウォルター役をライアン・レイノルズで予定していたらしいですが、僕はクリストフ・ヴァルツで大正解だったと思います。

それにしても法廷で絵を描く場面で「あ、腕が痛い。」は笑えましたね。

ビッグアイズ

この辺はさすがに創作ですよね??

しかし史実のウォルターの最後は無一文だったらしいですが、映画で見る限り彼にはビジネスの才能はあったのにどうしたのでしょうね。

ビッグアイズ

不動産は成功していたし、実際にマーガレットの絵画があそこまで有名になり大きな富を生み出したのは彼の才能があったからこそだと思うのです。
やっぱり嘘をついていたということで社会的信用がまるっきりなくなったのでしょうか?

一方マーガレットはその後、ウォルターへの恨みは持ってはいないということですよ。
現在もご存命です。

ビッグアイズ

映画の中でマーガレットはウォルターの嘘は自分も共犯という脅迫概念もあって真実を言えず、真実を話せば富をも手放すことへの危惧などもあったようです。
社会の背景は変われど、このような理由で今このときもゴーストとして活躍しているアーティストはいるのかもしれませんね。

106分という程よい上映時間ですし、とても面白い映画でしたよ。
とてもおすすめの映画です!

あらすじ 感想
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「ザ・マスター」の感想・レビュー(ネタばれあり)

ザ・マスター
ザ・マスター
★★☆☆☆
監督・脚本 ポール・トーマス・アンダーソン
配給 ファントム・フィルム
上映時間 143分

こんにちは、しんじです。
今回はホアキン・フェニックス主演「ザ・マスター」の感想を書きます。
Amazonプライム動画で評価が高かったので観てみました。
予告では宗教によって心を救おうとする男と救われた男、しかし・・・みたいなミステリアスで面白そうでしたので鑑賞してみました。
ホアキン・フェニックスも尖った演技してるいる印象でした。

PukuPukuMarine

あらすじ 感想

〇あらすじ
第二次世界大戦において心に傷が残る男フレディ・クエル(ホアキン・フェニックス)は戦争が終わったのち、社会に適合できずにいた。

ザ・マスター

仕事はトラブルを起こし長続きしなかった。

ある日、フレディは忍び込んだ船でランカスター・ドット(フィリップ・シーモア・ホフマン)と出会う。

彼の精神科学の思想は多くの人々の信望を集めていた。

全てにおいて「どうでもよかった」フレディは最初こそ、その思想を嘲笑する思いをもっていたが、次第にランカスターのカリスマ性に惹かれ始める。

ザ・マスター

そしてランカスターも信仰とは違うモノサシで自分の本質を見るフレディに友情を感じていく。

だが、ランカスターの妻ペギー(エイミー・アダムス)はフレディを受け入れることはできなかった。

ザ・マスター

ランカスターの思想に集う集団はやがてペギーの思い描くカルト的なものになっていく。

フレディの心はやがて集団と決別していく。
ザ・マスター

ランカスターは別れゆくフレディの思いをとどめようとはしなかった。

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あらすじ 感想

〇感想
はっきりいってどう評価すべきかわからない作品。

単純におもしろいか?おもしろくないか?と聞かれれば「おもしろくない。
特別感動するわけでもなかった。

ただ、中盤くらいまでみると、最終的にフレディ・クエル(ホアキン・フェニックス)とランカスター・ドット(フィリップ・シーモア・ホフマン)がどうなるのか気になってしまうことは確かだった。

ザ・マスター

映画全体のテンションはかなり低いので143分という時間は限りなく長く感じてしまう。
僕も2度ほど瞼が閉じました。Zzz・・・

スピリチュアルな思想により人々の信仰を集めるランカスターにフレディは確かに傾倒している。
しかし、フレディの心はスピリチュアルな思想に穿うがった思いでいるのです。

フレディが傾倒しているのはその思想ではなくランカスターという人間そのものだということ。

それがこの映画を興味深いものにしているのだ。

ランカスターも一見思想を信じているようで、実はそうではないフレディに気づいている。
だからこそランカスターはフレディ・クエンをひとりの人間として友情を感じている。

そしてランカスターが精神的な障害を負ったフレディを救いたいという思いもまた本物なのだ。

ザ・マスター

その屈折した2人の関係性が面白い。

人と人の関係や思いは見えるもの、考え付く事柄だけではない。
そのような事を描いている映画です。

故にこの映画の評価は低くつけたが駄作とはいいがたい映画です。

そしてこの映画でのホアキン・フェニックスの演技が素晴らしいと思いました。
心の内面がその目、口の動きひとつで感じ取ることができるのだ。

もしもホアキン・フェニックスという俳優が大好きな人はこの映画を観て絶対に損はないと思います。
そういう意味ではコアな映画だ。
一般的にはお勧めとは言えない映画ですが、一度見始めると物語の終着がとても気になる映画です。

あらすじ 感想
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「ムーンライト」の感想・レビュー(ネタバレあり)

English
ムーンライト
ムーンライト
★★★☆彡
原作 タレル・アルヴァン・マクレイニー
監督・脚本 バリー・ジェンキンス
配給 ファントム・フィルム
上映時間 111分

こんにちは、しんじです。
今回は「ムーンライト」の感想を書きます。
この映画は第89回アカデミー賞で作品賞・助演男優賞・脚色賞を受賞しています。
知人からの情報で「ゲイの男性の物語」とだけ聞き、ずっと遠ざけてきた映画です。
ただ「グリーンブック」にてマハーシャラ・アリの存在感に魅了💚されたので、この映画を観るに至りました。
さて、さて・・・大丈夫かな。
PukuPukuMarine

あらすじ 感想

〇あらすじ
1. リトル
内気な少年シャロンは地域の少年のいじめにあっていた。
いじめっ子から逃げているシャロンを助けたのは、この地域で縄張りを張る麻薬売人のフアン(マハーシャラ・アリ)だった。

ムーンライト

彼は少年に温情をかけ恋人テレサジェネール・モネイ)の家に連れていく。

やさしく接するフアンとテレサにシャロンの心はわずかに開いていく。

シャロンから家の住所を聞き出し家まで送るが、母ポーラは麻薬中毒の上、家で売春まがいのことをしていた。

学校にも家にも居場所を持たない少年の心は、フアンとテレサを求めた。

フアンは少年と長い時間をともにする。

ムーンライト

それは父と子のような関係でもあった。

ある夜、フアンが自分の客と麻薬に溺れるポーラを見かける。

あんた偉そうに説教するのかい。あんたから買った麻薬だ。あんたがやめろって言っても私はあんたから買ってやる。

翌朝、家で麻薬に溺れる母を憎む心情をフアンに告白するシャロン。

その麻薬を打っているのはフアンなの?

そう質問されたフアンは恥知らずな自分をあらわにされる思いになった。

ムーンライト

2. シャロン
思春期を迎えたシャロンは相変わらず地域の少年のいじめにあっていた。
母も相変わらずで、むしろ未だにシャロンが安らぎを求めるテレサに対して嫉妬していた。

ファンは死んでいた。

自分の感情の出し方を解らないシャロンは性に対する鬱屈うっくつした思いに悩んでいた。

ムーンライト

ある月夜、ビーチにて自分の今、この先を語り合う友ケヴィンとの時間。

ふとシャロンの心に押し寄せる性への衝動は垣根を越えてしまう。
唇は重なり指先は砂浜に深い爪跡を残した。

ムーンライト

翌日、シャロンの存在を疎ましく思ういじめっ子のテレルは、儀式としてケヴィンにシャロンを倒れるまで殴れと命令する。

大けがを負ったシャロンを大人たちは社会の常識から救おうとする。

そんな常識では自分を守れないと悟ったシャロンは教室にいるテレルの背後から頭にめがけて重く大きな椅子を振り下ろした。

ムーンライト

ブラック
大人になったシャロンは筋肉たくましく歯に金のグリルを装飾する麻薬売人のボスになっていた。
もう誰にも自分の心を犯させないとばかりにタフに生きるシャロン。

ムーンライト

そんなある日、一本の電話が鳴る。
マイアミのケヴィンからの電話だった。

儀式後、少年院に入っていたシャロン。

ケヴィンとの久しぶりの会話に言葉は思うように出なかった。

謝罪と軽い身の上話、そしてマイアミに来た際には料理人となった自分がごちそうすると約束をする。

マイアミの小さな料理店のカウンター席にすわるシャロン。

ムーンライト

コーヒーを運んでくる男性の目が驚きとともに「シャロンか?」という言葉を発する。
ケヴィンはうつむくシャロンに、「その癖は昔と同じだな」と悪態をつきながらお勧め料理を作り始める。

ムーンライト

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あらすじ 感想

〇感想
ひとりの男性の少年期・思春期・成人期を綴った3部構成の映画です。

まぁ、そうですねぇ・・・普通に観ました。

多分、いまのアメリカの賞レースの傾向なのでしょうね。

時代時代の背景
が如実にあらわれる賞レースです。

今は、とかくLGBTと人種差別に関する作品が賞レースを獲得する傾向が多いようです。

はっきり言ってこの映画はアカデミー賞受賞作品としてハードルを高くすると肩透かしを食らう作品です。

「よーし!感動するぞー!」って意気込んで観てはいけない映画です。

僕の場合は「ゲイ」というキーワードがあるため、少し遠巻きに鑑賞したからそこそこ楽しめたといえるでしょう。
※「ゲイ」に少し偏見を持ってます。昔、追いかけられて怖い目にあったことがあるので・・・

ただ、この映画の良いところはカメラワークが素晴らしく美しいことです。
フィルムの規格を変えているのか特殊効果なのか専門的なことはわかりませんが、映像の残像的なものが凄く綺麗ですね。

あとレストランの場面でもわかるとおり、ドアベルの音と共に音楽を流す感性が凄く豊かです。
ムーンライト

そういう芸術的な感性が感じられる映画です。

ストーリーとしては「1.リトル」が一番興味深く、これはマハーシャラ・アリの存在感がものすごく大きかったと思う。

ムーンライト

悪の間では恐らく恐れられていた人物なのでしょう。
しかし少年に接するフアンは誰よりもやさしく心強い男なのです。

この怖くやさしい男をマハーシャラ・アリが魅力たっぷりに演じていました

なんならこの少年期だけの映画でよかったのではないかと思うほどです。

もっとマハーシャラ・アリを観ていたいと思う映画でした。

それだけ魅力的にフアンを表現したからこそ、後にシャロンが選んだ道にも納得いくところもありました。

母と自分を苦しめた麻薬だけど、自分を守る強さにフアンの強さを求めていたのかもしれませんね。

それはシャロンの車にフアンと同じような王冠があることからも窺い知ることができます。

ムーンライト

ゲイを心に抱えるシャロンの話でしたが、そんなに過激な表現はないので安心してみることはできます。
いろんな愛の形がある。」とありきたりの表現の中にある1本として観る分には良いのではないでしょうか。

あらすじ 感想
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Review of movie

Hello.

This is shinji.

This time I wrote a review of “Moonlight”.

This movie won the 89th Academy Award for “Best Picture,” “Best Supporting Actor,” and “Writing Adapted Screenplay.”

Personally, it’s a movie that leaves me wondering if it was a movie worth it.

I was able to feel the remarkable visual beauty and sensibility in the movie.

However, I didn’t think it was a movie that impressed me enough to win an Academy Award.

However, I thought that only the wonderful performance of “Mahershala Ali” was an impressive movie.

ムーンライト

The movie consisted of three chapters.

Mahershala Ali appeared in only one chapter.

I wanted to see only this “Chapter 1” as one movie.

Chapters 2 and 3 where he didn’t appear were clearly unattractive.

Academy Awards often reflect the background of the times.

However, I think we should avoid selections that please some activists.

I understand that LGBT and racism are important issues that society must address.

But I think it’s clear that it casts too much shadow on the legitimate evaluation of the film.

「グリーンブック」の感想・レビュー(ネタバレあり)

グリーンブックグリーンブック
★★★★★プラス★☆彡
監督 ピーター・ファレリー
脚本 ニック・ヴァレロンガ
配給 ギャガ
上映時間 130分

こんにちは、しんじです。
今回は「グリーンブック」の感想を書きます。
この映画は第91回アカデミー賞で作品賞・助演男優賞・脚本賞を受賞した作品です。
主演はヴィゴ・モーテンセン、そして今やアカデミー賞俳優の仲間入りしたマハーシャラ・アリです。
映画の内容は黒人ピアニストが南部のツアーで腕っぷしが強い白人ドライバーを雇うという内容ということは知っていました。
当然、黒人と南部ということで差別問題がテーマであろうことは見当付きました。
映画館の予告を観たときからいつか観てみたいと思っていました。
今回はAmazonプライム動画での鑑賞になります。

※アフリカ系アメリカ人を作品に合わせて黒人と表現しておりますが、どうぞご了承ください。

PukuPukuMarine

あらすじ 感想

あらすじ
1962年、アメリカ。
トニー・ヴァレロンガ(ヴィゴ・モーテンセン)は勤務先のナイトクラブが改装工事のため仕事がなくなってしまう。
グリーンブック

妻と2人の子供がいるトニーは何とかお金の工面をする。
ある日、仲間内から運転手の仕事を紹介される。

雇い主はドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)と呼ばれている男だ。
てっきり医者かと思っていたトニーの目の前に現れたのは黒人の男性だった。

グリーンブック

ホワイトハウスで演奏をするほど実績のあるピアニストシャーリーアメリカ南部のツアーを行うことになっていた。
そこで演奏付きナイトクラブで働いた経験と豪胆で腕っぷしが強いトニーをドライバーとして雇い入れたかったのである。

俺は召使いなど御免だ。

鞄運びや靴磨きはしないこと、給金の値上げなどの条件をもとにトニーはドライバーの仕事を引き受ける。

貧民街育ちのイタリア系のトニーは粗暴で言葉が汚い
品よく堅物なシャーリーと合うわけがない。

車内ではどうでもよい小さなことでぶつかり合うこともあった。
正直、トニーは口うるさいシャーリーを疎ましく思っていた。

最初の演奏会場に到着しシャーリー率いるバンドの演奏が始まるとトニーに衝撃が走った。
会場の人々に感動を与えるシャーリーの演奏に自分まで誇らしい気持ちになった。

グリーンブック

次の会場に着くと、トニーは言いつけ通りにピアノのチェックから始めた。
見ると弦の上がゴミだらけの古びたピアノだった。

「おい、シャーリーの弾くピアノはこれじゃない。

ああ?黒人だろ?黒人はそのピアノで十分だ。

グリーンブック

まだ時間はある。すぐにピアノを用意しろ。

うるせぇ、イタ公!

すかさずトニーの平手打ちとともにスタインウェイ製のピアノが用意された。

グリーンブック

シャーリーの小言は相変わらずだが、そこには前とは違ったものが存在していた。
それは尊敬であった。
決してトニーはそれを表さなかったがシャーリーの運転手をしている事を心のどこかで誇らしく感じるようになっていく。

長期のツアーにトニーは妻ドロレスへ手紙を書いていた。
粗暴なトニーの手紙は脱字だらけ、機知に富む分なども書けるはずもなかった。

見かねたシャーリーが手紙の文章を授けると、それを読む妻ドロリスはトニーの手紙に感動の涙を流していた。

グリーンブック

ツアーはケンタッキーからさらに南部へと入っていく。

南部へ行けば行くほどステージ上とステージを降りた後のシャーリーへの待遇に開きが出てくる。

ホテルは黒人専用のモーテルを用意され、トイレは野外の黒人用トイレ、控室は物置などが用意されることもあった。

そんな待遇にトニーの心は大きく動揺していた。

だがシャーリーは毅然とした態度をとる。
それは何かに負けまいとするかのようだった。

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あらすじ 感想

〇感想
いやいや、憎らしい演出をする映画でした。

この映画は実話をもとに作られた映画らしいです。

脚本のニック・ヴァレロンガの父がトニー・ヴァレロンガその人だったということです。
ちなみにニック・ヴァレロンガはカメオ出演しています。

グリーンブック

やはりこの映画での注目は黒人を蔑んでいたトニーの心の変わりようでしょう。
このトニー・ヴァレロンガという男は粗暴なイタリア系ではあるが決して差別主義者ではありません。
1960年代に一般的に行われている黒人への差別をする男です。

このことがこの映画一番の肝となっているのです。

それはこの言葉に込められています。
南部のバーにひとりで行ったシャーリーがリンチに会う。
憤りを見せるトニーにシャーリーが言います。

これは南部だからってことじゃない。君の近所のバーに入っても同じことが起こった。

差別の大小の問題ではなく、それが日常に紛れていることが問題なのだと訴えているように感じました。

◎好きな場面4選

トニーがシャーリーに対して得意げに観客を見る場面

グリーンブック

最初の演奏会でシャーリーの演奏に対して尊敬の念を持ったトニー。

ほらほら、すげーだろ」とばかりに得意げに観客を見下ろすトニーがかわいい

ケンタッキーフライドチキンの骨をどうする?

どこか人生を楽しんでいないシャーリーにちょっとした人生の楽しみ方を教えるトニー。
食べ終わった骨はどうする?」と聞くシャーリーに

こうするのさ!」といって窓を全開にして外に投げ捨てるトニー。

この場面のシャーリーの楽しそうな顔いい。
グリーンブック

でもその後、調子に乗って投げ捨てた紙コップを拾わせるのがまた良いのだ。

グリーンブック

トニーが素直にシャーリーに賛辞を贈る場面。

本当にやりたかったのはクラシックだったと打ち明けるシャーリー。

トニーが言います。

クラシックは誰でも演奏する。あんたの音楽はあんただけのものだ。

グリーンブック

これはトニーからの最大の賛辞だった。

その気持ちにシャーリーも喜ぶ

だが私が演奏したショパンは私だけのものだ。

最後に言い残した言葉を理解したときのトニーの表情がまた最高です!

グリーンブック

シャーリーが訪ねてきた場面

このシャーリーがドアに立っている場面が凄く感動した。

グリーンブック

トニーのアドバイス通りに寂しい時は・・・

そして初めて会ったシャーリーの耳元ドロレスがささやきます。

これが何とも憎らしいじゃないですか。

グリーンブック

この映画はイタリア系の香りがところどころ漂ってきます。

とくにトニーが警察を買収する場面などマフィア映画でよく見かけるセリフ回しです。
グリーンブック

なんかすごくおっかないですよね。
遠まわしで脅迫しているようです。

たぶん僕の中で「ゴッドファーザー」のこの場面が頭の中に残っているからだと思います。

グリーンブック
ゴッドファーザーⅡより

今回、僕が気に入っているヴィゴ・モーテンセンがトニー役を体型まで変えて見事に演じましたね。

グリーンブック

でも、いつもの体型でも全然よかったと思うんだけどなぁ。
ヴィゴ・モーテンセンにはいつまでもかっこよくあってほしい。

この映画は今の世の中を反映している映画の一つですね。
こういうとらえ方するとちょっとしらけるんですけど、人種差別問題LGBTについて取り上げた映画でしたね。

こういう問題はどう表現しても誰もが満足できるものにはならないのだと思う。

アメリカでは白人が救済役になっていることに不満を持つ人もいたらしいですよ。

でも、それらの問題と切り離したひとつの映画として観ることをお勧めします。

とても素晴らしい映画ですから!

僕はDVD欲しくなりましたもん。

アカデミー賞の名に恥じぬ素晴らしい映画だと思いました。

物凄く感動するというよりも凄く良い場面がいっぱいある映画だと思いました。

超・お勧め映画ですよ。

あらすじ 感想
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「それでも夜は明ける」の感想・レビュー(ネタばれあり)

それでも夜は明けるそれでも夜は明ける
★★★★★
原作 ソロモン・ノーサップ「12 Years a Slave」
監督 スティーヴ・マックイーン
脚本 ジョン・リドリー
製作会社 プランBエンターテインメント 他
配給 ギャガ
上映時間 134分

こんにちは、しんじです。
今回は「それでも夜は明ける」の感想を書きます。
この映画は1841年にニューヨークに住む音楽家ソロモン・ノーサップ氏の実の起きた出来事を映画化した作品です。
この映画の内容はアメリカの黒人奴隷制度に向き合ったものとなっています。
しかし、今もアメリカ内にはこの病魔が巣くっているようで、製作にあたってはいろいろと問題があったようです。
これについては後に触れてみようと思います。

PukuPukuMarine※映画の内容から一部、不適切と思われるような表記があるかもですがお許しください。

あらすじ 感想

〇あらすじ
1841年、ニューヨークに住む音楽家ソロモン・ノーサップ(キウェテル・イジョフォー)自由権利もつアフリカ系アメリカ人だ。
家があり妻と子供2人と幸せに暮らしていた。

それでも夜は明ける

そんなソロモンに仕事の依頼があった。
街を渡り歩くサーカスの興行においてバイオリンの演奏を頼まれたのだ。
熱く興行内容を語る2人。
その夜、打ち合わせのレストランへ行き陽気に酒を酌み交わしていた。

朝、目が覚めると手首、足首を重たい鎖が自由を奪っていた。

それでも夜は明ける

彼は騙されて南部の奴隷商人に売られてしまったのだ。

これは何かの間違いだ。街に行けば私の自由証明書がある。それを見ればわかってもらえる。」

簡単な話だ。今、見せろ。お前は奴隷のニガーなんだ。

固く太い棒がへし折れるほど背中を殴られ、服が裂け、皮がひきちぎれ血しぶきが上がるほどでたたかれる。

それでも夜は明ける

ソロモンが最初に売られたのは材木商のウィリアム・フォード(ベネディクト・カンバーバッチ)の屋敷だった。
ウィリアムは南部の主としては穏やかな性格をもつ人物だった。
材木運びの仕事において学のあるソロモンは効率的な方法をウィリアムに進言する。
提案した川を利用した運搬方法にウィリアムは深く感心をする。

その礼としてヴァイオリンを与えるほどだった。

それでも夜は明ける

だが優秀すぎるソロモンは屋敷で働く白人監督たちの面目をつぶしてしまう。

理不尽な嫌がらせ、さらには首くくりのリンチを受ける。

それでも夜は明ける

ソロモンの命が続く限りこのリンチは終わらない。
そう察したウィリアムは命を救う方法として止む無くエドウィン・エップスへソロモンを売り飛ばした。

エドウィン・エップス(マイケル・ファスベンダー)はウィリアムとは正反対で、強欲でとても冷酷な男だった。

それでも夜は明ける

綿花栽培を生業とするエップスは奴隷に鞭をうつことで働かせていた。
そこでは過労で命を落とす奴隷もいるほどだ。

エドウィンは女奴隷からお気に入りをつくる性癖も持ち合わせ、嫉妬に狂う妻メアリー・エップスも奴隷たちを苦しめていた。

そんな欲望と嫉妬にまみれるエップス家は独占欲だけは強かった。

決して所有物を離さない。

そんな苦しい日々、ソロモンの諦めない心の炎は消えかける。

それでも夜は明ける

そして何年の月日が過ぎたであろうか。

エップス家の小屋改修にひとりの男が訪れた。
その男の名はカナダ出身のサミュエル・バス(ブラッド・ピット)
改修工事のひと時、サミュエルはエドウィンに奴隷の労働環境について提言をしていた。

奴隷も人間だ。」

サミュエルは理不尽な奴隷制度に反対する考えを持っていた。

いままで、何度として裏切られたことだろう・・・

だが、サミュエルの目をみたソロモンは、この男に希望を託した。

それでも夜は明ける

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あらすじ 感想

〇感想
ハリエット」に見ることができなかった部分を見事に描いている映画でした。

素晴らしい👏

決して黒人が虐待を受けている場面が見たいわけではない。
だけど、この見たくはない部分を見せなければ、奴隷制度に苦しめられていた黒人の苦しみや悲しみを伝えることは難しいのです。

人間が残酷なことする事実から目を背けてはいけないと思う。

人は利権を貪るし、正しいと思っている事でも黙って見過ごすこともある。

サミュエル・バスが言います。

正直、僕は怖い。自分が可愛いんだ

それでも夜は明ける

僕はこの言葉は真意をついていると思う。

ある意味、この映画の最大のテーマであると言ってもいいと思う。

間違いを「間違い」と訴える事はとても怖いことだ。
勇気のいることだ。

南部に住む人間でも奴隷制度が本当は人として間違っていると思っていた人がいたのかもしれない。
その一人がウィリアムという心が優しい人物。

それでも夜は明ける

彼は正義感やさしさを持っているが、南部の仕来りや大きな流れには反抗することなどできはしない。

もう一人がエドウィン・エップスだ。

それでも夜は明ける

彼は所有物とし奴隷を扱い、鞭をうつ残酷な人物だ。
だが、彼の心があれほど荒れているのはなぜだろう。
何をしても心が満たされない彼は奴隷の女を抱いてみる。
それでも満たされることのない心

ウィリアムが良い人物と描かれているけど、実はどちらの人物も「自分可愛さのレベル」では同じなのだと思う。
どちらかというと満たされないエドウィン・エップスの心こそ注目すべき点なのかもしれません☝
それにマイケル・ファスベンダーが最も素晴らしい演技をしています。

この映画、134分という時間を使い、人が息をのむような場間つくりあげた映画だと思いました。

例えば、惜しみなく尺を使いソロモンの首くくりの場面をもっとも恐ろしい場面に作りました。

リンチによりつま先のみで命をつなぐソロモン。
うめき声をあげるソロモン。

時期に小屋から奴隷がわさわさと出てきます。
しかし、わき目で見るも、いつもと変わらない仕事をいつもと同じ様に始めます。

それでも夜は明ける

この場面が異様に恐ろしいです🥶

ここにスティーヴ・マックイーン監督の才能が垣間見えますね。

この作品は「ハリエット」のように煙に巻いたような映画ではなく、しっかりと奴隷制度の残虐さ、苦しみ、悲しみを描いているのが素晴らしい。

そんな映画ですが、サミュエル・L・ジャクソンからはあまり良い評価を得ていないようです。
それはこの映画の監督や主要キャストにあるようです。

スティーヴ・マックイーン監督(イギリス)
キウェテル・イジョフォー(イギリス)
ベネディクト・カンバーバッチ(イギリス)
マイケル・ファスベンダー(ドイツ)

サミュエル兄が言うには「アメリカは奴隷制度や差別問題に向き合っていねぇ!」ってことだそうです。
過去の問題も重要だけど今の差別問題に目を向ける事がより大切なことで、勇気がいることだ。」とも言っているようです。

それにこの映画は製作段階でパラマウントが関わっていたけど、黒人差別をテーマにした映画では利益がでないと消極的だったらしい。
ブラッド・ピットの製作会社プランB・エンターテインメントが頑張って作り上げ、いざアカデミー賞を受賞すると、またパラマウントが出しゃばったらしい。
ブラッド・ピットはかなり不快感を覚えたとか?

まぁ、裏方はいろいろあったらしいけど、映画として素晴らしい映画です。
凄くお勧めいたします。

あらすじ 感想
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