無限の住人
★★☆☆☆
原作 沙村広明
監督 三池崇史
脚本 大石哲也
配給 ワーナー・ブラザース映画
DVD ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
上映時間 141分
こんにちは、しんじです
今回は三池崇史監督、木村拓哉主演の「無限の住人」のレビューを書きます。
この作品は沙村正明さんの漫画「無限の住人」の実写版です。
実は僕はコミックを全30巻持っています。
三池監督、キムタクという思い切り不安のあるこの映画。
あらすじ | 感想 |
万次は旗本の同心だった。
ある事件がもとで妹・「町」の気がふれてしまう。
万次は「町」の世話をして生きていたが、万次に恨みをもつ愚連隊に「町」を殺されてしまう。
万次はその愚連隊を一人残らず叩き切るが自身も瀕死の重傷を負う。
そこに八百比丘尼という老婆に血仙蟲を体に植え付けられ、不老不死になってしまう。
浅野凛は無天一流統主・浅野虎厳の娘。
ある日、逸刀流という流派に父・母とも殺害されてしまう。
「凛」は逸刀流とその統主・天津影久を討つことを誓う。
ある日、八百比丘尼から「江戸にいる決して死なぬ男を用心棒にするがよい」と助言をもらう。
かくして凛は万次を見つけだし、用心棒とする。
逸刀流は形式と精神論ばかりを唱える道場を次々と打ち破る。
その勢いに警戒した幕府の新番頭・吐鉤群は手下である無骸流を使い逸刀流の殲滅を図る。
逸刀流を追う凛と万次、吐鉤群と無骸流、逸刀流と天津影久の三つ巴の闘いの口火が切られる。
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あらすじ | 感想 |
僕はこの漫画が好きです。
でも、今はそのことを抜きにして感想を書きます。
話のストーリーはわかりやすくなっています。
初めて映画で「無限の住人」を観た人でも大丈夫です。
ただちょっと闘いの場面に時間を置きすぎだと思いました。
結局、キムタクを見せたいだけなのかな?
あと凛役の杉咲花の演技が最悪です。
もっと丁寧に演技指導すべきだと思う。
悲しい胸の内を打ち明ける時、大切な人を守りたい時、やりきれない怒りに声をあげる時、どれもこれもただ叫ぶだけ。
しかも聞き取りずらい。
これは杉咲花が悪いのではなくて、演技指導が悪いです。
それとやっぱり木村拓哉。
万次の容姿はそんなに悪くはないと思う。
言葉遣いも万次は自由に話す男だからいいでしょう。
木村拓哉もそれなりに演技をしてセリフを言い始めるんです。
最初の方はがんばって演技をしてるのですが、セリフが2行目にはいるころから木村拓哉に戻ってしまうんですよ。
最初の1行目はセリフに間や抑揚をつけようとしてる節があるんですが、2行目までもたないんです。
後半のセリフが聞きずらくなるし。
これも演技指導が足りないのではないでしょうか?
それと特殊メイクも最悪です。
なんでこの映画の傷痕はミミズがひっついたようなんでしょうね。
やすっぽいですよ。
なんか三池監督ってやっつけ仕事なんですかね。
どれもこれも丁寧さを感じないんですよね。
もっと丁寧につくればそれなりのエンターテイメント映画になったと思います。
だってキムタク嫌いな僕が最後まで観ることができたのですからね。
キムタクは僕が想像するよりは悪くはなかったけど監督の指導不足ですね。
原作知らない人ならそこそこ楽しめるかもしれません。
これまでが原作抜きにした感想です。
ここから原作好きの僕の意見です
この映画は誰をターゲットにしてつくったのか?
原作ファンをターゲットにしてるならなめすぎです!!
まず逸刀流の「凶戴斗」を出す意味がない。
原作では、万次の味方になったり、逸刀流に戻ったり、自分の思いに一番正直な男が凶戴斗なのだ。
ワンシーンしか出さないのなら、凶戴斗を出さなくてもよかったと思う。
その時間を他に使って丁寧な話にした方がまだよかったと思う。
こら!阿葉山宗介殿を簡単に殺すな!
完全にファンを怒らせる地雷💣ですね。
「阿葉山宗介と偽一の闘い」が原作で1,2を競う熱い闘いなんですよ!
人情深く部下思いで熱い男、さらに若けりゃ偽一を倒せた男阿葉山宗介の扱いが酷すぎる。毒殺で退場だなんて・・・
偽一、百琳は空気か!
最初からだすなよ!
原作では偽一、百琳は重要人物なのに、ちょっと出すだけならさ~出すな!
コスプレ大会じゃないんだからさ。
「尸良」は万次の宿敵なのにただの小悪党になってしまってる。
だいたいこんな扱いなら無骸流ださなくてもよかったのに。
吐鉤群の扱いがただの役人・・・
吐鉤群といえば原作中で最強剣士・乙橘槇絵に次ぐ剣豪なのに、天津影久にやられて胴体まっぷたつって酷いですよね。
ファンなめてるでしょ
ていうか原作読んでるのか三池監督は!
唯一イメージぴったりだったのが天津影久です。
福士蒼汰君は天津影久にぴったりでした👍👍👍
💡最後に原作を知らない人に大切なところをお伝えしますね。
基本的に万次は傍観者なんです。
たまたま凛の用心棒だから闘いに巻き込まれてはいるけど。
江戸の末期、「剣士の時代を再び」という願いのもとにあがいてあがいてあがきまくる逸刀流の輩と天津影久、そして強さを誇示する逸刀流に嫉妬しながら幕府の強さを取り戻したい最強の剣豪・吐鉤群。
そんな奴らに巻き込まれた凛と万次。
全ての方が付き、死に際「自分たちがいたことを覚えていてほしい」と万次に願う天津影久。
それから長い時が過ぎて明治になり廃刀令が施行された時代。
不老不死の万次もついに刀を土の中に埋める。
江戸時代に闘った剣士の刀も含めて。
時とともに万次は天津影久の顔も名も忘れてしまっている。
だがある日「顔も名も忘れちまったが、あいつがこの時代を見たらどう思うんだろうねぇ」って思いを馳せる。
あんなに次の時代を思いもがいてもがいて熱い闘いをしてきた逸刀流や吐鉤群も時代の流れの中のほんの一コマだったに過ぎない。
そんなやるせない思いの万次が夕陽に染みる。
この漫画ってそんな漫画なんです。
だから個人的にはもっと丁寧につくって欲しかったですね。
完璧になど出来やしないのはわかってるので、その根底にあるテーマの片鱗でも描いてほしかったな。
主人公に不老不死の意味を持たせてほしかったです。
原作ファンとしての評価はあげても★だけです。
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