アイスブレイカー 超巨大氷山崩落
★★☆彡☆☆
監督 ニコライ・コメリキ
制作指揮 セルゲイ・コズロフ
制作国 ロシア
DVD アメイジングD.C.
上映時間 124分
日本未公開
こんにちは、しんじです。
本日の映画は2016年のロシア映画「アウトブレイカー 超巨大氷山崩壊」です。
どうやら1985年、南極の海氷を進むロシア砕氷船で起きた実際の出来事をもとに作られた映画らしいです。
Amazonプライム配信で鑑賞いたしました。
評価はなかなか高いので期待しつつ鑑賞開始です。
あらすじ | 感想 |
1985年、春、ロシアの砕氷船ミハイル・グロモフ号は厚く閉ざされた南極の海氷を進む。
進行方向に山のようにそびえたつ氷山。
進路を変えようとした瞬間、氷山の上の部分と水面下が逆転する転覆現象が起きた。
周りの海氷が船に押し寄せた衝撃で船に乗る観測隊員ひとりが海に落ちてしまう。
ひとりの事故者を救助する判断が船と船員を危険にさらすことになった。
船は氷山と接触し最小限の損害を受けた。
だが野心家の航海長はペトロフ船長の判断ミスとしてレニングラードに報告を上げる。
船長の座をねらう航海長の思惑とは別に新たな船長セフチェンコがヘリコプターで到着する。
セフチェンコ船長はペトロフの全ての権限を剝奪する。
娯楽のない船の中、船員にある程度の自由を与えていたペトロフと違いセフチェンコ船長の管理には「自由・娯楽」というものがなかった。
やがて船の進路は砕氷できない厚い氷に閉ざされてしまう。
さらにペトロフの見立てでは先の氷山が後方から船を追うように移動しているという。
船員からは燃料を爆発させて氷を砕く案がでるがセフチェンコ船長は却下する。
そしてレニングラードからの指令のもと船は救助船が到着するまで停止することに決定する。
燃料の節約は船内の電気の節約につながる。
暗い船内、セフチェンコ船長に取り上げられる自由・娯楽。
その生活が3カ月にも及んだころセフチェンコ船長への不信・不満が爆発する。
船員はセフチェンコ船長を拘束し海氷の爆破を試みる。
爆破の失敗による燃料不足と船医の死という最悪な結果でクーデターは失敗する。
船員は意気消沈し船は再びセフチェンコ船長の管理下に置かれた。
133日目、海氷が裂ける轟音とともにペトロフは目を覚ます。
予想通り船を追う形で巨大氷山が迫ってきていた。
だが、それは巨大氷山が分厚い海氷を砕きながら進んできている証であった。
それは巨大氷山がつくった路にほかならなかった!
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あらすじ | 感想 |
映画の終わり方が凄くいい
今まで感じたセフチェンコ船長が燦々と太陽照らす赤道下の海で船員とペトロフに見せる笑顔。
もう素晴らしい終わり方
全てのモヤモヤが吹き飛ぶこの終わり方最高です
そしてクレジットロールにロックが流れるというね
このカタルシスは、そうシルヴェスター・スタローンの「ロックアップ」に通じるものがあります。
その男は自分の感情を抑えただただ責任をもって職務を全うする男だったということです。
このエンディングから遡れば五つ星にもなり得る映画だった。
これは作りが悪いのか、ロシアの人との感性が違うのか微妙なところだが、とにかく映画に無駄が多く感じてしまう。
私が感じた悪いところ
犬追い場面
まずは冒頭のアクシデントを作るきっかけとなった犬追いの場面がうんざりするほど長い。
もうここで観るのをやめてしまおうかと思うくらいに長ったらしいのだ。
そんな犬追い男の無能っぷりに映画全体のレベルが下がってしまう。
ペトロフ船長が無能
航海長の野心で解任されてしまうペトロフ船長だが、実は本当に無能な男であるような場面をわざわざ作るのってどうなのかな?
たったひとりで海氷を歩いて調査して穴に落ちて、船員に捜索させて救助されるというね。
何で足引っ張るんだろうね。
家族のエピソードいらないよ。
ペトロフ船長とセフチェンコ船長の家族のエピソードを挟んでくるんだけど、これが全くもって本編とシンクロしない。
だからどちらの結果にも感動することなく、ただ邪魔なエピソードなんですよね。
とくにペトロフと奥さんが離婚の危機に奥さんを狙う政府高官のくだりは、本編のスリルを削ぎ落すくらいに無駄なお話だったと思う。
ほんと、どうでもええわ!
この3つを改善する、いや削除するだけでも映画がもっとスリルのある面白い映画になったはずだと思う。
だってラストが凄くよかったんだからさ。
それと氷山と海氷の表現力はすごくよかったです。
これらが船にもたらす危機は迫力あるものでした。
ラスト場面でソビエト新聞に「ゴルバチョフ」の写真が載っていたことで、この映画が何を言いたかったかがわかりました。
これはソビエト連邦共和国の崩壊を表した映画だったのでは!?
超巨大氷山はソビエト連邦で船の中の船長と船員はソビエトの管理と管理下に置かれた人々を表している??
船の中では自由を奪われ食糧不足、娯楽もない。
ある場面、ギターでロックを歌っていると船長にギターを取り上げられて壊されてしまいます。
暇なら働けと厳しい船長に過酷な労働を強いられます。
そして船員はクーデターを起こすが失敗しそこには犠牲者がでただけです。
やがて巨大氷山が砕いた路を船は進みます。
巨大氷山が粉々に砕け散る様子に船員たちは歓喜します。
そしてラストは赤道下でバーベキューし娯楽と自由と笑顔のもとに映画は終わるのです。
どうでしょう?
これってソビエト連邦の崩壊を表現したように感じませんか?
さらに、最初の氷山の上と下が転覆した場面、これはゴルバチョフ政権のぺロストロイカ政策で行われた政治改革を表しているのでは!?
その氷山が最後に船のために路をつくりながら崩壊するんです。
そしてエンドクレジットのロックはギターを壊した場面を皮肉っています。
ちなみに家族エピソードはソビエト政権の無能ぶりと高官がゲスだと言いたかったのかと思います。
これは僕の勝手な深読みですが、あながち間違ってないような気がしませんか?
今現在のロシアも大概ですけど、まぁソビエト時代よりは自由があるんでしょうね。
趣向を変えてロシア映画。
一度見てみてもよい映画だと思いますよ。
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