「エクソシスト ディレクターズカット版」の感想・レビュー(ネタばれあり)

エクソシスト ディレクターズカット版

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エクソシスト ディレクターズカット版エクソシスト ディレクターズカット版
★★★★☆彡
監督 ウィリアム・フリードキン
脚本 ウィリアム・ピーター・ブラッティ
配給 ワーナー・ブラザース
DVD ワーナー・ホーム・ビデオ
上映時間 132分

こんにちは、しんじです。

前回は「オーメン」シリーズの記事を書きました。

そうすると、この映画の記事も書かないわけにはいかないか、と。

今回は「エクソシスト ディレクターズカット版」の感想を書きます。

「エクソシスト」は1973年に作成されました。

それまでもオカルト・ホラー映画などはありました。

しかし、この「エクソシスト」こそ、今のホラー映画の原点を作ったと言っても過言ではないでしょう。

今から47年前です。

半世紀です。

今のVFX技術にも負けない特殊メイクと特殊効果には圧巻です

僕は今回、この記事を書くにあたって、この映画を観直しました。

もう、何十回も観ていたのですが、真剣にこの映画に向き合ってみると、今までにない発見がありました。

おしゃれな映画だな。

意外かと思いますが、本当にそうなんです。

「オカルト映画だから、そんなわけない。」と思われる人はもう一回観てください。

これはリーガン(リンダ・ブレア)の母役エレン・バースティンのおかげだと言ってもいいでしょう。

彼女の服装たたずまい、それに落ち葉が舞う街並みにあいまって、まるでロマンティック映画の一場面のように見えるのです。

エクソシスト ディレクターズカット版

僕は、こういうオカルトの恐ろしさだけに突出していないことが、この映画の高い評価がされるところだと感じました。

「暗めの映像にすれば重厚な映画に見えるだろう。」

この間違った認識をする日本のダメ映画はよく勉強することです

これも意外なようですがこの「エクソシスト」の昼の映像は、何とも明るいのです。

明るい作風のような映像は、「オーメン」と全然異なっている部分ですよね。

だから登場人物の会話もジョークを交えたセリフであったりします。

エクソシスト ディレクターズカット版

たとえ、デミアン・カラス神父ジェイソン・ミラー)に「悪魔祓い」を懇願する場面であっても、暗さを感じさせず、むしろロマンティックな映画のひとコマのような雰囲気を感じさせます。

エクソシスト ディレクターズカット版

そして、「エクソシスト」に欠かせないものがあります。

芸術性

『恐怖について書かないの?』って思われるでしょうが、その恐怖を更に引き立てる要素を少し考察したいと思うのです。

この映画が神(神父)VS悪魔(パズス)であることから、監督はこのバランスをどの場面においても崩すことはしていない気がします。

エクソシスト ディレクターズカット版

闇には光、光には闇がある

だからこそ、昼は昼らしい明るい映像であるのです。

このメリル神父がイラクの洞窟を歩く場面でも、必ずを入れています。

暗い場所にも光のカーテンが降り注ぎ、メリル神父の肩をかすめる。

この光がとても美しい。

エクソシスト ディレクターズカット版

そして有名なこの場面。

エクソシスト ディレクターズカット版

マクニール家にメリル神父が降り立つ。

そしてその気配を感じる悪魔

電灯に光る霧暗闇のコントラスト。

なんかビリビリ芸術性を感じませんか?

また悪魔祓いの最中でも、光と闇の演出をします。

エクソシスト ディレクターズカット版

リーガンが手を高らかに上げ、その向こうにパズスの影が見えるのです。

ほんとうに絵になる映像ですよね

ロマンティックであり芸術的。

恐怖映画とは相反するような要素が恐怖をより一層引き立てます

僕は幼い頃この映画を観て、トラウマになってしまったのです。

凄く大げさに言えば今でいうPTSDのようなものかな。

まぁ、階段が怖くなりましてね

この映画でデミアン・カラス神父が階段から落ちるシーンが凄くリアルで、僕のに何度となく登場します。

そして階段を転げ落ちて目が覚めて泣きわめく。

それほど僕の心に突き刺さったのです。

でも、当時から恐怖映画が好きだった僕はTVで「エクソシスト」を放送するたびにTVの前にスタンバイして、親に注意されました。

「また眠れなくなっちゃうよ。」てね

このような体験をした人は多いのではないでしょうか?

例えば、ベッドで寝ていた子供は、「ベッドが揺れる夢」「自分がバッタン、バッタンとなる夢」

エクソシスト ディレクターズカット版

これは「エクソシスト」が一般家庭の身近にあるアイテムを使っているからなのでしょう。

子供はベッドで寝て、階段からもよく落ちます😥🩹

今回、この映画を観て、幼児の頃は決してわかるはずもなく、今にしてわかるものがあります。

それはデミアン・カラス神父の苦悩です。

ひとり母を残すことへの苦悩は今の僕にはよくわかります。

映画では脳水腫にて正常じゃなくなった母を精神病院にて拘束する形になってしまいます。

エクソシスト ディレクターズカット版

その時、叔父に言われます。

「お前が精神科医になっていれば母親は悠々自適な生活をしていただろうよ。」

胸に突き刺さりますね

それをもとに悪魔が揺さぶりをかけてきます。

いや~、あれは堪えるな。

いま、デミアン・カラス神父と同じくらいの年齢になってやっとわかりました

リーガンの恐ろしい特殊メイクについては今さら言うこともないのですが、

エクソシスト ディレクターズカット版

この先この映画を観る人には、必ず音がリアルに再現できる環境でみてほしいです。

今の時代のように精巧な録音機器があるわけではなかった時代ですが、とにかく音が良いです(デジタルリマスターのおかげかな?)。

悪魔の声やうめきリーガン(リンダ・ブレア)の吐息が合わさることにより、クライマックスの悪魔祓いは完ぺきになります。

この音響効果は第46回アカデミー賞も受賞していますので、要注目ですよ!!

この凄まじい悪魔祓いはデミアン・カラス神父の自己犠牲において幕を閉じるのですが、最後にダイアー神父がデミアンの手を握り信仰心を確認するのが、凄く泣けますよ

エクソシスト ディレクターズカット版

そして何よりも悪魔に取りつかれていた間の記憶がないはずのリンダが、ダイアー神父の襟カラーを見て、その奥にいるデミアン・カラス神父の面影に対してキスをするのが、凄くロマンティックです💛

エクソシスト ディレクターズカット版

完璧なラストですね。
僕はこの場面が大好きです

今回、ディレクターカット版を観たのですが、映像・音ともにデジタルリマスターされていて、とにかく素晴らしいです。

まるで昨年にでも製作されたような再現力ですね。

これから観る人は絶対にデジタルリマスターされたものを観るべきですよ。

ただし、僕個人的には、この「ディレクターカット版」の付け加えられた映像に不満もあります

遊びが過ぎたかな?

「ディレクターカット版」はご存じの通り劇場公開においてカットせざるを得なかった場面を監督が想いの通りに、付け加えて、本来見せたかった作品にしたものですよね。

でもちょっと、やりすぎたような気がするのです。

特にオーバーラップ映像。

ちょくちょく登場する悪魔の顔です。

エクソシスト ディレクターズカット版

これちょっと多くないですか?

停電の場面でシステムキッチンの上に悪魔の顔がチラッと出るなんて、なんか笑っちゃいますよ。

エクソシスト ディレクターズカット版

ことあるたびにこの顔をオーバーラップしたりするんですが、少しくどいです。

こんなことしなくても話の筋からわかるんですから、わざわざブックマークをつける必要なんてありません。

最後なんて、デミアンが飛び脱す窓にまでメリン神父の顔を出しちゃいます。

これはいらないですよ。

もし、これが劇場オリジナル版でやっていたら安直な映像表現で、評価を下げていたかもしれません。

これは「オーメン(リメイク版)」で僕が批判した内容に酷似しています。

それと有名になったリーガンがブリッジしながら階段を下りてくる場面ですが、僕はあの場面も蛇足だと思います。

エクソシスト ディレクターズカット版

あそこでリーガンが階段を下りてくる必要性というか・・・なんか突飛な感じるのです。

せっかく作ったんだから見せちゃえ!』って感じがするんです。

ディレクターカット版なんだから、これが「本物」って解釈もありますが、僕は「違う」と思います。

映画は劇場で公開するためにブラッシュアップします。

ダイヤ💎を何度もカットして美しくするように、映画も劇場オリジナル版が一番良い形になっていることが多いはずです。

監督が余計な場面を付け加えることで、このバランスが崩れることもあるのではないでしょうか?

特に顕著なのが「間延び」ですよね。

これによって素晴らしい「行間のセリフ」も壊れてしまうことが多々あります。

さて、映画の終わりはこの2人の会話によって締めくくられます。

ダイアー神父とキンダーマン警部。

エクソシスト ディレクターズカット版

映画好きなキンダーマン警部が「映画を観に行こう。」と誘うのです。

ダイアー神父は「その映画はもう観ました。」といいます。

そして2人は食事をしに行くのです。

この会話によって映画は終わるのですが、後にこの2人の友情は長いこと続き、映画談議が尽きない仲になります。

それが「エクソシスト3」へと続いていきます。

まだ観ていない人は「エクソシスト3」を観てくださいね

おそらく不満を言う人は少ない作品になっています。

何といっても監督は原作者のウィリアム・ピーター・ブラッティ本人です。

彼曰く「これが正当続編だ。」

「エクソシスト」は個に執着し、神を冒涜する悪魔

オーメン」は黙示録をもとに神と対峙する悪魔。

あなたのお好みは?

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Review of movies

Hello.

This is Shinji

This time, I wrote a review of “The Exorcist (Extended director’s Cut Theatrical Cut)”.

It is a movie that can be said to be the origin of occult movies.

This movie is the origin of the occult movie and is the “best” work.

It’s a movie that continues to make a big impact.

This film has won the 46th Academy Awards for “Writing Adapted Screenplay” and “Sound Effects Editing”.🥇

Overview of this article


Good point
Director’s job.
Movie script
Power of sound.
soundtrack.
special effects makeup.
Artistry.
エクソシスト ディレクターズカット版

Romantic and stylish video.
Most scary😱
Acting “Jason Miller”.
エクソシスト ディレクターズカット版

His sad look is indispensable in this movie.


Bad point
The Exorcist (Extended director ’s Cut Theatrical Cut)
This version has extra scenes.
1. Devil face.
エクソシスト ディレクターズカット版

2. Scene where Linda goes down the stairs.
エクソシスト ディレクターズカット版

I think these two scenes are breaking the balance of “screenplay for movies.”


“Extended director’s Cut Theatrical Cut” is often out of balance.

After all, “Theater Original” may be the most balanced.🤔

投稿者: emo-shinji

東京中野区でPukuPukuMarinというDiving serviceをしています。 PADIのMasterScubaDiverTrainerというインストラクターです。 EFRの救急救命のインストラクターでもあります。 ずーっと伊豆を中心に潜っています。初島と西伊豆の黄金崎を得意としています。ダイビングと映画で満足です。

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