もののけ姫
★★★★☆
監督・脚本 宮崎駿
製作 鈴木敏夫
制作会社 スタジオジブリ
配給 東宝
上映時間 133分
こんにちは、しんじです。
今回は「風の谷のナウシカ」に続いて「もののけ姫」も映画館で観てきましたので、その感想を書きます。
(劇場:ユナイテッド・シネマ としまえん)
「風の谷のナウシカ」から14年が経ち、すでにトップクラフトから「スタジオジブリ」へとなった制作会社。
僕の中でこの「もののけ姫」は宮崎駿、スタジオジブリの集大成なのだと思っています。
そしてある意味この作品以降はパワーダウンしていったのではないかと思います。
いいや、「千と千尋の神隠し」があるじゃないか。
そういう方も多いと思います。
ですが、なぜか僕の中では「風の谷のナウシカ」のテーマを辿る作品は「もののけ姫」以降の映画からは感じることもできず、ジブリには興味すらなくなってしまいました。
僕のスタジオジブリの中で一番好きな映画は「風の谷のナウシカ」と「もののけ姫」です
舞台は自然豊かな日本。
神々が獣の姿として宿り、生きとし生けるものの調和を守ってきていた。
そこに踏み込む人間。
神聖なる山々を自分勝手な都合で荒らし汚す。
そして調和を無視した殺しをすることで、調和を守り、その調和により力を保ってきた神々や獣たちは徐々に力を失い始めていた。
そんな世界観が何とも大好きです
日本の萬神。
その考え方は僕たち日本人の根幹にあるものだから、映画に共感するものが凄くあります
そして作画に関してもCGという技術も調度良く取り込んでいます。
「風の谷のナウシカ」と同じように色彩豊かな魅力ある味わいのあるセル画により細かく鮮明なリアルさと動きをCGを取り入れることで可能にしています。
ナウシカもそうであるように宮崎駿さんの主人公はとにかくアグレッシブに動き回ります。
今回のアシタカも素晴らしい動きです。
しかしなぜDVDやTV放映で何度も見ているはずなのに、映画館で観ると改めてストーリーを知るのでしょうね。
僕は今までアシタカの弓が凄い威力であるのは、単にそういうものだと思って観ていました。
でもあれは右腕に宿るタタリ神の呪いの力だったのですね。
時々見せるスーパーパワーもそうだったんですね。
今さらそれに気づきました
そしてアシタカとサンの最初の出会いが本当に素晴らしいですね。
モロの傷から毒された血を吸いとり吐き出すサン。
口元が血で真っ赤になり目は鋭く力強い。
アシタカへ「去れ!」の一言。
すごいインパクトを残す場面ですよね。
改めて感動してしまった。
そして最も好きな場面。
この一連のやり取りが好きな人は多いのではないでしょうか?
アシタカとモロのやりとり。
「うめき声ひとつでもあげれば頭をかみ砕いたものを。」
という衝撃的なセリフから美輪明宏さんの凄まじく神々しいセリフが続いていきます。
アシタカがサンを「人の子」といい「巻き込むな」と主張。
それに対して「人間らしい自分勝手な物言い」といいながら声を荒げて
「だまれ、小僧っ!」と一喝。
もう鳥肌たつくらいにモロに魂を吹き込む美輪明宏さんに脱帽ですね。
この場面を映画館で観れただけで、只々うれしい
この映画を映画館で観たことで僕が一番感じたのは、力強さです。
この映画の中に存在する凄い力強さ。
これはDVDでは感じられないものなのだと思いました。
「ヤックルに乗り山を駆けるアシタカ」の場面を観るだけで伝わってくる力強さを感じます。
やっぱり映画としてつくられたアニメ映画はこうでなければならないと思います。
最近のアニメは新シーズンが始まる時に先行して劇場で観ることができますよね。
すごくうれしいのですが、あれは映画としては観るアニメとは別のように感じます。(例えば・・・)
また劇場版といいながらもTVアニメ以上のものを感じることができないアニメもあります。
人気アニメを劇場で公開するときには是非とも劇場版でしか見られないような力強さを感じる作品にしてほしいと願います。
そういう意味でこの「もののけ姫」からは劇場版であるがため力が宿っている気がしました。
ただ・・・やはり僕は声優に関しては「?」を付けたくなるような部分があります。
俳優さんは確かに下手ではないです。
アニメを通して演技をしています。
しかしそのアニメのキャラに命を吹き込めていない方もちらほらいます。
これは演技が上手い下手の要素だけではないのかもしれない。
アニメ特有のタメとかアクセントとかあるのかもしれない。
それによってキャラクターが息をしているのかしていないのかを感じてしまうのです。
アシタカの松田洋治さんは素晴らしい。
セリフの後のアシタカの息を感じることができます。
中には酷評を付けるサンの石田ゆり子さん。
僕はサンの息遣いを感じることができました
すごく素晴らしいと思いました。
残念だったのは、ジコ坊の小林薫さんです
小林薫さんは好きな俳優さんで、このアニメでもしっかりと演技をしているのですが、セリフのないところで演技をしているとは到底思えなかった。
ジコ坊からはジコ坊の息遣いをまったく感じることができないのです。
もっとセリフがないところでもキャラが息をしている演技をしてほしいです。
あとエボシ御前の田中裕子さん。
普通のセリフのエボシ御前の演技は凄く良いのに、「撃て!」とかそういう覇気をこめる場面が残念でした。
でも、こういう細かい演技に関してはおそらく宮崎駿さんチェックを経てOKテイクになっているのでしょうから、これも含めて宮崎駿、スタジオジブリ作品なのかなぁ?
上映時間に関しては劇場版としては少し長すぎのように感じました。
僕はこの映画が大好きなのですが、さすがに後半は眠気が襲うことがありました。
ちょっと昼間に勉強疲れがあったので仕方がなかったのですが、それにしても「133分」は長すぎですね。
せめて「110分」くらいにしても良かったのではと思います。
ストーリーに関しては実はこの「もののけ姫」も「風の谷のナウシカ」同様に、何も解決していないのですよね。
アシタカの個人的な目的はしっかりとコンプリートしているのですが、「山々の神と獣」VS「人間」はこの先も続いていきます。
ちょっと短絡的ですが、宮崎駿さんはこの作品に関しても一番描きたかったのは「人間の愚かしさ」なのかなと思いました。
「自分勝手な人間」
地球は人間のものでは無いのに、人間は自分勝手な都合をいつも自然に押し付けてきます。
そして勝手に踏みにじり、勝手に争い、そして最後には全てを無くしてしまう。
いろいろとこの作品には宮崎駿さんの思いが込められているらしいですが、それは宮崎駿さんのコメントを読む前に自分自身で感じることが、宮崎駿さんの願いかもしれませんね。
僕はこの映画のラストからは「自然の慈悲」というものを感じました。
シシ神が全てを無に帰しても、最後に芽を与える自然の慈悲です。
>それまでも踏みにじることをしてはいけないよ。
そんな事のように感じます。
映画の迫力、久石譲、米良美一さんの透き通る歌など映画館の映像・音響で楽しめるチャンスです
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そうそう、コダマがなぜか呪怨のトシオ君にみえてしまっておかしかった
うわっ、たくさんのトシオがいる
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