ダンテズ・ピーク
★★★★☆
監督 ロジャー・ドナルドソン
脚本 レスリー・ボーエン
配給 ユニバーサル映画
DVD ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
上演時間 109分
こんにちは、しんじです。
今回はピアース・ブロスナン主演のディザスター映画「ダンテズ・ピーク」の感想を書きます。
この映画は1997年に公開された映画です。
この1996~1999年は世紀末であることと、ノストラダムスの人類滅亡予言(嘘っぱち)もあってとにかくディザスター映画が次から次へと量産されました。
この映画の他には「ツイスター」(‘96)、「ボルケーノ」(’97)、「ディープ・インパクト」(‘98)、「アルマゲドン」(’98)などがありました。
このディザスター映画ブームは後に2012年のマヤの予言
へと引き継がれていきます。
あらすじ | 感想 |
アメリカ火山帯観測所はカスケード山脈において異常を観測した。
観測所から地質学者のハリー・ダルトン(ピアース・ブロスナン)が派遣される。
彼が派遣されたのはダンテズ・ピーク山の麓の町だった。
ハリーが到着した日、町では全米で住みやすい町で2位を獲得した記念式典が行われていた。
町は企業からの投資計画で経済発展のチャンスを迎えていた。
ワンド町長(リンダ・ハミルトン)の協力のもと調査を行う。
ハリーはいくつか火山ガスによる影響をみつけた。
調査をはじめ数日がたったある日、山奥の天然汚染場で2人の遺体を発見する。
熱湯と酸により皮膚がひどい損傷を受けていた。
ハリーは観測所のチームを呼び寄せる。
そしてワンド町長をはじめとする町の有力者を呼び寄せ緊急事態会議を開くが、観測所のチームリーダーであるポールに先走り過ぎだと注意を受けた。
まだ決定的な証拠がないため観測調査と今後の経過を見て責任者のポールの判断によって、避難勧告を行うこととした。
ハリーはその指示に従うものの、火山に近いこの町は噴火が起これば甚大な被害は避けられないことに懸念を抱いていた。
ハリーはワンド町長の家で過ごしていると、水道から黄土色の濁水が流出する。
水源を調べるとすでに硫化水素の影響を受けていた。
ハリーはポールに水道の蛇口をひねらせると、すぐに避難勧告を出すこととなった。
ワンド町長が住人を集め、避難についての説明をしている矢先、これまでに体験したことのない大きな地震が起きた。
ダンテズ・ピークは大きな噴煙を立ち昇らせている。
住人はパニック状態となり誰もが我さきにと車での避難をしようとするが、田舎町の狭い道路はすぐに渋滞に陥った。
とてつもない地震に町の建造物は瞬く間に崩れる。
町は次第に灰に覆われていき、灰を吸ったヘリコプターは墜落をしてしまう。
完全にパニックとなった町は次々に起きる災害に大きなダメージを受ける。
ハリーとワンド町長が子供たちを迎えに行くと、子供たちは湖畔にある祖母を迎えにいってしまっていた。
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あらすじ | 感想 |
凄い迫力の映画!
1997年の映画ですが、もうこの頃のVFXはかなりのレベルにありましたね。
それほど今見ても見劣りのしない映像迫力でした。
しかし、今回私が思ったのは、こうです。
「1997年に観た当時と今観た感想がこれほど変わる映画はない。」
それは1997年~2020年の間に日本は数多くの災害を受けてきたからです。
特に2011年の東日本大震災と福島原発事故、さらに2014年御岳山大噴火。
記憶は1991年の雲仙普賢岳の火砕流をも思い出させます。
この映画ではピアース・ブロスナン演じるハリーが、いち早く住人に避難をさせようと先走った行動をします。
そして町の経済発展を考え、慎重論を説く責任者のポール。
これまでの映画でもこのパターンはよくありました。
「ジョーズ」では遊泳禁止にしようとするブロディ署長と観光収入を考える市長もそういう関係にありました。
これは、正義VS悪のような構図を成り立たせ、鑑賞者にヤキモキさせて、被害者が出た時にこう思わせるのです。
「ほら、見たことか!言ったとおりにしておけば良かったのに!」
でも、日本人はあまりにも多くの事を体験しました。
直接被害と風評被害です。
そしてそれが経済発展にどれだけの足かせになってしまうことか知っています。
私はこの映画を見る限り責任者のポールが一番正しい判断をしていると思ったのです。
ハリーが「噴火が起きるぞー」って叫べば住人は警戒します。
そして町から引っ越す人もいるでしょう。
もちろん企業の投資はなくなってしまいます。
でも、1週間後か100年後かもまだはっきりしていない段階でそれを叫ぶのは、やはり軽率だと思います。
ポールは、調査の結果、確証が持てるものが見つかれば災害対策会議を開き発表するといいます。
まさにこれが正しい判断だと思います。
さらに「ハリー、君には調査を依頼したのだぞ!」
まさに正論です。
彼に町長や有力者を集め災害対策会議や避難勧告をする権限はまるっきりありません。
「ハリーの気持ちもわかるが、ポールの言っていることは筋道が通っている。これは本当に難しい判断だな。」
こんな風に客観的に観てしまう自分がいました。
ですが、映画ではやっぱりポールは悪的な責任として濁流にのまれ死んでしまいます。
これはあんまりだぁ~!
映画では噴火に伴うありとあらゆる災害が再現されました。
地震、塵粉、マグマ、土石流、火砕流。
この恐ろしさを日本人はほぼ体験しましたよね。
私は特に最後の火砕流に関しては雲仙普賢岳※を思い出しました。
そのことを知る身としてはかなりハラハラさせられました
しかし、方法はなかったとはいえハリーはかなり無茶をしましたよね
川を車で渡る!
いくらSUV車とは言え、あれは無茶ですよね。
エンジンはシュノーケル使用にしていても電気関係がダメになるし、とにかく車は思ったよりすぐに浮くから、4輪駆動でも踏ん張りが無くなりますって。
特に今の車はコンピュータ制御なので、絶対にマネしないでくださいね。
マグマの川の上を車で走る!
あれこそ死ぬでしょ!☠
マグマの上に登って間もなくタイヤは溶けてホイールだけになる。
そしたらもう進めませんよ。
映画のように火だるまになったら、今度はガソリンに引火して爆発しちゃいますよ。
絶対にマネしないでください!
いや、とはいってもかなり手に汗握る場面でした。
何といっても子供たちがいるのが効果的ですよね。
子供の焼け死だけは見たくないもん
最後は洞窟でハリーが男を見せます
落石で腕から骨が飛び出ようが足が骨折しようが(あれは絶対に折れる)信号発信機までたどり着くところは、「男だな」と思った。
そりゃ、あんな可愛い子供たちを死なすわけにはいかないですよね。
1997年、いまから23年前です。
今ならスマホのGPSを追えば簡単な話だけど、当時はまだ携帯電話さえ普及してなかったですからね。
文明は急速に発展するものですね
ワンド役のリンダ・ハミルトンはまだまだ若くキュートな印象さえありましたね。
量産されたディザスター映画の中にはヘボ映画💩もありましたが、この映画はかなり良い出来の映画ですよ。
その映像迫力はかなりのものです。
でも当時はその凄い映像を「アルマゲドン」があっさりと抜いていきましたけどね
当時は、同様作品に食傷気味な感がありましたが、今、もう一度見ると絶対に当時とは違った感想と、ハラハラ感が味わえること間違いないです。
凄くお勧めの映画です。
あの当時の日本人は火砕流というのを知る人は少なく、ただ単に噴火の噴煙だと認識する人が多かったと思うのです。
しかし、町に降りかかってきた火砕流は実はその温度が何百度もある危険なものでした。
結果、逃げることができなかった住人と逃げなかった報道の方が犠牲になってしまいました。
あらすじ | 感想 |
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Hello.
This is shinji.
This time I wrote a review of the disaster movie “Dante’s Peak” starring Pierce Brosnan.
This movie is a ’97 movie.
Many disaster movies were made at that time.
I think that the reason is “end of the century” and “Nostradamus”.
This movie is a movie about the disaster caused by a volcanic eruption.
My impression changed a lot when I saw it in ’97.
That is because I am experiencing the 2011 Great East Japan Earthquake and the Fukushima nuclear accident.
The main character Harry immediately recommends evacuation.
Paul, who is in charge, makes a careful decision considering the financial damage.
At that time I thought Harry was right.
However, after 2011, I learned about the economic damage caused by rumors.
Now I think like this.
Harry is right and Paul is right.
Rather, Paul is the correct answer.
I think that his judgment is correct.
The images are also very powerful and wonderful.
I think it’s one of the most amazing disaster movies out there.
But back then, everything in the disaster movie was overwritten by “Armageddon.”