ランボー3/怒りのアフガン
★★★☆☆
監督 ピーター・マクドナルド
脚本 シルヴェスター・スタローン
配給 東宝東和
DVD KADOKAWA
上映時間 101分
こんにちは、しんじです。
今回は「ランボー3/怒りのアフガン」の感想を書きます。
この映画は1988年に公開された映画です。
前回の「ランボー2/怒りの脱出」の評価は星1.5と振るわなかったのですが、今回は不安の中、観賞しました。
あらすじ | 感想 |
前回のミッションにより恩赦を得たランボーはアメリカに住むことができずに、彷徨っていた。
現在はタイの山奥の寺院にて寺の改修工事をしながら暮らしていた。
そこに現れたアメリカ国務省グリッグスとトラウトマン大佐。
トラウトマン大佐はアフガニスタンに侵攻しているソ連軍の軍事的調査を兼ねてアフガニスタ反乱軍への支援をする作戦にランボーの参加を求めた。
「俺の戦いではない。おれの戦争は終わった。」
トラウトマン大佐の説得にも応じなかった。
それから時がたち、再びグリッグスがランボーを訪ねた。
「大佐が捕らえられた。この事実だけを知らせに来た。」
「俺が行く。俺がアフガニスタンへ行く。」
「ジョン、言っておくが君に何かがあってもアメリカは君を救援することはできないぞ。」
「もう慣れている。」
グリッグスが手配した伝手を頼りに、ランボーの単独ミッションが開始した。
ランボーは現地のモーサに反乱軍の村まで案内される。
反乱軍兵士の会議にランボーは出席をゆるされ、大佐が捕らわれているソ連基地の現状を知る。
そこには「グリーンベレー」に匹敵すると言われるソ連軍の特殊部隊「スペツナズ」がいるのだった。
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あらすじ | 感想 |
うん。
「良くなりました。」
実に不本意な感想ですが、まずそんな言葉が浮かびました。
やっぱり監督の力なのかな?
「2」は観客をひきつけるものがなかった。
映像表現が凄く稚拙だった。
それに比べ今作は、映像表現が豊かになっています。
例えば、ランボーが大佐の説得を聞かずに作戦に参加しなかった。
ランボーは、「何が正解なのか?」と自問自答している。
その様子をタイの寺院の屋根から見える雄大な風景をバックに描いている。
これだけで観客の関心はランボーの心情に注がれるのです
また、アフガニスタンの岩と砂の世界をスケール大きく描いている。
そこを縦横無尽に飛ぶソ連の軍用ヘリコプター。
凄い迫力です。
それは音響が大きく影響しています。
臨場感たっぷりです
反乱軍でのランボーと子供との会話、村の風習のゲームへの参加など、1から10まで戦闘で埋め尽くそうとした「ランボー2」と違い、ストーリー上のメリハリを上手に付けています。
この緊張ほぐれる村の場面があるからこそ、村への襲撃場面が残酷に描写されます。
洞窟内でのスペツナズとランボーの対決は、なかなか見応えがありました。
これもカメラワークが良く、洞窟内に射す光の描写や、暗闇から音もなく現れ、音の出ない弓矢を活用して暗殺者としてのランボーを映えさせる効果が抜群です
しかし、最後の最後の展開はあまりにも現実的ではなく、ちょっと見るに堪えない感じでした
もうご都合主義爆発です💥
この時代は今のようにリアル路線を描く映画は少なかったのでしょう
まるで最後の展開はインディージョーンズでも見ているのかと思ってしまうような展開でした。
この映画では「First Blood」「ランボー2」などのようにランボーを通してベトナム帰還兵の社会的問題を提唱することもなく、ラストショットでは大佐との会話でジョークをいうランボーが描かれています。
これは完全に全2作と切り離した作品であることを表しているように思いました。
しかし、それが逆にこの映画をまとまりのある娯楽映画にしてくれたのだと思います
同時に「ランボー2」が「First Blood」に引きずられてしまい駄作となった原因を如実に表しているようにも思います。
「ランボー2」のレビューで書いたように、実はこの映画はアメリカの黒歴史でもあるのです。
それは・・・
このアフガニスタンの対ソ連反乱軍へアメリカが支援し、訓練しました。
後に、この反乱軍はタリバンとなり、ソ連崩壊後に、対アメリカへテロ組織の一端を担う存在になってしまいました。
この辺問題は敵にもなりパイプにもある存在なので複雑なのですが・・・
つまりアメリカは自らの手でテロ組織の基盤を作ってしまっているのです。
これは何とも皮肉なことです。
この映画でもある戦士たちの数々のソ連軍への不屈の覚悟。
「我々アフガニスタン人は負けない。
神よ、蛇の毒とアフガンの報復から?」
これが今やアメリカへ向ける言葉になりかねないのです。
ランボーシリーズは
「First Blood」 | 帰還兵の問題 社会派ドラマ |
「ランボー2」 | エンターテイメント性を強調 |
「ランボー3」 | 完全娯楽映画 |
こんな風に色分けすることができます。
さて、この先に2008年の「ランボー/最後の戦場」があるのですが、この映画は上記の3作をうまいことミックスした出来栄えの良い映画になっています。
残酷描写ははるかにレベルアップし、目を覆いたくなるような場面も多いです。
しかし、それが戦争の残酷さや狂気を表しているとも言えます。
ランボーの「何かが変わったか?」という無言のセリフが胸に刺さります。
上記3作を観た人は是非「ランボー/最後の戦場」までしっかりご覧になる事を強くお勧めします。
ラストもしっかりとランボーシリーズを締めくくった終わり方になっています。
さてさて、そして「ランボー ラスト・ブラッド」
凄く気になりますよね
どんなランボーになるのでしょうか??
あらすじ | 感想 |
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Hello.
This is Shinji.
This time I wrote a review of “RAMBO III”.
“First Blood” with the theme of returning soldiers
“II” which became a half-assed bad work
“Ⅲ” is a complete entertainment work.
However, it made this movie a good and entertaining movie.
The story was sharp and the camera work was very good.
I also enjoyed the battle with “Spetsnaz”.
However, hero opportunism is too strong.
It was like “Indiana Jones series”.
Summary of this article.
Good point
Director’s work / sense
Camera work
The scenery is wonderful.
A good balance between darkness and light.
Sound effect
Bad point
Hero opportunism
“III”, which eliminated the problem of returning soldiers, was a good result as a result, but “RAMBO” is a story in which the theme is “returning soldiers”.
The best mix of “entertainment” and “cruel of war” is “RAMBO (2008)”.