「スポットライト 世紀のスクープ」の感想・レビュー(ネタばれあり)

スポットライト 世紀のスクープスポットライト 世紀のスクープ
★★☆彡☆☆
監督 トム・マッカーシー
脚本 ジョシュ・シンガー 他
配給 ロングライド
DVD VAP
上映時間 129分

こんにちは。
しんじです。

今回はアメリカのカトリック教会の小児性愛、性的虐待の真相を大スクープしたグローブ社のスポットライトチームのストーリーです。

もちろんBased on True Storyですよ。

この映画は第88回アカデミー賞で作品賞、脚本賞を受賞している映画です。PukuPukuMarine

あらすじ 感想

🤵感想

この映画、今回感想を書く為Amazonプライムビデオにて鑑賞したのですが、実はこれで3度目の鑑賞です。

1度目は閉じてくる瞼を無理やりこじ開けて鑑賞。

2度目は内容がよくわかっていなかったと思い鑑賞。

そして今回は感想を書く為に鑑賞です。

Amazonプライムの評価は凄く高評価です。

でも率直に言うと「そんなに高評価するほどおもしろかったかな・・・」です。

この映画欧米人が評価する理由はわかります。

アカデミー賞も取っていますし。

ただ、日本人でありクリスチャンでもない僕には、内容がどこか他人事なんですよね。

この映画の印象は「記者たち 衝撃と畏怖の真実」と近く少々再現ドキュメンタリーみたいに感じました。

スポットライト 世紀のスクープ

記者たち 衝撃と畏怖の真実

「Based on True Story」を忠実に守っているような映画だからです。

内容が内容なので創作もあまり入っていないのでしょうね。

そのためドラマとしての盛り上がりが今ひとつなのです。

そして先にも書いたように内容自体がカトリック教会神父の性的虐待です。

「他人事」とはけしからん!とお叱り受けそうなのですが、性的虐待は深刻な問題なのは重々わかっています。

私が他人事に思えてしまうのはそれがカトリック教会にまつわる話だからです。

欧米人、とくにカトリック信者なら日曜礼拝にいき、映画でも語られるように貧困層の子供たちと教会の関りは大きいでしょう。

それは日常的なものだと思います。

それだけに僕には遠い国の出来事のように感じてしまいます。

たとえ映画の内容で驚きの小児性愛の性癖をもつ神父が多かろうが、僕自身にはピンとくるものがないのです。

そのため、どこか自分には関係ない事件をおう記者の映画を観ているようで・・・

Amazonプライムの高評価には「マジか?」と思ってしまいました。

あと、この映画はやたらと人物名が多く出てくるために、なかなか内容を把握することができません。

仕事疲れの夜に鑑賞することはご法度です!

僕みたいに、この映画が遠い国のお話に思えてしまった人は、学校の先生に置き換えるといいでしょうね。

実際、日本でも小児性愛の性癖をもった教師が事件を起こしています。

そして、いつの間にか地方の学校で教職を続けているって話も聞いたことあるような、ないような・・・

今回、この記事を書いたのは、Amazonプライムの評価に「ん?」と思った事が一番の理由。

それと内容がわからなかった人に下記「あらすじ」で補完してもらおうと思ったのです。

出来る限りわかりやすく書いていますので、補完に役立ててくださいね。

※ここから下はネタバレしてますのでご注意ください。

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あらすじ 感想

⛪あらすじ
前提として・・・
想像の範疇ですが、僕が思うところ、アメリカの新聞記事は裏付け取材や証拠をできる限りとるようにしていると思います。
たぶん、それは日本よりも訴訟問題に発展することが多いからだと思います。
そして今回の内容はカトリック教会を相手にしているために、グローブ社は裏付け証拠を固めることを重要としています。

さらに法律的に・・・(注:僕の解釈です)
過去の裁判に使われた証拠文書は封印される。
これは個人情報なども含まれているため、過去に判決済みの証拠文書は封印されるのでしょう。
そして現在、訴訟中の裁判に関しては判決の公平性を保つために一般に開示される。

そういう認識で映画を観ると、「なぜグローブ社が開示申請をしなければならないのか?」「なぜガラベディアン弁護士の訴訟をとおして過去の性的虐待事件の証拠をマイクが観ることが出来たのか」がわかります。

スポットライトチーム
スポットライト 世紀のスクープ

ロビー編集長(マイケル・キートン)

スポットライト 世紀のスクープ

マイク(マーク・ラファロ)

スポットライト 世紀のスクープ

サーシャ(レイチェル・マクアダム)

スポットライト 世紀のスクープ

マット(ブライアン・ダーシー・ジェームズ)

グローブ社

スポットライト 世紀のスクープ

バロン編集局長(リーヴ・シュレイバー)

スポットライト 世紀のスクープ

ブラッドリー部長(ジョン・スラッテリー) ロビーの直属上司

アイリーン・マクナラマ・・・ゲーガン神父事件のコラムを書いた

ボストン教会区

スポットライト 世紀のスクープ

バーナード・ロウ枢機卿・・・多くの事件をもみ消す

弁護士

スポットライト 世紀のスクープ

教会側の弁護士 ジム・サリヴァン  ロビーの友人でもある

スポットライト 世紀のスクープ

被害者側の弁護士 ミッチェル・ガラベディアン マークが担当

スポットライト 世紀のスクープ

被害者側の弁護士 エリック・マクリーシュ   ロビーとサーシャが担当

被害者の会 スナップ

スポットライト 世紀のスクープ

フィル・・・グローブ社へ来社

スポットライト 世紀のスクープ

リチャード・サイプ・・・ボルティモア・シートン精神医学研究所で研究・元神父

その他

スポットライト 世紀のスクープ

ピート・コンリー・・・ボストンの街の有力者・慈善活動家

スウィーニー判事・・・グローブ社が封印証拠の開示を申請する。

バロン局長就任

グローブ社の新聞の躍進させようと重大記事への取り組みをする。

以前の中途半端に取り上げた「ゲーガン神父事件」の続報を深く取り上げる。

(「ゲーガン神父事件」についてはアイリーン・マクナラマがコラムを書いたのみだった。)

スポットライトチームが任命される。

同時にグローブ社は過去の性的虐待事件の裁判に提出された証拠文書の開示請求スウィーニー判事に出す。

スポットライトチームの取材

マイク担当

ガラベディアン弁護士への取材

今もなお続く神父の性的虐待で教会側を訴えている。

スポットライト 世紀のスクープ

ロビーとサーシャ担当

マクリーシュ弁護士への取材

「ポーター神父事件」の被害者側弁護士

被害者と教会側の示談にて解決している。

スポットライト 世紀のスクープ

・マット担当

グローブ社内にある神父の性的虐待事件の資料を集める

スポットライト 世紀のスクープ

バロン局長、2つの面談

グローブ社取締役・・・神父性的虐待事件を追うことを上層部へ話を通しておく。

スポットライト 世紀のスクープ

カトリック教会

バーナード・ロウ枢機卿・・・新任の局長は会うことが慣例となっている。

スポットライト 世紀のスクープ

スポットライト 世紀のスクープ

お互い手を取り合っていきましょう。

スポットライト 世紀のスクープ

独立していた方が良いこともあります。

教会側の弁護士 ジム・サリガン

バレット神父事件の教会側弁護士、そしてロビーの友人

ロビーが教会の性的虐待事件を取材することに難色をしめす。

スポットライト 世紀のスクープ

被害者の会スナップへの取材

スナップのフィルがグローブ社へ来社

スポットライト 世紀のスクープ

神父に性的虐待を受けた子供は信仰がなくなり、大人になって酒・薬・自殺する深刻な問題になる。

これはボストンだけの話ではない全世界で起きている。

バチカンが隠している。

性的虐待をする神父がボストンだけでも13人いる

これまでわかっている事件

・ゲーガン神父事件 1960年~1970年代
・ポーター神父事件 10数人の被害者 示談 マクリーシュ弁護士(被害者側)
・バレット神父事件 協会が揉み消し ジム・サリガン弁護士(教会側)
・シャーリー神父事件 マクリーシュ弁護士(被害者側)

多くの事件にマクリーシュ弁護士ジム・サリガン弁護士が関わっていることが判明する。

つまり弁護士同士が結託し示談という解決方法で事件をもみ消している。

さらに示談という形になるため裁判所に記録として残らない。

スナップのメンバー:リチャード・サイプへの取材

サイプは元神父で現在はボルティモア・シートン精神医学研究所で研究をしている。

サイプは全世界の神父の6%が小児性愛者だという。

ボストンの神父1500人×6%=90人

統計的に90人の神父が小児性愛者だという。

小児性愛者の神父は2~3年で移動を繰り返す。

スポットライト 世紀のスクープ

スポットライトは教会の年鑑から不明瞭な理由で移動をする神父を割り出す。

その数 87名

サイプの研究結果とほぼ同数の人数だった。

バロン局長からスポットライトへ指令

標的を神父個人から隠ぺいをする教会組織へ

スポットライト 世紀のスクープ

思いがけない証拠文書の開示

スポットライト 世紀のスクープ

ガラベディアン弁護士の現在の扱っている訴訟は・・・

「ゲーガン神父事件」に関わった神父の新証言が地方新聞記事に載る。

ガラベディアン弁護士は教会に供述を取るため訴訟を起こす。

教会側のロジャー弁護士が「不当な訴訟」としてガラベディアン弁護士を逆に訴える。

ガラベディアン弁護士は「教会に供述をとる必要性」を示すために裁判所へ資料を提出する。

その資料は裁判所が封印している、過去14件の虐待事件の証拠文書

この訴訟は現在進行形であるため、提出された「過去14件の虐待事件の証拠文書」も一般開示されている。

マイクは開示された過去14件の証拠文書をコピーする。

スポットライト 世紀のスクープ

ロビーの返事

過去事件14件分の証拠文書を手に入れたマイクは裏付け十分として記事にすべきと主張する。

これでバーナード・ロウ枢機卿を追いつめることが出来る!

スポットライト 世紀のスクープ

だがロビーは「まだだ!」と記事にすることを許可しない。

ロビーはこれだけの証拠ではロウ枢機卿だけが罪を被って終わってしまう。

再発を防ぐには教会組織を追いつめるだけの証拠が必要と判断する。

証拠文書の開示許可と記事掲載

それから2週間後

グローブ社が求めていた過去事件についての証拠文書開示の許可が下りる。

6週間後、70人の神父に性的虐待を受けた被害者全員の取材記事とともに教会が隠ぺいした証拠となる文書がグローブ社の新聞に掲載される。

スポットライト 世紀のスクープ

あらすじ 感想
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オーメン(1976)とオーメン(2006)見比べ(ネタばれ有り)

オーメン19761976年オリジナル版(111分)
★★★★☆彡


監督リチャード・ドナー(スーパーマン、リーサルウェポンなど)
配給 20世紀フォックス
DVD 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
父ロバート  グレゴリー・ペック(ローマの休日)
母キャサリン リー・レミック
カメラマン  デヴィッド・ワーナー(タイタニック)


オーメン20062006年リメイク版(110分)
★★☆☆☆


監督 ジョン・ムーア(ダイ・ハード/ラスト・デイ)
配給 20世紀フォックス
DVD 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント
父ロバート  リーヴ・シュレイバー(大統領の執事の涙)
母キャサリン ジュリア・スタイルズ
カメラマン  デヴィッド・シューリス(ハリーポッター)


こんにちは、しんじです

今回は「エクソシスト」と双璧をなすオカルト映画の名作「オーメン」の感想を書きます。

この「オーメン」のオリジナル版は1976年に作られました。
後に「オーメンⅡダミアン」「オーメンⅢ最後の闘争」へと続いていきます。

オーメン2/ダミアン オーメン3/最後の闘争

そして2006年にはジョン・ムーア監督のもとリメイク版がつくられました。

今回はこのオリジナル版とリメイク版の両方を見比べて、それぞれの恐怖のテイストの違いを書いてみたいと思います。


まず最初に。
僕は断然にオリジナル版が優れていると評価しています。
そこが出発点になってます。


PukuPukuMarine

オリジナル版の監督はリチャード・ドナー

彼は後に「スーパーマン」「リーサルウエポン」などオカルトとは全然ジャンルが違うSF、アクション映画のヒット作を生み出しました。

オーメン オーメン

リメイク版ジョン・ムーア監督。

後にダイ・ハード/ラスト・デイという最悪な映画を作ってくれましたよね。

オーメン

想像ですがオリジナル「オーメン(1976)」は、「エクソシスト(1973)」を大分意識して作られたのではないでしょうか。

オーメン

そのにハリウッド正統派2枚目スターであるグレゴリー・ペックという大物俳優をオカルト映画の主役に起用しているのです。

オーメン

今もそうですがホラー、オカルト映画はハリウッド映画ではかなり軽視されがちな映画です。

そこにグレゴリー・ペックという大物俳優をキャスティングするなんて、力の入れようがうかがい知れます。

グレゴリー・ペックのキャスティングは、「オーメン」をオカルト映画でありながらもドラマチックな映画へと昇華させています。
それは彼の心情溢れる演技によるものです。

オーメン1976

しかし、ダミアンが5歳という設定を考えると、グレゴリー・ペックは少々年齢が上過ぎるかと思います。

新進気鋭の将来有望な人物像としてはリメイク版のリーヴ・シュレイバーの方が本当なのかもしれませんね。

オーメン

オリジナル版とリメイク版の大きな違いをざっくりと6つの項目で分析してみたいと思います

1.時代

オリジナル素の70年代の雰囲気を味わえます。

70年代の街並み、ファッション、自動車などがとても味わい深い雰囲気を出しています。

とくに女性のファッションは興味深いです。

オーメン

また、女性像も異なり、オリジナル版では女性は一歩後ろを歩くような存在に描かれています。

日本的に言えば奥ゆかしい女性像です。

リメイク版は2006年の時代で描きなおされています。

そのため女性像はもっと自律的自己主張が強く描かれています。

夫婦間でも、本音をぶつけ、男女対等な夫婦関係を描いています。

それぞれその時代を映し出しているのがとても興味深いですよね。

2.カメラワーク

このカメラワークに関しては断然オリジナル版の方が素晴らしいです。

大きな特徴としては物を通しての場面を映し出していることです。

例えばこちら側にある物体の隙間から主人公を映してみたり、2人の会話が実はガラスに映し出された姿であったり、場面場面で効果的なカメラアングルで映し出すカメラワークはとても優れているといっていいです。

オーメン

リメイク版はカット割りコマ抜きカメラをブラすなど機器的技術を生かした効果を出そうとしています。

しかしそれが海外ドラマ的に感じてしまいます。

何となく「24」で用いるような撮影方法っぽくて・・・

ちょっと映画的なカメラワークっぽくなかったです。

3.音響による表現力

音響に関しては断然にリメイク版が凄いです。

とくに乳母の首つりシーンでのロープがきしむ音は凄かった

リメイク版はそれくらい細かい音が表現されています。

それにも拘わらずそれを生かし切れていないジョン・ムーア監督

それはひとえに間の悪さです。

音というのは静けさが合わさるからこそ際立つのです


そこがわかっていないな~!

キャサリンが落下したら、そこで少しを置く。

カメラマンが首切断されたら、そこで少しを置く。

先にも書いた通り全体的にカット割りが多すぎるのですよ。

ラストの父親が銃弾で撃たれる場面においてもそれが見てわかります。

オリジナルはピストルのアップと銃弾の音で父親が撃たれたことを表現しています。

オーメン

しかしリメイク版では多くの映像を事細かに入れてしまうことで銃弾の表現が希薄になってしまいます。

銃弾の細かい音をしっかりと表現できれば、父親が撃たれる場面が脳裏に残る場面になったはず。

無常感を出せたはずなのに。

オーメン2006

リメイク版でひとつだけ良い音響効果がありました。

それは何気なく人が嫌悪感を感じる音をこっそりと入れこんでいる点です。

わからないくらいに音のハウリング音とかいれてます(ブレナン神父の部屋の場面

他の場面でも、人が不快に感じる音を入れているのではないでしょうか。

もしリメイク版を観る機会がある方はチェックしてみてください。

4.音楽

オリジナル版が圧倒的に凄い。

あのゴリゴリのゴシック系クラシックがやりすぎなくらい恐怖を煽ります。

実に効果的なのです。

オカルト映画の代表的な名曲となっています(第49回アカデミー作曲賞も受賞

「Ave Satani」という曲です。

Youtubeで検索してみてください。

5.キャラクター

オリジナル「オーメン」ではひときわキャラクターが際立った人物がいます。

カメラマンの「ジェニングス」です。

オーメン

このカメラマンの男が際立ったキャラクターでなければならない理由があります。

それはこのカメラマンが殺される場面がこの映画一番のハイライトシーン🚩であるからでしょう。

オリジナル版ではデヴィッド・ワーナーを起用しています。

彼の中途半端に伸びた髪と面長な顔立ち。

しっかりとキャラ立ちしています。

この特徴的な男が無惨な殺され方をされることで父「ロバートの決意」が固まります。

オーメン

リメイク版のデヴィッド・シューリスも独特な雰囲気はもっています。

オーメン2006

デヴィッド・シューリス

しかしながらオリジナル版のデヴィッド・ワーナーを観た後ではちょっとキャラの弱さが目立ってしまいました。

もっと嫌な奴、もしくは凄く良い奴にしてキャラを際立たせたらよかったと思います。

もったいない。

ただリメイク版でもひときわ煌めいたキャラクターがいましたよね

ブレナン神父です。

オーメン2006

ピート・ポスルスウェイトさんが演じています。

彼はとても特徴的、印象的な俳優さんです。

僕はこの俳優さんをとても気に入っています💚

名脇役ですよね。

2011年に永眠されましたが、今もなお映画の中で輝き失せないですね

おおっと!!ベイロックさんを書き忘れるところでした。

オーメン

オリジナル版で凄い存在感を醸し出しているのは、イギリスの女優ビリー・ホワイトローさんです。

あの存在感は日本の女優さんでも見たことありますね。

岸田今日子さんにそっくりですよね。

そしてリメイク版も負けていません。

あそこまでよく寄せてましたね。

オーメン2006

アメリカの名女優ミア・ファローさん、さすがです。

数々の賞を受賞してきた素晴らしい女優さんです。

拍手!👋👋👋

6.恐怖の表現

オカルト映画でもっとも大切な要素ですよね。

オリジナル版はひとつひとつの不吉な出来事が怖いのですが、その全ての不吉がラスト、ダミアン・ソーンの笑みにより強大な禍々しさとなり観客に押し寄せてきます。

ここがこの「オーメン」の本質的な部分なのです。

「全てはダミアンの思惑どりだったのか!!?」

ここに結び付けるためにひとつひとつの恐怖エピソードに敢えてダミアンの直接的な意思入れることをしなかったのです。

その為全ての恐怖はダミアンの無意識から生まれている!?と観客に思わせています。

それがラストの「笑み」によりどんでん返しになっています。

この確信犯的な衝撃は凄いです。

オリジナル版では行間の恐怖を観客に与えているのです。

さぁ、あなたはどう思う。」ってね。

オーメン1976


あのダミアンの笑みは演技なのでしょうか?
あまりにも自然です。
それがまた怖いです


一方リメイク版では、とにかくひとつひとつの場面を敷き詰めてしまいます

1から10まで映像を入れなければ気が済まないようです

当然、「ダミアンの睨み」「ダミアンの言葉」もしっかりと恐怖エピソードに挟んでしまいます。

オーメン2006

全てダミアンが操っている!!

観客がまるわかり状態になってしまいます。

これって最悪ですよ。

映画のラストを自らネタバレさせているようなものですからね。

映画館でとなりの客が囁きます。

これってダミアンの思惑通りに事を運んでいるんだぜ。

そんな事を監督が自らやってしまっているのです

たぶんジョン・ムーア監督はオリジナル「オーメン」の素晴らしいところを全然理解していなかったのだと思います

それとも伏線を張るのが非常に下手な監督なのかもしれませんね。

僕がリメイク版最も気に入らないのが、母キャサリンの夢、父ロバートの夢に現れた邪悪なダミアン😈です。

オーメン2006

「あ~あ、やっちまった

そんな感じでした・・・

ここまでダミアンを邪悪さをさらしておいて、ラストシーンの「笑み」に何の意味があるのでしょうね・・・
オーメン2006

そんなんじゃ「あっそ。」で終わってしまします。

致命的・・・

無垢だと思っていた少年が実は思惑通りに事を運ばせていた!??

この禍々しい恐怖こそ「オーメン」なのです。

果たしてダミアンの邪悪意識的or無意識?

後に、このことがオーメンシリーズでもっとも評価が高い「オーメンⅡダミアン」につながるのです。

少年期のダミアンの苦悩

自分の意思とは関係なく(?)恐怖を生み出してしまう少年の苦悩と覚醒です。

今回、このオーメンを考察しながら観ていたのですが、わかりました

「オーメン」は「リング」の元ネタだなって。

オーメン

写真、呪い、謎解き

この3つの要素が「オーメン」にしっかりあるのです。

やはり「オーメン」と「エクソシスト」はオカルト映画の教科書ですね。
素晴らしい映画です

2006年の「オーメン」はひとえに監督の力量不足でしょう。

もっと映画としての多彩な表現力を身に着けてほしいです。

まだ「オーメン」を観ていない人は、まずはオリジナル版を観てくださいね。
お勧めです。

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